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アルコールについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、お酒について書きたいと思います。

今回は、アルコールについて書きたいと思います。

まず、アルコールは、ADH(アルコール脱水素酵素)によって、アセトアルデヒドに分解されます。さらにALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって、アセテート(酢酸)と水素に分解されます。最終的に、酢酸は水と炭酸ガスに分解されて排泄されます。肝臓で処理されなかった残りのアルコールは、汗、尿、呼気となって体外に出ていきます。息が酒臭かったりするのはこのためです。

お酒を飲む場合、よく言われるのが「適量」。無理せず、飲める量を把握しておくようにと言われますが、この適量が難しい。ついつい・・・なんて、この時期、日常茶飯事という方も多いのでは?お酒をいくら飲んでも顔色ひとつ変えない人もいれば、ビールを一口飲んだだけで真っ赤になり、酔ってしまう人もいます。さて、その違いとは?アセトアルデヒドを分解する酵素、ALDHには1型と2型があり、日本人の約46%の人には、生まれつきALDH2型の活性が低いか欠けています。このタイプの人は、アセトアルデヒドを分解する能力が低いため、アセトアルデヒドが体内に蓄積され、悪酔いしやすいのです。「お酒に強い」「お酒に弱い」というのは、このALDH働きの強いか、弱いかによるわけです。このようにアルコールの代謝量には、非常に個人差がありますが、一般的には体重60㎏男性の場合、1時間に約7gのアルコールを分解処理できると言われています。これを基準に考えると、20gのアルコールを代謝するには約3時間が必要となります。飲み始める時間や翌日までにアルコールを完全に処理して肝臓を休めることを考えると、1日平均で20gの純のアルコールの摂取が適量とされています。厚生労働省が挙げる、1日のアルコール摂取量の目安は日本酒で1(180ml)、ほぼ20gの純のアルコール量くらいです。このアルコール量に匹敵するのは、ビールなら中瓶1本(500ml)、焼酎は0.6合(60ml)、ワインは1.5杯(180ml)に相当します。

お酒を飲み過ぎた失敗で、最も多いのは、二日酔いでは?ついつい・・・の結果です。適量を超えてお酒を大量に飲むと、肝臓の処理能力が追いつけなくなりアセトアルデヒドが体内に蓄積します。アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、頭痛や吐き気、悪酔い、胃痛、悪寒などを引き起こします。二日酔いは、翌朝になっても見られるこのような不快な症状をいいます。適量を守ること、これが二日酔い予防の一番の得策ですが・・・。二日酔い予防対策としては、お酒を飲むときは、お酒だけを飲まずに、食べ物を一緒に食べることを心がけましょう。空腹でお酒を飲むと、血中アルコール濃度は急激に上昇します。胃腸を強く刺激して、粘膜を荒らす原因となり、肝臓へも負担がかかってしまいます。おつまみの選び方も肝心です。ポイントは“高タンパク低カロリー”。良質のタンパク質をしっかり摂ること、そして、タンパク質の吸収を高めるビタミンB6、肝機能をより高めるタウリンを積極的に。特にタンパク質は酵素の活性化を図り、アセトアルデヒド分解促進、肝臓の働きを助けます。高タンパク質というと、お肉のイメージが強いですが、食べ過ぎると高脂肪、高カロリーになります。脂肪分の多いものは、アルコール代謝にブレーキをかけてしまいます。

おすすめのおつまみは、湯豆腐(高タンパク低カロリー)、イカの刺身(タウリン)酢だこ(タウリン)、生牡蠣(高たんぱく低カロリー、タウリン)枝豆(高タンパク低カロリー) などです。

豆腐、枝豆、納豆などの大豆製品は良質の植物性タンパク質を含みます。おつまみの中には一緒に食べると悪酔いするものもあります。例えば、おにぎりなどの糖質(炭水化物)はアセトアルデヒドの生成を早めてしまいます。それでも二日酔いになってしまったら、深酒するほどの翌朝には、睡眠不足がつきものです。睡眠も十分にとり、体調を回復するのが一番です。また、二日酔いは、肉体的には脱水症状を起こしているため、

