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お酒について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、お酒について書きたいと思います。

今回は、アルコールについて書きたいと思います。

まず、アルコールは、ADH(アルコール脱水素酵素)によって、アセトアルデヒドに分解されます。さらにALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって、アセテート(酢酸)と水素に分解されます。最終的に、酢酸は水と炭酸ガスに分解されて排泄されます。肝臓で処理されなかった残りのアルコールは、汗、尿、呼気となって体外に出ていきます。息が酒臭かったりするのはこのためです。

お酒を飲む場合、よく言われるのが「適量」。無理せず、飲める量を把握しておくようにと言われますが、この適量が難しい。ついつい・・・なんて、この時期、日常茶飯事という方も多いのでは?お酒をいくら飲んでも顔色ひとつ変えない人もいれば、ビールを一口飲んだだけで真っ赤になり、酔ってしまう人もいます。さて、その違いとは?アセトアルデヒドを分解する酵素、ALDHには1型と2型があり、日本人の約46%の人には、生まれつきALDH2型の活性が低いか欠けています。このタイプの人は、アセトアルデヒドを分解する能力が低いため、アセトアルデヒドが体内に蓄積され、悪酔いしやすいのです。「お酒に強い」「お酒に弱い」というのは、このALDH働きの強いか、弱いかによるわけです。このようにアルコールの代謝量には、非常に個人差がありますが、一般的には体重60㎏男性の場合、1時間に約7gのアルコールを分解処理できると言われています。これを基準に考えると、20gのアルコールを代謝するには約3時間が必要となります。飲み始める時間や翌日までにアルコールを完全に処理して肝臓を休めることを考えると、1日平均で20gの純のアルコールの摂取が適量とされています。厚生労働省が挙げる、1日のアルコール摂取量の目安は日本酒で1(180ml)、ほぼ20gの純のアルコール量くらいです。このアルコール量に匹敵するのは、ビールなら中瓶1本(500ml)、焼酎は0.6合(60ml)、ワインは1.5杯(180ml)に相当します。

お酒を飲み過ぎた失敗で、最も多いのは、二日酔いでは?ついつい・・・の結果です。適量を超えてお酒を大量に飲むと、肝臓の処理能力が追いつけなくなりアセトアルデヒドが体内に蓄積します。アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、頭痛や吐き気、悪酔い、胃痛、悪寒などを引き起こします。二日酔いは、翌朝になっても見られるこのような不快な症状をいいます。適量を守ること、これが二日酔い予防の一番の得策ですが・・・。二日酔い予防対策としては、お酒を飲むときは、お酒だけを飲まずに、食べ物を一緒に食べることを心がけましょう。空腹でお酒を飲むと、血中アルコール濃度は急激に上昇します。胃腸を強く刺激して、粘膜を荒らす原因となり、肝臓へも負担がかかってしまいます。おつまみの選び方も肝心です。ポイントは“高タンパク低カロリー”。良質のタンパク質をしっかり摂ること、そして、タンパク質の吸収を高めるビタミンB6、肝機能をより高めるタウリンを積極的に。特にタンパク質は酵素の活性化を図り、アセトアルデヒド分解促進、肝臓の働きを助けます。高タンパク質というと、お肉のイメージが強いですが、食べ過ぎると高脂肪、高カロリーになります。脂肪分の多いものは、アルコール代謝にブレーキをかけてしまいます。

おすすめのおつまみは、

湯豆腐(高タンパク低カロリー)、イカの刺身(タウリン)

酢だこ(タウリン)、生牡蠣(高たんぱく低カロリー、タウリン)

枝豆(高タンパク低カロリー) などです。

豆腐、枝豆、納豆などの大豆製品は良質の植物性タンパク質を含みます。おつまみの中には一緒に食べると悪酔いするものもあります。例えば、おにぎりなどの糖質(炭水化物)はアセトアルデヒドの生成を早めてしまいます。それでも二日酔いになってしまったら、深酒するほどの翌朝には、睡眠不足がつきものです。睡眠も十分にとり、体調を回復するのが一番です。また、二日酔いは、肉体的には脱水症状を起こしているため、

十分に水分を補給しましょう。二日酔いのあとにサウナという方もおられますが、実は、脱水症状に拍車をかけてしまい、体にはよくありません。

風邪について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、風邪についてです。

気温が下がり、空気が乾燥してくると、くしゃみや鼻水、咳などの症状が見られる風邪をひく人が増え始めます。風邪の多くはウイルス感染によって人から人へとうつります。風邪をひきおこすウイルスは200種類以上もあり、感染するウイルスの種類や型が異なるたびに風邪をひくことも少なくありません。風邪予防にはウイルスにさらされないこと、ウイルスに負けない抵抗力をつけることが大切です。

感染ルートには、ウイルスの付着した手を介して、口や鼻の粘膜から感染する「接触感染」、風邪をひいた人の咳やくしゃみによってウイルスを含んだ小粒子(飛沫)が飛び散り、それを吸い込むことによる「飛沫感染」、さらに咳やくしゃみの飛沫の水分が蒸発して空気中に浮遊したウイルスを吸い込むことによる「空気感染」があります。

