寝違え

  症状

眠っていて目が覚めたときに、首の後ろや首から肩にかけての痛みが出ることがあり、いわゆる「寝違え」と言います。首を動かすと痛みが出る時もありますし、痛みで首を動かせない時もあります。

  原因と病態

何が起こって痛みが出ているかについては、いろいろな意見がありますが検査や画像でとらえられるような変化がないのが一般的なので、正確な原因であるという証拠はありません。睡眠中不自然な姿勢が続いたために一部の筋肉が阻血(血液の供給が不足)におちいり時にしこりとなっている、前日などにいつもはしないスポーツや労働をして一部の筋肉が痙攣している(こむら返り)、頸椎の後ろの関節(椎間関節)の袋(関節包)に炎症がおこる、などの原因が考えられています。筋肉の阻血・疲労や関節包の炎症を引き起こすのは、上肢の使い過ぎ(手で重いものを持つ動作は頸の後ろの筋肉に負担がでます)、同じ姿勢の持続(飲酒後の睡眠や疲れ果てての睡眠などでは寝返りが少なくなる・パソコンや事務作業が長時間に及ぶと頭を一定位置に保持するために頸部の筋肉に負担が生じる)、が原因の場合が多いと思われます。いずれにしても、「外傷(けが)」ではなく、軽い病気です。

  診断

起床時に痛くなり、数時間から数日で痛みが改善していくようなら、徐々に首を動かしていくことで治っていくのが一般的です。痛みが強い場合には整形外科を受診して、他の病気の可能性がないかを調べてもらいます。例えば、手足のしびれはないか、手足の動きは正常か、深部反射(ハンマーで手足を叩いて反応を見ます)は正常か、X線写真で骨が溶けたりしていないか、などを診察します。「寝違え」の場合には、首の動きは制限されています。

  寝違えた時にやった方がいい事

❗️来院前にやってください(最初の対処法)👉 まずは冷やす

1) 腫れを抑えるために、氷で痛いところを冷やしてください。(湿布は冷却としては不十分です。必ず氷で冷やしてください)
冷やす目安は、1時間もしくは2時間に1回、10分~15分冷やしてください。

2) 横になる時は、痛い側を上にして横向きで寝てください。

  当院の治療法

当院では寝違えを起こした患者さんに対して、まずは冷やす事から始めます。冷やすことで炎症(腫れ)を抑え、周辺の筋組織へのダメージを防ぎます。
次に、痛めている所以外の筋肉を手技で柔らげて、痛い所を支えられるようにします

  治療期間

治療にかかる期間は患者さんによって異なりますが、1回の治療で痛みなく首が回るようになる方も多いです。
ただし、当院では寝違えがクセにならないようにするための再発予防も行っていますので、目安は3日~5日です。
その後はリハビリ期間へと入ります。
寝違えは起きた時よりも、起きた後の方が大事です。
 再発クセがつかないようにするために、5日~2週間かけてリハビリしていきます。
 寝違えは捻挫やぎっくり腰と同じで再発しやすいので、しっかり予防もしましょう!