十分に水分を補給しましょう。二日酔いのあとにサウナという方もおられますが、実は、脱水症状に拍車をかけてしまい、体にはよくありません。

血圧について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、血圧についてです。

「血圧」とは心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことです。心臓が収縮して血液を全身に送り出すときの圧力を「収縮期血圧(上の血圧)」といい、心臓が拡張して再び血液が心臓に戻るときの圧力を「拡張期血圧(下の血圧)」といいます。

血圧が一定以上に高い「高血圧」の状態が続くと、血管壁に強い圧力がかかり血管壁を傷つけます。高血圧になっても自覚症状はありません。気づかないまま放置すると、動脈硬化(血管が弾力を失い、もろくなる状態)を促進し、心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる病気を招くリスクが高くなります。

そこで、健診や家庭で血圧を測定して、血圧の異常を早期発見することが重要になります。

高血圧の有病者数は約4300万人と推計され、日本人の約3人に1人が高血圧という状況です。また、厚生労働省の「平成22年国民健康・栄養調査」によると、30歳以上の男性は約60%、女性は約45%が高血圧であり、高齢になるほど高血圧のリスクが高まります。

高血圧は大きく分けて、「本態性(ほんたいせい)高血圧」と「二次性高血圧」の2つがあります。

日本人の高血圧の約 90%が本態性高血圧といわれ、遺伝のほか、塩分のとり過ぎ、肥満、運動不足など、不健康な生活習慣が大きな要因と考えられています。

残りの約10%が二次性高血圧で、特定の病気が原因となって起こりますが、本態性高血圧に比べて若い人に多くみられます。二次性高血圧を改善するためには、原因となる病気の治療を行います。

本態性高血圧では、減塩・減量・運動などにより血圧をコントロールすることが予防・改善の基本になります。

特に、塩分をとり過ぎると、血液中の塩分濃度が高くなるため、それを薄めるために血液中の水分が増えて血圧を上昇させたり、血液量の増加により心臓に負担をかけたりするため、減塩することが重要です。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、健康な成人の1日あたりの塩分摂取量を、男性8g未満、女性7g未満を目標に設定しています。高血圧の人の場合はさらに厳しく、日本高血圧学会では1日6g未満を推奨しています。調味料をかけすぎない、麺類のスープは残す、塩分の多い漬物や加工食品を減らす、出汁・酢やレモンなどの酸味・香辛料・薬味などを活用して調味料の使用量を減らす などの工夫をしましょう。

野菜や果物などに多く含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出させる働きがあります。野菜は1日当たり350g、果物は1日当たり200gを目安に食べましょう。

肥満になると、血圧が上昇します。肥満の原因のひとつである過食を防ぐため、腹八分目を心がけましょう。また、BMI〔体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)〕を計算して、その値が25以上であれば、25未満になるように減量しましょう。

有酸素運動をすると血管が拡張してしなやかになり、血流が促されて血圧が下がります。1日30分以上の有酸素運動を習慣にしましょう。ウオーキングや軽いジョギング、水中運動、自転車など“ややきつい”と感じる程度の運動がおすすめです。運動をする時間がとれない人は、掃除や買い物、子供と遊ぶなど、生活の中で活動量を増やすことからはじめましょう。

習慣的にお酒を飲み、飲酒量も多い人は、血圧の上昇を招きやすくなります。飲み過ぎに注意し、週に2日程度の休肝日を設けましょう。

たばこに含まれるニコチンは、交感神経の働きを高め、血管を収縮させて血圧や心拍数を上昇させます。また、たばこの有害物質は血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。喫煙している人は禁煙しましょう。

血圧は、自分で確認できる健康のバロメーターであり、一定ではなく1日のなかで変動する血圧を管理コントロールすることが大切です。家庭で血圧を測り、血圧が高めの人は記録をつける習慣をつけましょう。血圧のほか、脈拍、服薬の有無、食事や運動、体調なども記録すると、どんなときに血圧が上下しやすいかを知る手がかりになり、生活習慣改善にも役立ちます。

飲酒について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、飲酒についてです。

街に色とりどりのイルミネーションが輝く12月。この時季恒例のイベントとして、忘年会の予定が複数入っているという方も少なくないのではないでしょうか。

 年の終わりに、職場の同僚や気の合う仲間と一年の労をねぎらい合うひと時は、楽しく、また大切なコミュニケーションの場ともなりますが、一方で気をつけたいのが飲酒量。開放感からついつい飲み過ぎたり、宴席が続きがちなこの季節にこそ、健康と飲酒の関係について、少し考えてみませんか?

