尾骨(尾てい骨)痛とは

尾てい骨は、解剖学的には「尾骨」と呼ばれる背骨の一部です。もともとは3~5個の尾椎という背骨の一部。
それらが癒合したものが尾てい骨で、しっぽの名残ともいわれます。尾てい骨は仙骨と呼ばれる逆三角形の骨盤を形成する骨ともつながっているため、骨盤の歪みとも大きく関係する部位です。
そんな尾てい骨には、お尻にある力強く大きな筋肉「大殿筋」をはじめとする複数の筋肉や靭帯、腱が付着しています。また、小さな骨ながら、背骨や骨盤の歪み、股関節の動きに悪さがあると負荷がかかりやすい部位でもあります。

尾骨に痛みが出る原因は、ひとつに特定できるものではありません。一時的な痛みであれば問題なくても、放置すると症状がひどくなるものや、病気が潜んでいるおそれもあるので注意が必要です。尾骨が痛いときに考えられる原因を紹介します。

お尻をひどく打ったり、尻もちをついたりした覚えがある人は、打撲や骨折が原因で痛みが出ているかもしれません。打撲の場合は、筋肉や皮下組織が損傷して痛みが生じている状態です。ひどい打撲では、腫れや内出血が見られることもあります。通常、打撲であれば数日で徐々に痛みが引いていきますが、長期間痛みが続いているなら骨折している可能性が高いです。骨折といっても尾骨は細い骨であるため、腕や足の骨を折ったときのような激しい痛みをともなわないことも多く、打撲と勘違いする人もいます。痛みのほかにも、腫れやしびれ、足の脱力感などが起きている場合は、尾骨が損傷している可能性があります。腸や膀胱に影響が出ることもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

妊娠後期に入ると体が出産に備えはじめ、尾骨部分をやわらかくするホルモンが分泌されます。このホルモンの分泌により骨盤が緩み、出産しやすくなるのですが、尾骨周りの筋肉や靭帯が過剰に伸びて痛みを引き起こすことがあります。また、妊娠をきっかけに体重が急激に増加した人は、尾骨に負担がかかったり尾骨の位置がずれたりして、痛みを感じることがあります。産後は、育児で疲労が蓄積しやすい状態でもあるので、尾骨の痛みの回復が遅くなり、なかなか痛みが取れない人も多いです。

デスクワークなどで座る姿勢を長時間続ける人、日頃から姿勢が悪い人は、尾骨に圧力がかかって痛みが生じる場合があります。とくに長時間座っていると尾骨の可動域が制限され、正常な位置よりも後ろに尾骨が出てきてしまうおそれがあります。尾骨の位置がずれると関節や骨にかかる圧力が増加し、痛みにつながります。

同じ姿勢で過ごす時間が多い人は、骨盤まわりの筋緊張によって痛みが生じているかもしれません。筋緊張とは、肩こりなどの「凝り」の状態を指します。骨盤のまわりが凝って疲労が蓄積し筋肉が固くなると、尾骨が引っ張られる状態になり痛みが生じるのです。筋緊張状態が続くと、自分でほぐすのが難しくなります。体を動かして筋肉をほぐそうとしても痛みがあるため、十分にほぐせないのはもちろん、無理に動かせば別の部位を傷めてしまう場合もあるので注意が必要です。

出産後や姿勢の悪さで骨盤が歪んでいると、尾骨も歪んできて痛みが生じます。骨盤のまわりには多数の筋肉が存在しており、筋肉のバランスが崩れると骨盤が歪み、尾骨にも影響を及ぼすのです。また、妊娠してお腹が大きくなると、体がバランスを保とうとして重心が崩れやすくなります。普段から姿勢が悪い人はもちろん、妊娠出産後に尾骨の痛みを感じる人が増えるのは尾骨の歪みが関係しています。

では、尾てい骨の痛みがあるときにお試しいただきたいストレッチをご紹介します。

1.仰向けで、両膝を曲げる
2.右の太ももに、左膝を引っ掛ける
3.右膝の下で両手を組み、胸に引き寄せる
左右とも行ってください。お尻が伸びるのを感じながら10秒程度伸ばしましょう。

1.椅子に浅く腰掛ける
2.左膝を曲げ、あぐらをかくように、右太ももにのせる
3.背中をまっすぐにしたまま、上半身を前に倒す
また、 座っているときはお尻の下にクッションを敷くなどして、尾てい骨が座面で圧迫されないようにする
ことをおすすめします。

膝を伸ばした状態で、仰向けに寝る
片方の膝を両手で抱え、胸に引き寄せる
お尻から腰にかけてじんわり伸びる感覚を感じたら、20〜30秒キープする
左右交互に2〜3セット繰り返す

仰向けに寝て、両膝を立てる
両膝をそろえたまま、ゆっくり左右どちらかに倒す
腰からお尻にかけて伸びを感じたら、20〜30秒キープする
左右交互に2〜3セット繰り返す
ただし、痛みが出始めてすぐの急性期には無理に行わないでください。

尾てい骨の痛みの背景には、骨盤の歪みが深く関わっていることが多くあります。
当院の骨盤矯正では、傾きやズレが生じた骨盤を本来の正しい位置に整えることで、尾てい骨への過剰な圧力を取り除き、痛みの根本改善を目指します。産後に痛みが続いている方には、産後骨盤矯正で緩んだ骨盤をしっかりと安定させるアプローチも行っています。「出産してからずっと気になっている」という方もお気軽にご相談ください。

尾てい骨まわりの深部にある筋肉の緊張や、慢性的な炎症に対して、鍼灸療法で内側からアプローチします。
細い鍼とお灸の熱刺激によって、表面からでは届きにくい深部の筋緊張をほぐし、血流を改善することで痛みの慢性化を防ぎます。「長期間痛みが続いている」「患部が硬く張っている感じがする」という方に特に効果が期待できます。

高電圧の電気刺激で深部の炎症や痛みに直接働きかけ、つらい症状の緩和を図る施術です。
強い痛みへの即効性が期待できるため、「今ある痛みをまず取り除きたい」という方に特におすすめです。

尾てい骨の痛みは、特に女性に多い症状です。パソコン作業やスマホを見る時間が多い方、姿勢が悪くて猫背の方、出産後に症状が出る方に多発する傾向にあります。安井鍼灸整骨院では、尾てい骨の痛みの原因が、筋肉性のものか骨盤の歪みが影響しているのかなどを究明して、最適な施術方法を選択していきます。たとえば、姿勢の悪さが原因の方には骨盤・背骨ゆがみ矯正を、産後からの痛みがある方には開いた骨盤を正しい位置に戻していく骨盤矯正を行います。このように、原因に応じた施術をすることで、つらい尾てい骨の痛みを解消させています。長時間痛みを我慢してしまうと、別の部位に痛みが出る可能性も少なくありません。尾てい骨の痛みにお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。