こうしたことから、風邪の予防には「こまめに手洗いをする」「マスクを着用する」「症状の出ている人に近づかない」ことが基本です。

また、同じ環境で過ごしていても、体力や抵抗力が低下している人はウイルスに感染しやすくなります。風邪に負けない身体づくりのために、次のことを実践しましょう。

  • しっかり睡眠をとる…睡眠は体力や身体の機能回復に欠かせません。
  • 十分に栄養をとり、適度に運動する…免疫力を高めるためには十分な栄養が必要です。風邪予防には、免疫物質のもととなる「たんぱく質」、免疫力を高める「ビタミンC」、粘膜を丈夫にしてウイルスの侵入を防ぐ「ビタミンA」を積極的に摂りましょう。また、適度な運動は風邪に負けない体力づくりや、免疫力の向上に役立ちます。
  • なるべく薄着を心がける…厚着は気温の変化に身体が順応する力を弱めて、抵抗力の低下につながります。
  • まず、十分な休養と睡眠をとりましょう。
  • ウイルスにより胃腸が弱っている時は、おかゆなど温かく消化が良いものを食べましょう。
  • 発熱や炎症があると体内の水分を消耗します。水分補給を十分に行いましょう。
  • 体力も消耗しやすいため、たんぱく質や糖質などでエネルギー補給をしましょう。

通常の風邪のほか、インフルエンザが流行り出すのもこの時期です。風邪の症状は進行もゆるやかで、症状も鼻やのどを中心とした上気道に起こり、発熱しても38度と比較的軽度です。一方、インフルエンザは感染して1~3日の潜伏期間後、突然38度以上の高熱や全身の倦怠感、食欲不振の全身症状が強くあらわれるのが特徴です。

インフルエンザウイルス対策には、通常の風邪対策以外に湿度管理も大切です。加湿器を使って50~60%の湿度を保ちましょう。

なお、ワクチンの接種も有効です。インフルエンザは例年12~3月頃に流行します。接種効果が現れるまでに2週間程度かかるため、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています。接種には、発病する可能性を低減させる効果と、インフルエンザにかかった時の重症化防止に有効とされています。

  • 風邪:コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど多様
  • インフルエンザ:インフルエンザウイルス
  • 風邪:一年を通じて発症する
  • インフルエンザ:冬季に流行
  • 風邪:上気道症状があらわれ、ゆるやかに進行する
  • インフルエンザ:全身症状があらわれ、急激に進行する

肩こりについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、肩こりについて書きたいと思います。

肩こりは首や肩の周囲の筋肉が極度に緊張、疲労することにより、血液循環が悪くなるために引き起こされます。筋肉は太い1個の塊(かたまり)のように見えますが、じつは数百、数千といった筋線維(せんい)がまるで袋に入ったそうめんのように集まっていて、その中に血管や神経が通っているのです。

筋肉は弛緩(しかん)と緊張(収縮)を交互に繰り返しており、弛緩するとき栄養や酸素をたっぷり含んだ血液を取り込み、緊張するときには筋肉の運動で生じた老廃物を静脈の流れに捨てるという作業を行っています。ところが、長時間同じ姿勢をしているなど、緊張だけが長く続くと、筋肉はパンパンに腫れ上がり、中を走っている毛細血管が圧迫されて、うっ血が起きます。そうすると新鮮な血液が筋肉に行き渡らなくなり、うっ血した血液の中に老廃物がどんどん溜まってしまいます。

この溜まってしまった老廃物がこりや痛みを引き起こす発痛物資になります。しかも、そのままにしおくと、この発痛物資がさらに筋肉の緊張を高めてしまうので、症状がさらに悪化します。

肩こりを起こしやすくしている要因は、3つ考えられます。その1つは、体格です。たとえば、なで肩や首が細く華奢(きゃしゃ)な人は首や肩の筋肉が弱いために、筋肉疲労を起こしやすいのです。腕をぶらりと下げていると腕の重さで肩が下のほうに引っ張られて、肩の筋肉は緊張します。机やテーブルの上に肘をつくか、肘掛け椅子に座るようにすると、だいぶ肩の緊張は和らぎます。

2つ目の要因は姿勢です。デスクワークや手芸などで長時間猫背の姿勢でいると、肩や首の筋肉が緊張するので肩こりが起きやすくなります。長時間の作業の場合は、ときどき姿勢を整え、ストレッチ体操をするといいでしょう。

3つ目の要因はストレスです。ストレスを感じ続けることで、肩や首の周りの筋肉が常に緊張して肩こりを引き起こします。多くの人の肩こりは多かれ少なかれストレスが関与しています。適当な息抜きと就寝前にぬるめの湯にゆったりとつかって、全身の筋肉をリラックスさせることも効果的です。

肝臓

こんにちは安井鍼灸整骨院です。今回は、肝臓です。

肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれています。たんぱく質・脂質・糖質などの栄養素を体内で使える形に変えて蓄える「代謝」、薬・アルコール、老廃物などの有害な物質を分解して無毒化する「解毒」、脂質の消化・吸収を助ける働きのある「胆汁の生成と分泌」などの役割があります。