お酒に含まれるアルコールには、気分をリラックスさせたり、不安感を低減させるなど、コミュニケーションを円滑にする作用がありますが、それらはもちろん適量を守ってこそのこと。アルコールと健康については種々の研究があり、大量飲酒の習慣は、高血圧症や脂質異常症をはじめ、脳出血やくも膜下出血、心不全、肝炎・肝硬変、がんなど、血管病を中心に、実に様々な病気の発症リスクを高めることが知られています。また、お酒の「一気飲み」などで起こる急性アルコール中毒の危険性や、アルコールの持つ依存性も無視できません。

お酒には、塩分や脂肪分の多い料理やおつまみがつきものですから、飲み過ぎに加え、つい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。こうした食生活の乱れから、さらに内臓脂肪型肥満や高血圧症といった生活習慣病が起こりやすくなる心配もあります。

それでは、“適量”の飲酒とは、具体的にどのくらいの量を指すのでしょうか? 厚生労働省は、国内外の研究の結果から、節度ある適度な飲酒量を「1日平均純アルコールで20g程度」と定義しています(表)。1日の適量は、以下のいずれか1つです。

お酒の種類別1日の適当量のめやす(純アルコール20g程度)
( )はアルコール濃度

  • ビール・発泡酒(5%)→中びん1本(500mL缶1本)
  • チュウハイ(7%)→350mL缶1本
  • ワイン(12%)→ワイングラス少なめ2杯(約200mL)
  • 日本酒(15%)→1合
  • 焼酎(25%)→0.5合
  • ウイスキー・ジンなど(40%)→ダブル1杯

ふだんの飲酒量と照らし合わせて、表のめやすより多く飲んでいる人は、これを機にぜひ節酒を心がけましょう。ただし、これは男性の場合の基準です。女性はアルコール分解速度が男性より遅い傾向があるため、さらに少ない量に抑えることが推奨されています。65歳以上の人やお酒で顔が赤くなりやすい人も同様です。もちろん、この基準はもともとお酒を飲まない人やお酒が苦手な人に飲酒を勧めるものではありません。

大量飲酒が健康を害する一方で、日本を含め、先進国の男女を対象とした複数の研究では、少量の飲酒習慣のある人は、お酒を飲まない人よりも、むしろ狭心症や心筋梗塞、脳梗塞といった血管病や、2型糖尿病などの発症リスクが低く、飲酒と死亡率の関係をみても、少量のお酒(日本酒に換算して1合未満/日)を飲む人で、最もリスクが低くなることが知られています。

これは、少量のアルコールが、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させたり、血液を固まりにくくさせたり、血糖値を低下させたりする、お酒の持つよい側面が現れた結果です。お酒がしばしば「百薬の長」と言われるゆえんでしょう。上手なお付き合いで、お酒を“良薬”にしたいですね。

とはいえ、宴席でお酒を控えるのは、時に難しいこともあるでしょう。“休肝日”を決めるなど、1週間単位で酒量をコントロールしていくことも、結果的に節酒につながります。

また、飲むときはペースに気をつけて、適度につまみをとりながら、ゆっくり楽しく飲むようにすることも節酒に役立ちます。

(妊娠・授乳期の飲酒は控えましょう。また、治療中の病気や持病のある方は、飲酒について医師の指示に従ってください。)

あぶらについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、あぶらについてです。

あぶらは、「太る原因」、「ダイエットの敵」など、健康にとって良くないイメージを持つ人もいるかもしれません。もちろん、食事の欧米化により摂取量が増えたことで問題視されることも多いのですが、脂質はたんぱく質や糖質とともに3大栄養素の一つです。 脂質は、体に蓄えることができる貴重なエネルギー源であり、たんぱく質や糖質の2倍以上のエネルギー値をもっています。細胞膜やホルモンなどの主要な成分でもあり、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)やβ-カロテンやリコピンなどカロテノイドの吸収を助けるといった、体に不可欠な役割を担っています。

