バンカート損傷

肩関節にある関節唇の一部が外力によって引き剥がされてしまう事を言います。引き剥がされる度合いによって分類が分かれ重症度も変わってきます。コンタクトスポーツなどで肩に急激な外力が加わってしまい肩を脱臼した際に関節唇(関節軟骨)と一緒に肩甲骨や上腕骨を一緒に骨折してしまうことがありますこれを「骨性バンカート損傷」と言います。骨折を一緒にしてしまうと保存療法は難しく手術が必要になります。

バンカート損傷は「反復性肩関節脱臼」や「随意性肩関節脱臼」の既往歴のある患者さんは発生頻度が高く、一度損傷してしまった関節唇は自然に治癒することがないので一度、脱臼をしたことがある方は注意が必要です。では、一度損傷してしまった関節唇はどうなるのか?損傷度が軽度の場合は肩関節を構成している筋肉の筋力強化が必要になります。

脱臼骨折なので基本的には手術をお勧めします。損傷の度合いにもよりますが、関節唇が損傷し靭帯が緩むと脱臼グセになってしまう場合があります。受け皿が欠けていたらそこからこぼれてしまいますよね。こぼれやすい状態を反復性肩関節脱臼と言います。インナーマッスルの強化をしたり、肩の装具やテーピングなどで肩関節を補助したりすることで、競技に復帰することはできても、全力でのプレーに戻るには長い時間を要してしまいます。再発の可能性もとても高く、早期復帰を目指す場合は手術が第一選択になります。手術後にはその箇所をかばいながらプレーをしてしまうので肩関節周囲の筋肉は過度な緊張をします。リハビリ期間中にもなかなか影響を受けると思います。身体の使い方の崩れも大きくなりやすいので動きやすさを作るためにもケアを行います。手術をしたくない場合も一度ご相談ください!

安井鍼灸整骨院では肩関節周囲の痛みに対して「肩だけを診る」ということはしておりません。また必ずしも痛みの原因が関節唇とは限りません。全身の可動域や身体の使い方をチェックし、様々な角度から痛みの原因を探したうえで治療計画を立てていきます。

まずは姿勢と各関節の可動域を確認を行います。肩関節を構成している肩甲骨と上腕骨が正しく作用するには、背骨・骨盤・股関節の可動性や柔軟性も必要です。特にスポーツをされている方の場合はフォームへの影響も考えられるため必須と言えるでしょう。

肩関節の周囲には筋肉・筋膜・腱・靭帯をはじめ様々な軟部組織が覆っておりますが、それらが癒着を起こしてしまうと柔軟性の低下を招いたり、発痛物質・老廃物が代謝されずに貯留してしまう可能性があります。

肩周囲の筋肉の状態も確認し問題のある筋肉に対してアプローチを行います。一部の筋肉の緊張が強くなってしまうと肩関節の動きを妨げてしまう可能性がありますし、トリガーポイントを形成する場合もあります。トリガーポイントとは圧に対する感度が高く過刺激性のポイントのことで、筋肉を酷使したり繰り返し負担がかかることで、局所的に血行不良や酸素欠乏を引き起こし形成されます。トリガーポイント緊張している部分とはは少し離れた場所に痛みを引き起こすので、他の疾患と誤認されることもあります。当院でも腱板損傷と診断されたものの、本当は小円筋・大円筋という筋肉のトリガーポイントが痛みの原因だったという症例も過去にありました。

当院で使用している立体動態波・超音波・ハイボルテージ・微弱電流は、疼痛や炎症の抑制や組織修復の促進など様々な効果が期待できます。その方の状態によって組み合わせや出力を変えることができるため、多くの症状に対して広くアプローチすることが可能です。またこれらの治療器は日本のオリンピック選手団やトップアスリート達も使用しているもので、特にスポーツをされている方にはより効果を実感していただけるかと思います。

野球におけるSLAP損傷の要因としては、正しく身体が使えていなかったり、肩に負担のかかるフォームで投げてしまっているケースも多くみられます。もし治療を行って痛みが取れたとしても、身体の使い方やフォームがそのままでは痛みが再発してしまう可能性も考えられます。またバンカート損傷による肩関節の動揺性が見られる場合は、関節の安定性を高めるために回旋腱板などインナーマッスルの筋力強化訓練も行っていきます。