このように肝臓は重要な役割を担っていますが、何らかのダメージを受けていたとしても自覚症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」ともいわれています。そこで、健診を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要になります。

肝機能の数値に異常があっても症状がないからといって放置すると、肝炎や脂肪肝から、肝臓が硬くなり肝機能が低下する「肝硬変」、さらには「肝臓がん」へと進行することもあります。

肝臓にダメージを与える大きな要因として、「肝炎ウイルス」「アルコール」「肥満」があります。

日本人の肝臓の病気の主な原因となっているのは、肝炎ウイルスの感染によるB型肝炎とC型肝炎です。近年、ウイルス性肝炎の治療法が進歩し、早期発見して適切な治療を受けることで、進行を抑えたり、治すことも可能になってきました。「肝炎ウイルス検査」を一度も受けたことがない人は必ず受けましょう。

お酒の飲み過ぎが長期間続いていると、アルコールを分解する肝臓に負担がかかり続け、肝臓の病気が起こりやすくなります。多くは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「アルコール性脂肪肝」になり、お酒を飲み続けていると腹痛・発熱・黄疸などの重篤な症状があらわれる「アルコール性肝炎」になり、死亡するケースもあります。さらに進行すると、肝硬変となり、肝臓がんのリスクが高まります。

肝臓の病気というと“お酒の飲み過ぎ”と思いがちですが、お酒を飲まない人も注意が必要です。肥満・食べ過ぎ・運動不足などにより、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「非アルコール性脂肪肝」が起こります。「非アルコール性脂肪肝」から肝臓に炎症が起こった状態の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」になると、肝硬変や肝臓がんに進行するリスクが高いことがわかっています。

食事でとったエネルギーが消費量を上回ると、肝臓で中性脂肪が多く作られ、脂肪肝になりやすくなります。肝機能を改善するためには、肥満につながる食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足にならないように心がけることが大切です。

肥満の人は減量し、適正体重をめざすことが第一です。肥満の原因となる食べ過ぎに注意し、腹八分目を意識しましょう。

甘いお菓子やジュース、ごはんなどの糖質は、エネルギーとして使用されなかった分が中性脂肪として蓄えられます。肉の脂や揚げ物などの脂質もとり過ぎると、中性脂肪として蓄えられるため、控えめにしましょう。

肝細胞の修復や機能回復に必要なたんぱく質をとりましょう。ただし、とり過ぎるとエネルギーが過剰になるため、青魚や鶏ささみ、豆腐、卵などを適量とりましょう。また、肝機能が低下するとビタミンが不足するため、ビタミンEを多く含む緑黄色野菜(モロヘイヤ、かぼちゃなど)やナッツ類(アーモンド、落花生など)を十分にとりましょう。

アルコールは肝臓での中性脂肪の合成を促進し、脂肪肝を悪化させるため、できるだけ控えましょう。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、1日あたりの純アルコール量は男性40g以上、女性は20g以上としています。飲む場合は、男性は40g、女性は20gまでにとどめましょう。

純アルコール20gの目安

  • ビール:中びん1本(500mL)
  • 日本酒:1合弱(160mL)
  • チュウハイ:350mL缶1本(350mL)
  • ワイン:グラス2杯弱(200mL)
  • ウイスキー:ダブル1杯(60mL)

肝臓にたまった中性脂肪を減らすよい方法が運動です。1日30分を目標に、ウオーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣にしましょう。筋肉量が多いと脂肪が燃焼されやすくなるため、スクワットなどの筋力トレーニングを加えるとさらに効果的です。

糖尿病について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、糖尿病についてです

「血糖値が高めだって言われちゃったよ」――健康診断のあとに、そんな会話を交わしたり耳にしたりしたことはありませんか?

 血糖値とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を表す数値です。人の体は、血糖をエネルギー源として活動していますが、エネルギーとして利用しきれないと高血糖の状態になります。血糖値は食事や運動などにより変動しますが、高血糖の状態が続くのが「糖尿病」で、その数は予備群を含めると今や全国で推計2,000万人以上。世界的にも4億人以上の人が糖尿病を抱えており、その数は増加の一途を辿っています。

そのため、WHO(世界保健機関)とIDF(国際糖尿病連合)は、11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、糖尿病の予防、啓発活動を行っています(日本でもこの日を含む1週間が「全国糖尿病週間」とされています)。この機会に、ご自身やご家族の血糖値のこと、糖尿病のことを少し考えてみましょう。

糖尿病がこわいのは、血糖値が高くても、初期にはほとんど自覚症状がないことです。そのため、健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されても、ついそのままにしてしまいがちです。しかし、血糖値が高い状態が長く続くと、やがて全身の血管が傷んで、様々な血管の病気を招きます。つまり糖尿病は「血管病」とも言えるのです。