あぶらは、常温で固体になる「飽和脂肪酸」と、常温で液体になる「不飽和脂肪酸」の大きく2つの脂肪酸に分けられます。バターやラード、肉のあぶら身、ココナツオイルなどが飽和脂肪酸の代表的なものです。一方、植物や魚のあぶらに多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。オリーブオイルやひまわり油などに多く含まれるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、血液中のLDL(悪玉)コレステロールを下げる効果があります。多過不飽和脂肪酸には、エゴマ油やアマニ油、青背の魚などに含まれるn-3系脂肪酸とコーン油やごま油などに含まれるn-6系脂肪酸があります。

最近、体にいいあぶらとして注目されているのが、n-3系脂肪酸のオメガ3です。

オメガ3には、脳内の情報伝達を活性化し、記憶力や物忘れの改善などへの効果が期待できます。また、血管をしなやかに保ち、LDLコレステロールを減らすなどの働きがあるため、生活習慣病を予防する効果も期待されています。DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が代表的なオメガ3で、マグロやイワシ、サバなどの青背の魚に多く含まれます。魚類のほかに、エゴマ油やアマニ油などの食用油、クルミなどにも含まれています。体内で合成できず、食事でとる必要があるので、魚のメニューを増やしたりする工夫をするとよいでしょう。オメガ3は、酸化しやすいので、魚を刺身やカルパッチョで食べる方法は、手軽でおススメです。また、サラダのドレッシングをアマニ油で作り、レモンや柑橘類を加えてみるなど、オメガ3を抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEと一緒にとるようにするのもよいでしょう。

一日に摂取するあぶらの目標値は、総摂取エネルギー量の約20~30%となっています。この30%を超えて摂取している人の割合は、年々増える傾向にあります。食事の際は、揚げ物、炒め物といった、油を多く使う料理ばかりに偏ったりしないよう、組み合わせに注意するようにしましょう。

体に不可欠なあぶらですが、とり過ぎには注意が必要です。肉類は食材そのものにあぶら(飽和脂肪酸)が含まれており、とり過ぎると血中のコレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化の原因となるので、肉は種類や部位を選び、あぶらの摂取量を抑えるようにしましょう。牛肉や豚肉ではバラや肩ロースにあぶらが多く、モモやヒレの方が少なめです。鶏肉の場合は、モモよりムネ、さらにムネよりササミの方があぶらは少なめです。ハムやベーコンなどの加工食品はさらにあぶらの割合が高くなるため、注意しましょう。また、揚げるよりは焼く、焼くよりは煮る・蒸すといった調理の方があぶらを減らすことができます。

あぶらを適量に抑えるために、もうひとつ知っておきたいのが「見えないあぶら」です。食事から摂取するあぶらは、調理に使用する油やバターなど、「目に見えるあぶら」がおよそ2割強です。残りの8割弱は、「見えないあぶら」です。見えないあぶらは肉、魚、乳製品など食材そのものに含まれる脂肪分や、加工食品、インスタント食品、パンや菓子類などに含まれており見落としがちです。この見えないあぶらは、健康のためにもとりすぎを避けたいあぶらといえます。食品を購入するときには、「栄養成分表示」を見て脂質の量を確認する習慣をつけましょう。

猫背について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、猫背について書きたいと思います。

姿勢は第一印象を決める重要な要素。姿勢がいいだけで「明るい」「信頼できる」「前向き」といったポジティブな印象を与えることができます。一方、姿勢が悪いと見た目が悪いだけでなく、肩こりや首こり、腰痛の原因になり、呼吸が浅くなって全身の血行が悪くなるなど、健康にもさまざまな悪影響があります。

悪い姿勢の典型は「猫背」。猫背とは、首が前に突き出して背中が丸まった状態のことです。人の頭の重さは約6kg、Lサイズのスイカほどもあり、寝ている時以外はこの重量を背骨が支えています。頭が背骨の真上にあれば背骨全体で支えられますが、猫背になると骨だけでは支えきれず、骨をサポートする筋肉に負担がかかって、こりが生じるのです。

また、首は脳と他の部位をつなぐ重要な場所で、多くの神経が通っています。猫背になって首の筋肉がこると、そばを通る神経が圧迫され、頭痛になり、やる気が出ない、イライラするなど精神的な不調につながることもあると言われています。

