手根管症候群の症状はなぜ起きるのか?
手根管症候群の症状は、手首の手根管内の神経が圧迫されることによって引き起こされます。夜間や早朝に人差し指と中指に痛みと痺れを感じることはないでしょうか?手根管症候群では、手のひらから、親指・人差し指・中指・薬指半分までに痛みや痺れが起きます。手を振ったり・指の曲げ伸ばしをすると痛みは弱まることが多く、病状が進行すると母指対立障害と呼ばれる親指の付け根が痩せてきたように感じ始め、徐々にコインが掴みにくい、ボタンが止めにくい、箸が使いにくいなどの症状が現れ、手で細かな作業や車や自転車のの運転によって痛みや痺れを強く感じることがあります。
手根管とは?なぜ起こるのか?
日本の手根管症候群の発症率に関しては、大規模調査はいまだに行われておらず不明だがオランダで1980年代に行われた調査では有病率は成人女性で9.4% 男性は0.6%となっている。
手根管とは手のひら側に存在し、手根骨(と呼ばれる手の骨)の上に横手根靭帯という靭帯が横向きに付着しており、その手根骨と横手根靱帯の間の隅間に正中神経という神経が通っており圧迫によって痛みや痺れが起きます。
多くは特発性であり先天性の手根管狭小が考えられており、他のも誘因として(屈筋腱の腱鞘炎・関節リウマチによる滑膜炎・骨折・ガングリオンなど)全身性要因(妊娠・浮腫・甲状腺疾患)などによって起こることが多いです。
手根管症候群の診断するには?
夜間や早朝に手の痺れや痛みが増す・手を使う時に疼痛が増加・手を振ると軽減する・正中神経領域に他覚的感覚障害・Phalen 徴候・Tinel 徴候・短母指外転筋の筋力低下・母指球筋の萎縮が揃っている場合は手根管症候群の診断はほぼ確実です。
原則として重症例は外科療法・中等度から軽度は、保存療法の選択をされることが多いです。
Phalen 徴候とは
手関節を手のひらの方に曲げて、両手の甲を合わせてしばらくすると指の痺れが発生したり症状が悪化する検査法。手関節を屈曲することで手根管の内圧が上昇し正中神経が圧迫される為、症状の誘発として使われる検査法。
Tinel 徴候とは
手首に打鍵器で叩くと指先に痛みが発生します。
圧迫の原因
- 手根管内に存在する組織の腫れや炎症が神経を圧迫する場合があります。例えば、関節炎や関節の変形、靭帯の損傷などが手根管症候群の原因となることがあります。
- 手首の動きに関与する腱が炎症を起こすこともあります。これによって腱が腫れ上がり、手根管内のスペースが狭くなり、神経への圧迫が増加します。
さらに、手根管症候群のリスク要素として、以下のような条件が挙げられます。
- 過度の手首の使用や繰り返しの動作: 手首を反復的に使う仕事やスポーツ、パソコン作業など、手首を長時間使用する活動は手根管症候群のリスクを高める可能性があります。
- 性別や年齢: 女性や40歳以上の中高年の人々に手根管症候群がより一般的に見られます。
- 体の特定の状態: 糖尿病や肥満、関節リウマチなど、特定の健康状態は手根管症候群の発症リスクを高めることがあります。
以上が手根管症候群の症状が起きる主な原因やリスク要素です。しかし、個人によって症状の程度や起因は異なるため、正確な原因やリスク要素を特定するためには、医師の診断が必要です。
手根管症候群が治らない・悪化する理由は?
手根管症候群が治らない場合や悪化する原因は複数考えられます。以下に代表的な要因をいくつかご紹介します。放置や適切な治療の遅れ: 手根管症候群の症状が現れた場合に早めに医療機関を受診せず、放置してしまうと症状が悪化する可能性があります。また、正しい治療方法や適切なリハビリテーションが行われない場合も、症状の改善や回復が遅れる要因となります。
原因の解消がされない場合: 手根管症候群の原因となる腫れや炎症、腱の問題などが適切に解消されないままだと、症状が持続するか再発する可能性があります。
適切なセルフケアや予防をしないこと: 手根管症候群の治療やリハビリテーションだけでなく、日常生活での自己ケアや予防策の重要性もあります。例えば、適切なストレッチや筋力トレーニング、姿勢の改善、適度な休息などが症状の改善や再発の予防に役立ちます。これらのケアや予防が行っていないと、症状が悪化する可能性があります。合併症や他の健康問題の存在: 手根管症候群と同時に他の健康問題が存在する場合、症状の改善が困難な場合があります。例えば、神経の損傷や関節の変形が進行している場合などは、手根管症候群の治療においても課題となる可能性があります。手根管症候群が治らない・悪化する理由は個人によって異なる場合があります。症状が持続する場合や悪化する傾向が見られる場合は、適切な医療機関での診断と治療を受けることが重要です。
手根管症候群の治療
手根管症候群で病院や整骨院に行くと一般的な対処法として、「痛み止めや湿布の処方」「ステロイド注射やブロック注射」「マッサージ」「ストレッチ」「電気療法」「手術」などがあります。このような治療や施術は痛みへ直接アプローチをするのでその場で痛みは和らぎますが、すぐに繰り返し痛みが出てきます。
安井鍼灸整骨院では痛みへの直接のアプローチだけでなくその痛みの原因となる部分から治療・改善をしていきます。手根管症候群の原因の殆どが「指」にあります。手根管を通る腱は前腕に筋肉が付着しており途中腱となって手根管の中を通り指の骨に付着し指を動かしています。手根管症候群の患者様の多くは、指の関節の動きが固い方が殆どです。
指の関節が固いと指を動かすために必要以上の筋収縮を起こさなければいけません。これが筋肉の負担となり筋緊張が高まることで炎症を起こすので手根管症候群の根本原因である「指」の動きを改善する必要が何より最優先されるべきなのです。
痛みの原因を最優先にアプローチし、痛みが繰り返さないように安井鍼灸整骨院では根本より改善する施術を施していきます!