 糖尿病によって生じる血管病には、細い血管がもろくなって生じる「細小血管症」と、太い血管が硬く狭くなることで生じる「大血管症」があります(表1)。たとえば腎臓の血管が傷つくことで起こる「腎症(糖尿病腎症)」は細小血管症で、成人の人工透析導入理由の第一位となっています。人工透析が必要になれば、多くの場合、週3回・1回4時間程度を透析施設のベッド上で過ごすことになり、日常生活に大きく影響します。

慢性的に血糖値が高い状態が続くことで腎臓の糸球体や眼の網膜などの細い血管が影響を受ける

→腎臓の病気(腎症)、眼の病気(網膜症)、末梢神経の障害により、足のしびれや痛み、たちくらみや排尿障害が起こる(神経障害)

慢性的に血糖値が高い状態が続くことで、動脈硬化が進みやすくなり、太い血管の病気につながる

→狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などのリスクが高まる

→神経障害に加えて足の血管の動脈硬化が進むと、痛みを感じにくいため、足にできたちょっとした傷も、時に潰瘍や壊疽(組織が死んでしまうこと)が起こり、足の切断が必要になることもある

糖尿病は命にかかわる病気ではないと思われがちですが、糖尿病の人は、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な大血管症を起こしやすくなります。

糖尿病にはいくつかのタイプがありますが、日本人に圧倒的に多く、全体の90%以上を占めるのは、生活習慣が深く関係して起こる「2型糖尿病」と呼ばれる糖尿病です。このことは、食事の内容や運動不足の解消など、生活習慣を見直すことで予防・改善が期待できることを示すものでもあります。

 肥満やメタボリックシンドロームは糖尿病を発症しやすくするため、過食を避けてバランスのよい食事を心がけ、手軽に始められる運動を習慣化して、適正な体重を維持しながら、血糖値も適正な状態に保っていきましょう。

また、血糖値が高めと指摘されたり、症状に心当たりがあれば、早めに医療機関に相談しましょう。今までの食習慣や生活のスタイルを変えるのは簡単なことではありませんが、早め早めに対処することが、糖尿病を予防したり悪化させないために一番大切なことです。医師と相談し、自分に合った無理のない方法で予防・改善を目指しましょう。

  • 尿の量やトイレの回数が多くなる
  • のどが渇きやすく、すぐ水分を摂りたくなる
  • 疲れやすくなる
  • しっかり食べているはずなのに体重が減少する

→血糖値が高めで、これらの症状に複数心当たりがあれば、一度医師に相談してみましょう

※症状がはっきりと現れない人もいます。

眼精疲労について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、眼精疲労について書きたいと思います。

眼精疲労とは目に充血や痛みなどが起こり、視界がかすみ・ぼやける、まぶしさを感じるなどの症状がおこります。これが悪化すると目の症状だけではなくきつい肩や首の凝りがおこり、ときにはめまいや吐き気など全身疾患の状態を感じることもあります。このような症状が、十分な休息をとっても回復しないものが眼精疲労で通常の疲れ目とは区別して考えます。近年では、パソコンなどのディスプレイ作業が増え、近い距離にピントをあわせるために目の筋肉を使い続けてしまうことに起因する眼精疲労も増加しています。ただの疲れ目と侮っていると、体だけではなく心にまで影響を及ぼすこともあります。目になかなか治らない疲れを感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。

眼精疲労では、疲れ目と同じような目の症状のほか、全身におよぶ体の症状も現れます。以下のような症状が代表的なものです。

①   目がしょぼしょぼとする、目が重くなる、目の奥が痛む

②   目がかすんだりぼやけたりする、視点を移動したときすぐにピントがあわない

③   目が充血する

④   目が乾く

⑤   普段よりまぶしさを感じる

①   肩や首が凝る

②   頭痛がする

③   けだるい(倦怠感)

④   めまいやふらつきがある

⑤   吐き気がする

目の使いすぎによる疲れ目とは異なり、眼精疲労はさまざまな要素がからみあっておこっていることがあります。

代表的な原因としては、目の病気、体の病気、眼鏡やコンタクトに由来するもの、生活環境やストレスなどが考えられます。

生活環境近年、仕事でパソコン作業が長く続くことがあたりまえになってきています。また仕事以外でもスマートフォンなどを見続けることによって、VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群と呼ばれる症状をおこす人が増えてきています。また、エアコンがあたりまえの環境のなかで、エアコンの風に直接あたり続けることによって目が乾燥しドライアイの症状がおこることもあります。こうした生活環境で適切な休憩などをとらないと眼精疲労をおこすことがあります。

現代は対人関係などが複雑化し、精神的なストレスを抱え込みやすい時代になっています。過度にストレスをうけると、心の鬱屈から筋肉がこわばってしまったり、血流に影響がでたりすることもあります。こうした症状からも眼精疲労をおこすことがあります。

まずはきちんと睡眠時間をとること、食事内容が偏らないようにすることなど、めりはりのある規則正しい生活を送ることが大切です。また、照明やエアコンなどに配慮し、パソコンやスマートフォンを使用するときに設定や時間などに配慮することなど、生活環境を整えることで眼精疲労を軽減していくことは可能です。ただ、現実に症状がおこっており、目や心身に大きな負担がかかってしまっているときには、お気軽に眼科にご相談ください。専門家による治療や指導は疲労改善のために大きく役立ちます。眼精疲労を起こしているかどうかについては次の3つのチェックポイントにしたがって判断し、適切な処置を講じた上で快適な生活をとりもどしましょう。