猫背は、生活習慣や、心理的な要因から引き起こされるものがほとんどです。例えばパソコン、携帯電話やスマートフォンを長時間見るなどの積み重ねが猫背につながります。とはいえ、自分が猫背かどうか自覚のない人も多いもの。まずは下記の項目をチェックしてみましょう。一つでもあてはまれば猫背の可能性があります。

  • 座っている時、気づくと背中が丸まっている
  • 背中、首、肩がこりやすい
  • パソコンに向かう時間が長い
  • スマートフォンや携帯電話をいじっていることが多い
  • 車を運転すると腰や肩が痛くなる

最近、猫背の人が増えているのは、パソコンやスマートフォン・携帯電話を長時間見る生活が一般的になってきているのが要因の一つ。通常、これらの画面を見る時はうつむき加減になり、画面を見るために少し首を前に出します。これは見事な猫背の姿勢。こうした「IT猫背」になりやすい環境の人は、生活の中でうつむいている時間を極力少なくすることが大切です。

横隔膜からおへその間の腹部を、「府」は漢方医学で言うエネルギーの元である「気」が集まる場を意味します。腹部から上に向かう気が集まるのが中府です。胸の筋肉の緊張を和らげてほぐし、胸を張った姿勢をとりやすくし、血流やリンパの流れを促します。

<位置>

鎖骨の下を外側に向かってなぞり、突き当たる部分からなか指の幅分ほど下のくぼみ。左右にあります。

<ツボの刺激法>

左手のなか指で右のツボを、また、左手で右の二の腕をつかむようにしておや指の腹で押します。左右の手を替えて両方のツボを交互に、ひと押し10~20秒ほどを3~5回、繰り返しましょう。行います。

肩こりについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、肩こりについて書きたいと思います。

肩こりは首や肩の周囲の筋肉が極度に緊張、疲労することにより、血液循環が悪くなるために引き起こされます。筋肉は太い1個の塊(かたまり)のように見えますが、じつは数百、数千といった筋線維(せんい)がまるで袋に入ったそうめんのように集まっていて、その中に血管や神経が通っているのです。

筋肉は弛緩(しかん)と緊張(収縮)を交互に繰り返しており、弛緩するとき栄養や酸素をたっぷり含んだ血液を取り込み、緊張するときには筋肉の運動で生じた老廃物を静脈の流れに捨てるという作業を行っています。ところが、長時間同じ姿勢をしているなど、緊張だけが長く続くと、筋肉はパンパンに腫れ上がり、中を走っている毛細血管が圧迫されて、うっ血が起きます。そうすると新鮮な血液が筋肉に行き渡らなくなり、うっ血した血液の中に老廃物がどんどん溜まってしまいます。

この溜まってしまった老廃物がこりや痛みを引き起こす発痛物資になります。しかも、そのままにしおくと、この発痛物資がさらに筋肉の緊張を高めてしまうので、症状がさらに悪化します。

肩こりを起こしやすくしている要因は、3つ考えられます。その1つは、体格です。たとえば、なで肩や首が細く華奢(きゃしゃ)な人は首や肩の筋肉が弱いために、筋肉疲労を起こしやすいのです。腕をぶらりと下げていると腕の重さで肩が下のほうに引っ張られて、肩の筋肉は緊張します。机やテーブルの上に肘をつくか、肘掛け椅子に座るようにすると、だいぶ肩の緊張は和らぎます。

2つ目の要因は姿勢です。デスクワークや手芸などで長時間猫背の姿勢でいると、肩や首の筋肉が緊張するので肩こりが起きやすくなります。長時間の作業の場合は、ときどき姿勢を整え、ストレッチ体操をするといいでしょう。

3つ目の要因はストレスです。ストレスを感じ続けることで、肩や首の周りの筋肉が常に緊張して肩こりを引き起こします。多くの人の肩こりは多かれ少なかれストレスが関与しています。適当な息抜きと就寝前にぬるめの湯にゆったりとつかって、全身の筋肉をリラックスさせることも効果的です。

糖尿病について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、糖尿病についてです

「血糖値が高めだって言われちゃったよ」――健康診断のあとに、そんな会話を交わしたり耳にしたりしたことはありませんか?

