腱鞘炎(ばね指 ドケルバン病)

腱鞘炎とは?

腱鞘炎とは比較的誰にでも起こりやすく、男性よりも女性に多いのが特徴です。これはホルモンバランスの影響により、月に1度生理で関節が緩くなる時期があるためです。
漢字が示す通り腱鞘部分に炎症が起こっている状態です。腱鞘って何か?というと、手などの長い腱を固定しているトンネルのようなものです。
何かを持ち上げる、指を動かすといった動作にともなって、腱部分はこのトンネルの中を行ったり来たりしています。しかし一定の動作を何度も繰り返すと、腱がトンネルである腱鞘内で摩擦を起こし、そこに炎症が起こってしまうのです。
これがいわゆる腱鞘炎であり、発症部位は手首、肘、指の3か所とされています。

腱鞘炎の症状とは?

腱鞘炎で感じる症状には、前兆と初期症状があります。
以下が前兆の症状です。

  • 手や指が動かしにくい
  • 手などを動かすとすぐにだるさを感じる
  • 手首などが痛みはないまでも腫れや熱っぽさがある

続いて初期症状です。

  • 動作のしはじめに、瞬間的に痛みを感じるがすぐに消える
  • 痛みの部位を自分で特定できない
  • 手を動かすのに不快感がある

これらが進行すると、痛みの箇所が毎回ここだなと分かるようになり、痛みが起こる頻度も増えてきます。さらに痛くて手を使う動作ができないという症状が起こります。

腱鞘炎の原因は?

さて腱鞘炎の原因についてですが、簡単に言うと使い過ぎです。腱鞘炎とは?の部位でもご紹介しましたが、腱鞘内を腱が行き来すること、つまり同じ動作が繰り返されることが原因なのです。

以下に具体的な例をご紹介しましょう。

  • コンビニやスーパーでレジを担当している
  • 家事で掃除や片づけを行う
  • 赤ちゃんを抱っこする
  • パソコンのマウス動作
  • スマホの使い過ぎ

つまり会社員や主婦はもちろん、産後のお母さん、パソコン、スマホのヘビーユーザーといった若者など誰でもが引き起こす可能性があるのです。

腱鞘炎の予防法は?

腱鞘炎を予防するために必要な2つのポイントをご紹介しましょう。

  • 手首などを使いすぎない
  • 手首などを使い過ぎた後のケアを行う

予防法は非常に単純なことです。まず手首にだるさなどを感じたら、休む時間を作るなど使い過ぎを防ぐことです。そしてそれでも日々手首などは使用するため、熱っぽいなという時は冷シップやアイシングで冷やすようにしましょう。腱鞘部分が炎症を起こしていると同時に前腕(肘から下の部位)の筋肉が固まっていることがほとんどです。ご紹介している解消法も予防につながりますので取り入れていきましょう。

腱鞘炎の治療法

腱鞘炎の痛みがどうしても取れない、痛くて日常生活もままならない時は非常に辛いものです。だからといって、やみくもに痛みがある部位をマッサージをすることは、逆に炎症を強くさせる可能性もあります。
また病院などで出してくれる湿布薬も一時的に痛みを緩和させる力しかありません。すぐに痛みが再発してしまうという経験をお持ちの方も多いでしょう。
当院では症状をしっかりと見極めた上で、鍼灸治療やコンビネーション治療を取り入れて筋肉を緩め、腱鞘炎の痛み改善に努めます。もちろん鍼灸治療やコンビネーション治療がはじめてで不安という方には、患者様と相談を行いながら治療法の選択を行っているのでお気軽にお声掛けください。
また治療と並行して、日常生活において負担を軽減させるテーピング療法も取り入れています。痛みがあるからと言って、手を動かさないでいるというのはほぼ不可能でしょう。そこでテーピングを正しい位置に巻くことで、筋肉のサポートができるので痛みも起こりづらくなります。また治療と治療の間の腱鞘炎の症状の進行も押さえることができるのです。