眼精疲労は目の疲れだけではなく、重篤な目や体の病気に起因していることがあります。症状に気づいたらまずは眼科医に相談しましょう。検査や診察などによって目の病気が発見されたら、その病気を治療することによって眼精疲労をおこしている原因をとりのぞくことができます。眼鏡やコンタクトレンズなどの矯正不良についても適切なアドバイスができます。そして適正な度数の眼鏡やコンタクトレンズを処方します。診察によって目以外の病気が発見された場合は眼科医から適切な病院を紹介してもらうようにしましょう。

生活環境の改善エアコンや送風機などの風が直接目にあたる場合は、席の移動で対応しましょう。席の移動が難しいオフィスなどでは、直接風が顔にあたらないよう、風よけなどをデスクにたてるのも有効な手段となります。

また、パソコン作業などでは、まずは適切に休憩時間をはさむようにし、姿勢が正しくなるようイスの高さを調整することも大切です。その際クッションなどを挟み座面の高さを微調整するのも有効です。ディスプレイは高い位置ではなく、少し見下ろす程度の高さに設置し、ディスプレイやパソコンなどの設定でコントラストや輝度を下げるなど目に優しいモードにします。またOSやアプリなどソフトウェアを目に優しいダークモードに設定することでも目の負担が大きくかわります。ディスプレイに室内照明があたって見えにくくなっているケースもありますので、その場合はディスプレイの方向を変えてみましょう。少し角度をかえるだけで照明による乱反射が低減されます。また日常生活においては、意識的にまばたきを増す、目の視線を変える体操をするなどで目の潤いを保ち、緊張をゆるめることも大切です。

現代人はストレスからなかなか逃れられない生活を送っています。しかし、日常のちょっとした工夫によって、ストレスによる症状を大幅に軽減することが可能です。たとえば、毎日入浴してリラックスする、休日や早めに仕事が終わった日にはジムやスポーツなどで思い切り汗を流すなどで、日ごとの鬱積を解消し、週ごとにリセットすることなどが有効です。また仕事や趣味でパソコンやスマートフォンなどを長く使う場合も、イスに座ったままでも良いので、こまめに体を動かしストレッチをするなどで気分は大きくかわるものです。それでも、重くストレスがのしかかり、なかなか解消できないようであれば、専門医やカウンセラーに相談し、治療や指導を受けることも大切です。ストレスが軽減・解消することによって目の症状も自然と軽減されてくるものです。

食中毒について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、食中毒について書きたいと思います。

食中毒は、食べ物や飲み物に付着した微生物(細菌、ウイルスなど)や自然毒を摂取することによって起こる健康障害です。細菌ではコレラ・チフス・赤痢、ウイルスではノロウイルス、自然毒ではフグ・キノコ・アジサイの葉・ジャガイモの芽などがよく知られています。

これらのなかでは、「微生物」を原因とした食中毒が、発生件数全体の約70%を占めています。 そのため、一般的に食中毒は気温も湿度も高い「真夏に多い」と思いがちですが、実は年間で一番発生件数の多い時期は9~10月です。

食中毒の原因は、大きく次の5つですが、日本での発生件数が多いのは上位3つです。そして、この3つを原因とする食中毒の発生時期をあらためて見てみると、思いがけない結果が見えてきます。

(1)ウイルス

(2)細菌

(3)自然毒

(4)化学物質

(5)寄生虫

食中毒の原因でもっとも発生件数が多いのは「ノロウイルス」です。ノロウイルスによる食中毒は、感染者が大規模に拡大することが多く、年間の食中毒患者数の約50%を占めています。ほかにウイルスが原因の食中毒では、A型肝炎ウイルスが知られています。これらは「10〜2月」に多く発生しています。それはウイルスが低温で乾燥した環境に長く生息するためです。

次に多いのが「細菌」による食中毒です。腸管出血性大腸菌(O-157やO-111など)やサルモネラ菌が、よく知られています。これらの細菌は、温度約10〜20度のいわゆる室温程度で増えはじめ、人間の体温ぐらい(36度前後)で増殖のスピードがもっとも速くなります。それと同時に、湿気などの水分を利用してさらに繁殖します。そのため細菌による食中毒は「6〜9月」に多く発生しています。

自然毒の食中毒は、秋(9〜10月)に突然増えるのが特徴です。キノコやフグを食べる機会が増えるためでしょう。フグの毒についてはよく知られていますが、キノコはどこまで毒性があるのか詳しく解明されていません。日本に約2500種類自生しており、猛毒と指定されているのはそのなかの約30種類です。その他の微量な有毒性については研究の途中です。椎茸、エノキ、シメジなど一般的に流通しているキノコに似ていても、有毒物質を含んでいることもあり、秋には自然毒の食中毒にかかる人が毎年急増します。