 血糖値とは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を表す数値です。人の体は、血糖をエネルギー源として活動していますが、エネルギーとして利用しきれないと高血糖の状態になります。血糖値は食事や運動などにより変動しますが、高血糖の状態が続くのが「糖尿病」で、その数は予備群を含めると今や全国で推計2,000万人以上。世界的にも4億人以上の人が糖尿病を抱えており、その数は増加の一途を辿っています。

そのため、WHO(世界保健機関)とIDF(国際糖尿病連合)は、11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、糖尿病の予防、啓発活動を行っています(日本でもこの日を含む1週間が「全国糖尿病週間」とされています)。この機会に、ご自身やご家族の血糖値のこと、糖尿病のことを少し考えてみましょう。

糖尿病がこわいのは、血糖値が高くても、初期にはほとんど自覚症状がないことです。そのため、健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されても、ついそのままにしてしまいがちです。しかし、血糖値が高い状態が長く続くと、やがて全身の血管が傷んで、様々な血管の病気を招きます。つまり糖尿病は「血管病」とも言えるのです。

 糖尿病によって生じる血管病には、細い血管がもろくなって生じる「細小血管症」と、太い血管が硬く狭くなることで生じる「大血管症」があります(表1)。たとえば腎臓の血管が傷つくことで起こる「腎症(糖尿病腎症)」は細小血管症で、成人の人工透析導入理由の第一位となっています。人工透析が必要になれば、多くの場合、週3回・1回4時間程度を透析施設のベッド上で過ごすことになり、日常生活に大きく影響します。

慢性的に血糖値が高い状態が続くことで腎臓の糸球体や眼の網膜などの細い血管が影響を受ける

→腎臓の病気(腎症)、眼の病気(網膜症)、末梢神経の障害により、足のしびれや痛み、たちくらみや排尿障害が起こる(神経障害)

慢性的に血糖値が高い状態が続くことで、動脈硬化が進みやすくなり、太い血管の病気につながる

→狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などのリスクが高まる

→神経障害に加えて足の血管の動脈硬化が進むと、痛みを感じにくいため、足にできたちょっとした傷も、時に潰瘍や壊疽(組織が死んでしまうこと)が起こり、足の切断が必要になることもある

 糖尿病は命にかかわる病気ではないと思われがちですが、糖尿病の人は、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な大血管症を起こしやすくなります

糖尿病にはいくつかのタイプがありますが、日本人に圧倒的に多く、全体の90%以上を占めるのは、生活習慣が深く関係して起こる「2型糖尿病」と呼ばれる糖尿病です。このことは、食事の内容や運動不足の解消など、生活習慣を見直すことで予防・改善が期待できることを示すものでもあります。

 肥満やメタボリックシンドロームは糖尿病を発症しやすくするため、過食を避けてバランスのよい食事を心がけ、手軽に始められる運動を習慣化して、適正な体重を維持しながら、血糖値も適正な状態に保っていきましょう。

また、血糖値が高めと指摘されたり、症状に心当たりがあれば、早めに医療機関に相談しましょう。今までの食習慣や生活のスタイルを変えるのは簡単なことではありませんが、早め早めに対処することが、糖尿病を予防したり悪化させないために一番大切なことです。医師と相談し、自分に合った無理のない方法で予防・改善を目指しましょう。

  • 尿の量やトイレの回数が多くなる
  • のどが渇きやすく、すぐ水分を摂りたくなる
  • 疲れやすくなる
  • しっかり食べているはずなのに体重が減少する

→血糖値が高めで、これらの症状に複数心当たりがあれば、一度医師に相談してみましょう

※症状がはっきりと現れない人もいます。 

眼精疲労について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、眼精疲労について書きたいと思います。

眼精疲労とは

眼精疲労とは目に充血や痛みなどが起こり、視界がかすみ・ぼやける、まぶしさを感じるなどの症状がおこります。これが悪化すると目の症状だけではなくきつい肩や首の凝りがおこり、ときにはめまいや吐き気など全身疾患の状態を感じることもあります。このような症状が、十分な休息をとっても回復しないものが眼精疲労で通常の疲れ目とは区別して考えます。近年では、パソコンなどのディスプレイ作業が増え、近い距離にピントをあわせるために目の筋肉を使い続けてしまうことに起因する眼精疲労も増加しています。ただの疲れ目と侮っていると、体だけではなく心にまで影響を及ぼすこともあります。目になかなか治らない疲れを感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。

