逆流性食道炎とは
逆流性食道炎とは、胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流することで食道に炎症が生じる病気です。
食道と胃の境には“下部食道括約筋”という筋肉があります。
食道を通った飲食物が胃へ入るとき以外は閉じられているため、通常は胃の内容物が食道へ逆流することはありません。
しかし、この下部食道括約筋が緩んでしまうことで胃の内容物の逆流が起こることがあるのです。
逆流性食道炎の代表的な症状は、胸やけや食後の胸痛などとされています。また、就寝中に慢性的な逆流が生じている場合などは咳、喉の違和感、声のかすれなどが起こることがあります。
一方で、自覚症状がまったくなく、健診時の内視鏡検査などで偶然発見されるケースもあります。
逆流性食道炎は、のどや胃に原因があると思われがちですが、自律神経の乱れにより引き起こされるケースも多くあるのをご存じでしょうか?
胃酸の分泌は、自律神経によってコントロールされています。
過剰なストレスを感じると、自律神経が乱れ、胃酸の分泌量や胃酸分泌のタイミングが崩れてしまいます。それが逆流性食道炎を引き起こす原因の一つになります。
また、自律神経が乱れると粘液を減少させる原因の一つになるため、ストレスをため込むと胃の不調を強く感じやすくなります。

逆流性食道炎が治らない・悪化する理由
胃の内部の粘膜からは胃酸という消化酵素が出されます。胃の粘膜は胃酸に耐えられる構造をしていますが、食道は胃酸に耐えられないため、胃の内容物が逆流して胃酸に晒されることで食道の粘膜に炎症が起きてしまいます。加齢による筋力の低下、肥満や妊娠・衣類による締め付けなどで胃が圧迫されたり、食べ過ぎや早食いなどが原因で下部食道括約筋が緩むと胃の内容物が逆流し、逆流性食道炎を引き起こします。
また、逆流性食道炎は喫煙や過度なアルコール摂取、高脂質な食事どの生活習慣の乱れも発症に関わっているとされています。
セルフチェック
①おなかがはることがありますか?
②食べたあと気持ちが悪くなることがありますか?
③ゲップがよくでますか?
④前かがみをすると胸やけがしますか?
⑤胸やけがしますか?
⑥食事をした後に胃がもたれることがありますか?
⑦思わず手のひらで胸をこすってしまうことがありますか?
⑧苦い水(胃酸)が上がってくることがありますか?
⑨食後に胸やけがおこりますか?
⑩ものを飲み込むと、つかえることがありますか?
⑪食事の途中で満腹になってしまいますか?
⑫喉(のど)の違和感(ヒリヒリ、声がれ)がありますか?

逆流性食道炎の予防・改善のためにやってはいけないこと
- 食べ過ぎ(暴飲暴食)
- 食べた後すぐ横になる
- 高脂質の食事、刺激の強い食事
- 過度な飲酒
- 喫煙
逆流性食道炎の症状がなかなか改善しない理由
ストレスや食事の不摂生が原因の1つの要素ですが、それだけが原因で逆流性食道炎の症状が発症しているわけではありません。病院で検査をしても異常が見られないことも多いです。私が今まで多くの方を診させていただき、薬を飲んだり、食事を改善したりしても症状が改善しない方の特徴として体の歪み(骨と筋肉)と自律神経が乱れている方が多いです。そのことで食道と胃の境界に食べ物や胃酸の逆流を防ぐ筋肉である、下部食道括約筋の機能低下が起こり逆流性食道炎の症状が出てきます。食道や胃への命令異常や食道の働きや胃の働き自体が低下することが逆流性食道炎が起こる根本原因と考えています。
病院や一般的な整骨院での「逆流性食道炎」の対処方法は?
胃カメラ検査・痛み止め
病院では、胃カメラで検査し医師の診断で痛み止め(湿布・飲み薬)や冷却療法・温熱療法の処方がなされます。これらの処置で十分に症状が軽減されることもあります。しかし重度の場合は、緩解しません。あなたの症状がなかなか改善しないなら、「少し視点を変えて治療」を行う必要があります。
本当の”逆流性食道炎”の原因は?