このように、9〜10月は、食中毒が発生する原因が「ウイルス」「細菌」「自然毒」と3つもそろっています。そのため、年間で食中毒の発生件数のいちばん多くみられるようです。さらに、次のような事態も影響している考えられています。

(1)厳しい残暑で体力が奪われ、免疫力が低下している

(2)気温の変化で体調を崩しやすくなっている

(3)行楽シーズンで、お弁当など野外での食事する機会を多い

(4)食べ物がおいしい季節で、つい暴飲暴食をしてしまう

(5)「秋=食中毒」というイメージがないため、油断している

食中毒は悪化すると体に危険が伴います。下痢や嘔吐など見られ、さらに1~2日安静にしても症状が改善しないときは、医療機関を受診してください。

片頭痛について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。先日、片頭痛の患者様がいらっしゃったので、今回は、片頭痛について書きたいと思います。

繰り返し起きる頭痛(慢性頭痛)にはいくつかの種類がありますが、その中でも日常生活に支障が起きやすいのが「片頭痛」です。最もよく起きる頭痛である「緊張性頭痛」が、頭全体がギューッとしめつけられるような痛みであるのに対して、「片頭痛」はこめかみから目のあたりがズキンズキンと痛みます。体を動かすと痛みが増すので仕事や家事をしたくなくなり、いったん痛みだすとしばらく続き、1ヶ月に1~2度、多い人では1週間に1度と周期的に繰り返すのが特徴です。

片頭痛は20代~40代の女性に多いといわれています。初潮を迎える年代を過ぎると片頭痛になる女性が男性をはるかに上回るようになること、生理前から生理中にかけて痛みに悩まされるケースが多いことなどから、女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。

ただし片頭痛を引き起こすのは女性ホルモンだけではなく、片頭痛は男性にも起きます。ストレスや肩こりが片頭痛の引き金になりますが、ストレスから解放されてほっとする時に痛みが強まることもあります。また、タバコやアルコール、寝不足、寝すぎ、疲労、空腹、片頭痛を誘発する食品などによっても、片頭痛が起こることが知られています。

同じ頭痛でも「緊張型頭痛」と「片頭痛」では対処法が違います。あなたの頭痛が片頭痛かどうか、チェックしてみましょう。

  • 月に数回繰り返し、数時間~3日間ぐらい頭痛が続く。
  • ひどくなると「ズキンズキン」と脈打つように痛む。
  • 動くと頭痛がひどくなるので、できれば動きたくない。
  • 頭痛時に吐き気がしたり、光や音に敏感になる。
  • 両親や兄弟姉妹に片頭痛の人がいる。

上記にひとつでもあてはまる人は、片頭痛の可能性があります。どんな時に片頭痛が起きやすいかを記録して、下記を参考に片頭痛が起きやすいシチュエーションを避けるようにしましょう。頭痛の記録(頭痛日記)は、病院を受診した際にも役立ちます。

片頭痛は日常生活のふとしたきっかけで誘発されますが、片頭痛が起こりやすい条件は人によって違います。自分が片頭痛になりやすい条件を知って、条件が重なる時はできるだけその状況を避けるようにすることで、片頭痛はある程度防ぐことができます。下記を参考に実践してみましょう。それでも慢性的な頭痛がラクにならない場合は、一度頭痛外来や脳神経外科を受診してみることをおすすめします。

片頭痛は、脳の血管が広がって、神経が刺激されることで起こります。そのため血管を拡張・収縮させたりする物質を含む食品は避けましょう。血管を拡張・収縮させるポリフェノールやチラミンは、オリーブオイル、チーズ、赤ワイン、ハム・サラミなどイタリア料理には多く含まれ、和食には少ない傾向があります。その他、チョコや柑橘類も血流を促すので頭痛を誘発することがあります。

乗り物は特有のにおいや振動、気圧の変化で脳を刺激するほか、高速で流れる車窓の風景や日差しなども頭痛の引き金になります。座席の位置や車内環境を改善すれば予防につながります。

高速バスならエンジンの振動が伝わる後部座席や、タイヤの真上の座席は衝撃を受けやすいので避けましょう。新幹線は進行方向に向かって右の窓側は、新幹線がすれ違う時に急激な気圧の変化を受けやすいため、通路側に座るとよいでしょう。

光や音、におい、気圧などの環境の変化には脳が過剰反応しやすく、頭痛が起こるきっかけになりやすいもの。まぶしい光は頭痛発作を誘発します。コンサート会場や映画館、太陽光線の強い夏の浜辺などは危険スポットです。また、カラオケボックスなど大きな音が鳴り響く空間は、脳を刺激して頭痛を誘発する可能性が。食堂フロアや喫煙スペースなど頭痛を起こすにおいがする場所を通る時は、マスクで防御するのも有効です。また、エレベーターに乗ると気圧の変化で頭痛が起こることも。山登りや展望台にも注意しましょう。

片頭点は、薬指の第二関節の小指側の側面にあります。反対側の手の指で第二関節を挟むようにし、揉むような感じで優しく押してあげるといいでしょう。こちらも5秒間、3~5回程度でOKです。