眼精疲労の症状

眼精疲労では、疲れ目と同じような目の症状のほか、全身におよぶ体の症状も現れます。以下のような症状が代表的なものです。

目の症状

①   目がしょぼしょぼとする、目が重くなる、目の奥が痛む

②   目がかすんだりぼやけたりする、視点を移動したときすぐにピントがあわない

③   目が充血する

④   目が乾く

⑤   普段よりまぶしさを感じる

体の症状

①   肩や首が凝る

②   頭痛がする

③   けだるい(倦怠感)

④   めまいやふらつきがある

⑤   吐き気がする

眼精疲労の原因

目の使いすぎによる疲れ目とは異なり、眼精疲労はさまざまな要素がからみあっておこっていることがあります。

代表的な原因としては、目の病気、体の病気、眼鏡やコンタクトに由来するもの、生活環境やストレスなどが考えられます。

生活環境

生活環境近年、仕事でパソコン作業が長く続くことがあたりまえになってきています。また仕事以外でもスマートフォンなどを見続けることによって、VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群と呼ばれる症状をおこす人が増えてきています。また、エアコンがあたりまえの環境のなかで、エアコンの風に直接あたり続けることによって目が乾燥しドライアイの症状がおこることもあります。こうした生活環境で適切な休憩などをとらないと眼精疲労をおこすことがあります。

精神的ストレス

現代は対人関係などが複雑化し、精神的なストレスを抱え込みやすい時代になっています。過度にストレスをうけると、心の鬱屈から筋肉がこわばってしまったり、血流に影響がでたりすることもあります。こうした症状からも眼精疲労をおこすことがあります。

眼精疲労の対策

まずはきちんと睡眠時間をとること、食事内容が偏らないようにすることなど、めりはりのある規則正しい生活を送ることが大切です。また、照明やエアコンなどに配慮し、パソコンやスマートフォンを使用するときに設定や時間などに配慮することなど、生活環境を整えることで眼精疲労を軽減していくことは可能です。ただ、現実に症状がおこっており、目や心身に大きな負担がかかってしまっているときには、お気軽に眼科にご相談ください。専門家による治療や指導は疲労改善のために大きく役立ちます。眼精疲労を起こしているかどうかについては次の3つのチェックポイントにしたがって判断し、適切な処置を講じた上で快適な生活をとりもどしましょう。

病気がないかのチェック

眼精疲労は目の疲れだけではなく、重篤な目や体の病気に起因していることがあります。症状に気づいたらまずは眼科医に相談しましょう。検査や診察などによって目の病気が発見されたら、その病気を治療することによって眼精疲労をおこしている原因をとりのぞくことができます。眼鏡やコンタクトレンズなどの矯正不良についても適切なアドバイスができます。そして適正な度数の眼鏡やコンタクトレンズを処方します。診察によって目以外の病気が発見された場合は眼科医から適切な病院を紹介してもらうようにしましょう。

生活環境の改善

生活環境の改善エアコンや送風機などの風が直接目にあたる場合は、席の移動で対応しましょう。席の移動が難しいオフィスなどでは、直接風が顔にあたらないよう、風よけなどをデスクにたてるのも有効な手段となります。

また、パソコン作業などでは、まずは適切に休憩時間をはさむようにし、姿勢が正しくなるようイスの高さを調整することも大切です。その際クッションなどを挟み座面の高さを微調整するのも有効です。ディスプレイは高い位置ではなく、少し見下ろす程度の高さに設置し、ディスプレイやパソコンなどの設定でコントラストや輝度を下げるなど目に優しいモードにします。またOSやアプリなどソフトウェアを目に優しいダークモードに設定することでも目の負担が大きくかわります。ディスプレイに室内照明があたって見えにくくなっているケースもありますので、その場合はディスプレイの方向を変えてみましょう。少し角度をかえるだけで照明による乱反射が低減されます。また日常生活においては、意識的にまばたきを増す、目の視線を変える体操をするなどで目の潤いを保ち、緊張をゆるめることも大切です。

