三叉神経痛とは¥1500~

三叉神経は脳から出た後、3つの枝に分れ三叉神経の第Ⅰ枝、第Ⅱ枝、第Ⅲ枝と呼ばれます。
第Ⅰ枝(眼神経)は、額、目、鼻梁などの知覚に関与します。
第Ⅱ枝(上顎神経)は、上顎、頬、上口唇などの知覚に関与します。
第Ⅲ枝(下顎神経)は、下顎、下口唇などの知覚等に関与します。
それに沿って痛むのが三叉神経痛です。第Ⅰ枝の神経痛だと額や目が痛くなり、第Ⅱ枝の神経痛だと上顎の歯や頬が
痛くなります。第Ⅲ枝では下顎や下顎の歯が痛くなります。

三叉神経痛の特徴

顔面に非常に鋭い痛みが生じる疾患です。顔の片側のある部分に電気が走るような痛みが出ます。ひどいとき
は食事をすることもできません。三叉神経痛の痛みは食事、歯磨き、洗顔、髭剃り、会話などで突然誘発され
ます。三叉神経痛は神経が刺激されるようなピリッとする電撃痛ですが、数秒、数分後にはうそのように消え
ることもあります。40歳以降で男性より女性に多いなどの特徴があります。

三叉神経痛の鍼灸治療

三叉神経痛の症状は頬から顎の周囲にかけて生じますが、目や耳、鼻の疾患も似たような部分に痛みを発生させることがあります。そのため、三叉神経痛ではない疾患が原因となっていないか、問診で発症までの経緯を伺っています。三叉神経痛の鍼灸治療は、中枢神経と脳内ホルモンを変化させることを目的に、中枢神経に近いツボや経絡(気の通り道)に施術をします。主要穴としては耳門(じもん)・顴髎(けんりょう)・太陽(たいよう)などを選び鍼による治療をします。また、乳様突起の周囲の阿是穴や風池(ふうち)・天柱(てんちゅう)・頬車(きょうしゃ)、四白(しはく)、翳風(えいふう)にも鍼で刺激します。顔面のツボだけではなく、身体全体のバランスをとるように考慮して腕と脚にも施術を行います。痛みのひどい部位に強い刺激を与えると、身体が硬直してよい治療効果が得られないので、顔面に対しては弱刺激を。さらに、お灸による施術も併用しています。
三叉神経痛の患者さんには、日常生活のアドバイスとして冷たい風にあたることが誘因になる場合もあるので、外の冷たい空気やエアコンの風に直接あたらないようにアドバイスをしています。また刺激物を食べると、口内の粘膜を刺激して神経が興奮するため、症状が悪化するケースもあるのでビタミンB・Cの摂取を奨めています。

中医学的で考えられている三叉神経痛

中医学の古典書『内経』には「頬痛」という表現があります。これがいわゆる三叉神経痛に該当すると考えられています。中医学では身体の痛み全てを「痺証」と言います。「痺」とは「不通」を表し、何らかの原因で身体活動に必要な基本機能である神経伝達や血流が妨げられた状態を言い、この「不通」を生じた部分が「痛み」となって表れるのです。痺証の代表症状が神経痛(三叉神経痛)だと言えます。これは急性発症と慢性症に分類され、急性は外的環境要因の影響で発症し、慢性に至る症例では外的要因に加え、年齢・抵抗力の低下・体質などが影響し合い、治療は長期に及ぶケースが多く、短期間で劇的回復は困難と言えます。