片頭点は、片頭痛のときに押すことで痛みの改善が期待できるだけでなく、普段から押してあげると片頭痛の予防につながるといわれています。

胃の消化について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、胃の消化についてです。

年とともに食欲が落ちた、胃もたれが増えたと実感する人は多いのではないでしょうか。好物が思うように食べられないと、少し寂しくもなりますね。

おいしいと感じながら食べるには、胃が元気であることが重要です。また、食べ物の栄養分を吸収するのは腸ですが、それには胃でしっかり消化が行なわれていることが大切。近ごろは腸のケアが流行していますが、楽しい食事のためにも栄養吸収のためにも要となる胃について知り、食欲の秋を満喫しましょう。

私たちが口で噛んだ食べ物は、ある程度小さくなってから食道へ送られ、胃に到達します。食べ物は、胃の収縮によってこねられて、消化酵素を含む胃液と混ざり合うことで「消化」されます。ものにより、1時間から数時間かけて「かゆ状」になるのです。

消化は腸でも行われますが、その大半は胃が行います。ちなみに、胃では栄養の吸収はほとんどされません。

こうして、かゆ状になった食べ物は小腸に送られ、残りの消化と栄養吸収が行われます。さらに残ったものが大腸で水分を吸収されて大便となり、排泄されるというわけです。

体がどんどん大きくなる成長期には食欲は旺盛ですが、成長が止まり、活動量も落ちていく中年期以降は、食欲も落ちてきます。食欲の低下は、ある意味自然なことです。

加えて、胃の機能自体も加齢とともに衰えていきます。脂は消化に時間がかかるため、若い頃と同じように脂っこいものを食べると、胃もたれや食欲不振を起こしがちに。食べるものの内容や量も、年齢や胃の状態に合わせていくことが大切です。

加齢以外にも、胃もたれや食欲不振をおこす原因はあります。暴飲暴食、刺激物やアルコールの摂りすぎ、一日一食しか食べず夜に大量に食べるといった不規則な食事など。精神的なストレスも原因になります。

こうした生活習慣やストレスによる胃の不調はよくあることですが、症状が1~2週間続くなら、胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの重い病気のおそれもあります。早めに病院を受診しましょう。

一方で、胃の病気にかかっていても、自分では気がつきにくい場合もあります。ですから、不調がなくても、バリウムや内視鏡などで定期的に検査を受けることが大切です。

ピロリ菌によって起こる萎縮性胃炎も、自覚症状があまりありません。ただしピロリ菌の感染により胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こしやすくなるので、ピロリ菌の検査を受けることをオススメします。

こんな症状があったら、胃の消化力が落ちてきているかもしれません。チェックしてみましょう。

  • 朝起きたときに、胃もたれやむかつきを感じる
  • 日中、しょっちゅう胃の痛みや重さ、お腹の張りを感じる
  • 食欲がなく、空腹感を覚えない
  • 酸っぱい液がこみあげてくることがある
  • 胸焼けがある
  • 食べ始めてすぐ、お腹がいっぱいになってしまう
  • ふだんと同じ量を食べているのに食後、膨満感がある
  • しょっちゅう、げっぷが出る
  • 胃にキリキリした痛みが走ることがある

チェックがついた項目が多ければ多いほど、あなたの胃は弱っているおそれがあります。次のような点を心がけ、胃を健康に保ちましょう。

暴飲暴食をしないのはもちろんですが、胃もたれや食欲不振を感じている人は、脂っこいものや刺激物、アルコールの量を控えめにしましょう。

また、食べるときはできるだけゆっくりと、腹八分目を目安にしてください。

三食きちんと規則正しく食べることも大切です。胃液は食べ物が胃に入っていなくても分泌されますが、強い酸性であるため、極端な空腹が続くと胃液で胃壁を痛めてしまうことがあるのです。よほど食欲がないときは抜いたり軽いものにするほうがよいですが、基本的には三食規則正しく食べるようにしましょう。

睡眠中は本来、胃を休める時間です。しかし、夜遅い時間に食べて胃に食べ物が残っていると、のろのろと消化を続けることになり、胃にとって大きな負担になります。体がよく休まらず睡眠自体の質も落ちますし、翌朝の胃もたれにつながることも。

夕食は、できれば寝る3時間前、少なくとも2時間前には終わらせて、消化が済んでから就寝しましょう。どうしても夕食が深夜になってしまう人は、夕方に小さめのおにぎり1個など100~200キロカロリーぐらいの軽食をとり、深夜に食べる量をできるだけ減らしましょう。

食べてすぐ眠るのは胃に負担をかけますが、少しだけ横になって体を休めるのは消化を助けます。このとき、体の右側を下にして横になりましょう。胃の出口は右に曲がっているので、消化された食べ物がスムーズに腸へ流れるからです。

また、仰向けの姿勢は消化によくないので避けて。体を横から見ると、胃は入口が低く、出口が高くなっています。そのため仰向けに寝ると、食べた物が食道のほうへ戻りやすくなってしまうのです。

