変形性股関節症とは?
その名の通り、股関節の変形によって起こります。中高年以降の女性に多くみられ、変形による痛みや変形による運動障害など、日常生活に支障をきたします。
変形性股関節症の症状
変形性股関節症の症状は、関節の変形によって生じる関節痛と、変形が原因で動きが悪くなるなどの機能の障害が挙げられます。股関節は足の付け根にあるので、初期の頃は立ち上がる際や歩き始めなどの「動作開始時痛」が生じます。進行するとその痛みが強くなっていき、動き出しに限らず常に痛い、夜寝ていても痛む等の症状がみられます。股関節は座る、立つ、歩くといった動作全てに関係するため、足の爪が切れない、靴下が履きにくいなどの症状が見られる他、かがむ動作ができないため、和式トイレで用を足すことや正座、台所などの家事、階段の昇り降り、バスや車の乗り降りも困難になっていきます。

変形性股関節症の原因
変形性股関節症は、上記の通り女性に多くみられます。主な原因は幼少期の「発育不全」や「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」と呼ばれる生まれつきの関節の異常によるものが多いとされています。また、荷重がかかる関節のため、加齢やホルモンバランスの変化によって徐々に変形がみられ、自然に関節が変形して発症することもあります。

変形性股関節症をそのままにしない為に
変形性股関節症は発症から2年程かけて徐々に変形していきます。進行性の疾患の為、放置しても改善はみられません。初期は足の付け根の違和感程度ですが、徐々に痛みや運動制限がみられ、症状によっては股関節ごと人工のものに置き換えるなどの大掛かりな手術が適応になることがあります。股関節に違和感を感じたら、整形外科や安井鍼灸整骨院での受診をお勧めします。
症状緩和に有効な方法は?
①体重を落とす
まず、あなたが太っているのであれば、体重を減らすのは絶対条件です。股関節は上半身の重心を左右に分散させる働きがあり、そのスプリングの役目を果たしているのが、股関節周囲の筋肉です。ですので、体重を減らし、上半身の重みを軽減させることで股関節にかかる負荷は当然軽減します。また、股関節の筋肉の柔軟性は重要です。変形性股関節症の方の、股関節は拘縮といって関節が固まっていたり、筋肉自体が固く柔軟性がないことが多くあります。先ほど説明した通り、股関節は加重関節であり、上半身の重みを分散させる働きがありますから、関節をとりまいている筋肉や関節包が固く柔軟性が低下していると、股関節のスプリング機能がそもそも低下するので変形が加速し、痛みは当然強くなります。
②手術
変形が軽度であれば当然その必要はありませんが、変形性股関節症は進行性の病変ですので経過観察は必ず必要です。手術方法は変形の程度・年齢を考慮し選択されます。低侵襲の寛骨臼回転骨切り術(CPO)は従来の寛骨臼回転骨切り術(RAO)よりも身体的侵襲が少なく、比較的初期の変形性股関節症の手術に行われます。
人工骨頭の置換術(BHA)は関節の変形が高度である場合に選択されます。ご自分がどのステージの変形なのか、把握しておくことは非常に重要です。もしあなたが股関節の痛みがあるのであれば、年に1回程度は整形外科の受診をし、股関節の変形の程度を把握しておくことをオススメします。
③サポーター
股関節のサポーターを利用し、股関節の負担を軽減させることは、非常に有効と思います。ですが、あくまで長距離歩行をする時や階段を多く登る時などの股関節の負担が強いられる時や痛みが強い時などに限局して利用し、常時着用は、なるべく避けた方が良いです(骨頭の変形程度・痛みの程度にもよりますが)なぜならば、サポーターは骨盤周囲の筋肉や関節をサポートするので、当然筋肉・関節の負担は軽減しますが、楽をしているので骨盤帯の筋力の低下につながるためです。あとは当然ですが、サポーターをしたからといって変形した股関節が治ることはありません。
④鍼灸
鍼灸は股関節の痛みの軽減、股関節の可動域改善に有効です。変形性股関節症の方は、先ほども説明の通り関節の拘縮などにより、関節の可動域が減少していることが多いので、臀部、股関節周囲の筋肉を緩めることによって、股関節のスプリング機能が改善し、日常生活動作での制限は軽減します。もしあなたが『手術をなるべく避けたい』と思っているのであれば、鍼灸は強くオススメ致します。
⑤ハイボルテージ治療
日常生活に支障をきたすほどの痛みが出ている場合、安井鍼灸整骨院では、ハイボルテージ電気機器を用いた施術を行っています。この機械は痛みの原因が筋肉の筋緊張にある場合、その筋緊張に直接作用し負担を取り除くことができます。