背骨・胸骨・肋骨のゆがみや、横隔膜の硬さです
体のゆがみが原因になります。背骨・胸骨・肋骨のゆがみや、横隔膜の硬さです。さらに逆流性食道炎の方は猫背が多い傾向です。肋骨が正しく機能しないため肋骨に付着している横隔膜も硬くなります。
横隔膜が硬くなると、内臓機能が低下しますが、病院などの検査では異常なし診断されるのが一般的です。
逆流性食道炎の症状が改善するためには、脊椎・肋骨・横隔膜が正常に機能しなければなりません。もし、あなたが逆流性食道炎に対抗できる体づくりを望まれるなら、ぜひ当院にご相談ください。
安井鍼灸整骨院の改善方法
1.自律神経調整
自律神経と逆流性食道炎の症状ははすごく密接な関係にあります。
自律神経は(交感神経と副交感神経)は胃や食道を含めた消化管全体の働きをコントロールしています。自律神経のバランスが崩れると働きが悪くなる要因になります。
食道胃の境界に食べ物や胃液の逆流を防ぐ筋肉があります。
この筋肉を下部食道括約筋と呼び、自律神経が乱れるとこの筋肉の働きが悪くなり胃液の逆流が起きてしまいます。
このように、自律神経が乱れることで胃の働きに異常をきたし、胃酸が逆流し続けてしまい、逆流性食道炎の症状が発生する原因となります。
鍼灸治療により自律神経の乱れを整え、胃の働きと下部食道括約筋の働きを正常化して症状を悪化させない状況を作ります。
2.重心バランスを整え、姿勢の改善を図る
交感神経優位なからだの状態になると、猫背の状態になり、鎖骨、肋骨、背骨の動きが悪くなり、食道や胃周辺が圧迫される状態を作ります。
その状態が慢性化すると食道や胃の緊張状態が続き、逆流性食道炎の症状を引き起こします。
のどの周辺や首・肩だけをストレッチやマッサージをしても、食道や胃が圧迫される姿勢自体が改善されなければ、逆流性食道炎の症状は改善されにくくなります。
3.首・肩のこりの状態を改善する
逆流性食道炎の3つ目の原因は首・肩のこりにより局所、首を締め付けて交感神経優位の状態を作ると考えます。
回復させるにはできるだけ早く筋肉の緊張を緩めて、それと同時に血流とリンパの流れも改善する必要があります。
こりによりの肩が巻き込み体の歪みがある状態を解放し、筋肉の緊張をとることが症状改善につながります。
4.東洋医学から見た逆流性食道炎
東洋医学では3つの視点から逆流性食道炎を捉えます。
①食物を収納し、そして消化したものを腸へと送る”胃”やスムーズな消化を手助ける”脾”と呼ばれる臓器の機能が低下すると発症する
②余分な水分がお腹に溜まったり、その水分が臓器を冷やしてしまうことで機能が低下して発症する
③ストレスなど精神的な要因によって気の流れが悪くなり、気が逆上することで、胃酸が上がったり、ゲップが出たり、お腹の張り感が強くなるということが起こるこれらに対して効果的なツボを選択し、鍼灸をすることで、逆流性食道炎を対処していきます。
また、現代医学的にも自律神経を整えたり、内臓の機能低下に効果的な鍼灸治療を組み合わせることで、全身のバランスを整えながら、お困りの症状を緩和できるように治療を行っていきます。
逆流性食道炎の経穴治療
主に以下の経穴(ツボ)が使用されることがあります。
天枢(てんすう): へその横にあるツボで、胸部の症状や消化器の不調に効果があります。逆流性食道炎の症状を緩和するために刺激されることがあります。
中脘(ちゅうかん): 胃の中心部に位置するツボであり、消化器の調整や胃酸の過剰分泌の緩和に効果があります。
太衝(たいしょう): 手の甲のくぼみに位置するツボで、消化器の調整やストレスの緩和に効果があります。
神門(しんもん): 手首の小指側のくぼみに位置するツボで、自律神経の調整やストレスの緩和に効果があります。
効果を実感できる特徴
安井鍼灸整骨院では、病院などの薬での治療や整体院・整骨院などの自律神経とは関係ない無作為にボキボキしたり、筋肉を緩めるなどのマッサージは行いません。
漢方薬と鍼灸、自律神経を整える整体・鍼灸を用いて、「自律神経のバランス」「内臓機能」「体液の循環」「身体の歪み」を改善し、原因である4つのストレスを体に溜めないように導いていきます。
その結果、症状の改善と再発しない身体作りを行います。
当院の施術の一人一人の症状や体質に合わせた施術とセルフケアで「寝たら良くなる身体」が作られていき、自分の力で自律神経のバランスを整えるようになります。
Q&A
Q1:逆流性食道炎の場合、どのような飲み物を飲むとよいですか?胃に優しい飲み物はありますか?
A:これが効くというものはありませんが、お酒や炭酸飲料、コーヒーなどは避けた方がよいでしょう。
逆流性食道炎に効く飲み物は特にありません。
反対に下記のような飲み物が引き金となる可能性があるため、摂取し過ぎないことをおすすめします。
- オレンジジュースなどの柑橘系飲料
- トマトジュース
- チョコレート飲料
- コーヒー
- 紅茶
- 炭酸飲料
- アルコール
Q2:10代や20代などの若年層でも逆流性食道炎になるリスクはありますか?
A:10代や20代の若年層でも逆流性食道炎になるリスクはあります。
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激することで炎症が生じる病気です。高齢者や肥満の人に多いですが、若年層でも不規則な生活習慣、食事の影響、ストレス、肥満がリスク要因となります。
特に、脂肪分の多い食事、アルコールや炭酸飲料の摂取、遅い時間の食事などが胃酸の逆流を引き起こしやすいです。
加えて、ストレスや不規則な睡眠も胃酸分泌に影響し、若い世代でも逆流性食道炎の発症を促進する可能性があります。肥満もリスク因子であり、腹圧の増加が逆流を助長します。