胃に不調があるときは、消化の良いものを食べるなど、胃を休めることも大切ですが、精神的な休養も非常に大切。ストレスがあると、様々なホルモンが出たり自律神経が乱れたりして、胃の働きも鈍くなってしまうからです。心身を休めるとともに、気分転換をするなどしてストレスを解消していきましょう。

胃のあたりを優しくさすったり時計回転にマッサージして軽く刺激すると、胃の動きを活発にする効果があります。また、ストレッチしたり体操して体を動かすことも、胃へのよい刺激になります。日常的にできるだけ歩いたり、体を動かすことを心がけてください。

コーヒーの日

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。日ごとに秋らしくなり、温かい飲み物が美味しい季節になりました。

10月1日は「コーヒーの日」です。日本では、秋から冬にかけてコーヒーの需要が高まることから、1983年に社団法人全日本コーヒー協会によって定められました。

コーヒーは、アフリカ原産のコーヒーノキの種子(コーヒー豆)を焙煎し、挽いたものを抽出した飲み物です。コーヒーの味や香りは、

■ コーヒー豆の品種・産地

■ 焙煎の度合い(浅煎り、深煎りなど)

■ 抽出の仕方(ドリップ式、サイフォン式など)

■ コーヒー豆の配合割合(ブレンド)

などによってもそれぞれ異なります。この種類と組み合わせの豊富さがコーヒーの大きな魅力です。コーヒーの起源については様々な説がありますが、日本にコーヒーが伝わったのは江戸時代、長崎・出島にオランダ人によって持ち込まれたのがきっかけとされています。当時、コーヒーを飲んだ日本人の感想には、「焦げくさくて味ふるに堪えず」と記されています。お茶の文化で育った日本人には、よほど口に合わなかったのでしょう。

コーヒーが受け入れられるようになったのは、明治時代になってからのことです。文明開化とともに、西洋文化の象徴であるコーヒーを積極的に取り入れようとする動きが広がり、明治時代の中頃には、東京に日本初のコーヒー専門店が誕生しました。今や日本は世界有数のコーヒー輸入国となり、多くの愛好者がいます。

コーヒーの飲用は薬から始まったといわれています。昔からコーヒーには、覚醒作用や利尿作用があることが知られており、日本でも、明治の頃まで薬として用いられていました。ここからはコーヒーに含まれる主な成分と香りについてお話します。

コーヒーに含まれる代表的な成分で、玉露やココア、コーラなどの飲み物にも含まれる成分です。また、コーヒー100ml中には約60mgのカフェインが含まれています。眠気覚ましなどの覚醒作用や利尿作用がよく知られていますが、「自律神経の働きを高める」「集中力を高め、作業効率を向上させる」「運動能力を向上させる」「疲労を抑制する」など様々な効果が明らかになっています。 

多くの植物に含まれる成分の1つで、抗酸化作用があります。コーヒーの褐色や苦味、香りのもととなっています。その量はカフェインよりも多く、コーヒー100ml中に約200mgのポリフェノールが含まれています。また、クロロゲン酸は抗酸化作用のほか「糖尿病を予防する」「脂肪の蓄積を抑制する」などの効果が発見されており、カフェインと並んで注目されている成分です。特にコーヒーの生豆には、クロロゲン酸が豊富です。 

コーヒー独特の風味や香りは、焙煎によって油分や糖分、香気成分が化学反応を起こすことで生まれます。焙煎が浅いほど酸味が強く、深く煎るほど苦みのあるコーヒー豆になります。ある実験でコーヒー粉末、レモン油、蒸留水を用いて、リラックスした時の脳波であるα波の量を比較したところ、コーヒーの香りをかいだ時に、最も多くα波が現れるというデータも出ています。なお、焙煎の浅いものより深いものの方がリラックス効果は高いそうです(※1) また、脳に与える効果は豆の種類によっても異なるという結果も報告されており、目的によって使い分けるのが良さそうです。

「リラックス効果が高いもの」 →グァテマラやブルーマウンテンなど

「集中力が高まるもの」→ブラジルサントス、マンデリン、ハワイ・コナなど(※2)

カフェインが脳に届くのは約30分後といわれています。仕事を始める30分前にコーヒーを飲むと、集中力が高まりますし、仮眠前に飲めばすっきりとした目覚めが期待できます。ただし、日頃から大量にカフェインを摂っている方の場合、体に耐性が出来てしまい、効果を感じにくくなることがあります。また、一度に大量のカフェインを摂取すると、急性中毒を引き起こすケースも報告されています。摂りすぎには注意して、ほどほどを心がけたいですね。

コーヒーは飲むだけでなく、その芳香によっても楽しむことが出来ます。カフェインを気にせず、手軽にリフレッシュしたいという方は、コーヒー豆の香り袋を利用されてはいかがでしょうか。さらに、コーヒーは消臭効果が高いので、ドリップ後の豆を乾燥させ、消臭剤として使用すれば環境にも優しいですね。トイレや靴箱、冷蔵庫など臭いの気になる場所に置いておくのもおすすめです。