ストレスの解消・緩和

現代人はストレスからなかなか逃れられない生活を送っています。しかし、日常のちょっとした工夫によって、ストレスによる症状を大幅に軽減することが可能です。たとえば、毎日入浴してリラックスする、休日や早めに仕事が終わった日にはジムやスポーツなどで思い切り汗を流すなどで、日ごとの鬱積を解消し、週ごとにリセットすることなどが有効です。また仕事や趣味でパソコンやスマートフォンなどを長く使う場合も、イスに座ったままでも良いので、こまめに体を動かしストレッチをするなどで気分は大きくかわるものです。それでも、重くストレスがのしかかり、なかなか解消できないようであれば、専門医やカウンセラーに相談し、治療や指導を受けることも大切です。ストレスが軽減・解消することによって目の症状も自然と軽減されてくるものです。

肝臓について

こんにちは安井鍼灸整骨院です。今回は、肝臓です。

“沈黙の臓器”といわれる肝臓

肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれています。たんぱく質・脂質・糖質などの栄養素を体内で使える形に変えて蓄える「代謝」、薬・アルコール、老廃物などの有害な物質を分解して無毒化する「解毒」、脂質の消化・吸収を助ける働きのある「胆汁の生成と分泌」などの役割があります。

このように肝臓は重要な役割を担っていますが、何らかのダメージを受けていたとしても自覚症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」ともいわれています。そこで、健診を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要になります。

肝機能の数値に異常があっても症状がないからといって放置すると、肝炎や脂肪肝から、肝臓が硬くなり肝機能が低下する「肝硬変」、さらには「肝臓がん」へと進行することもあります。

肝臓の大敵はウイルス・アルコール・肥満

肝臓にダメージを与える大きな要因として、「肝炎ウイルス」「アルコール」「肥満」があります。

・肝炎ウイルス

日本人の肝臓の病気の主な原因となっているのは、肝炎ウイルスの感染によるB型肝炎とC型肝炎です。近年、ウイルス性肝炎の治療法が進歩し、早期発見して適切な治療を受けることで、進行を抑えたり、治すことも可能になってきました。「肝炎ウイルス検査」を一度も受けたことがない人は必ず受けましょう。

・アルコール

お酒の飲み過ぎが長期間続いていると、アルコールを分解する肝臓に負担がかかり続け、肝臓の病気が起こりやすくなります。多くは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「アルコール性脂肪肝」になり、お酒を飲み続けていると腹痛・発熱・黄疸などの重篤な症状があらわれる「アルコール性肝炎」になり、死亡するケースもあります。さらに進行すると、肝硬変となり、肝臓がんのリスクが高まります。

・肥満

肝臓の病気というと“お酒の飲み過ぎ”と思いがちですが、お酒を飲まない人も注意が必要です。肥満・食べ過ぎ・運動不足などにより、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「非アルコール性脂肪肝」が起こります。「非アルコール性脂肪肝」から肝臓に炎症が起こった状態の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」になると、肝硬変や肝臓がんに進行するリスクが高いことがわかっています。

肝機能を改善する生活習慣

食事でとったエネルギーが消費量を上回ると、肝臓で中性脂肪が多く作られ、脂肪肝になりやすくなります。肝機能を改善するためには、肥満につながる食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足にならないように心がけることが大切です。

肥満を解消する

肥満の人は減量し、適正体重をめざすことが第一です。肥満の原因となる食べ過ぎに注意し、腹八分目を意識しましょう。

糖質・脂質を控える

甘いお菓子やジュース、ごはんなどの糖質は、エネルギーとして使用されなかった分が中性脂肪として蓄えられます。肉の脂や揚げ物などの脂質もとり過ぎると、中性脂肪として蓄えられるため、控えめにしましょう。

たんぱく質・ビタミンをとる

肝細胞の修復や機能回復に必要なたんぱく質をとりましょう。ただし、とり過ぎるとエネルギーが過剰になるため、青魚や鶏ささみ、豆腐、卵などを適量とりましょう。また、肝機能が低下するとビタミンが不足するため、ビタミンEを多く含む緑黄色野菜(モロヘイヤ、かぼちゃなど)やナッツ類(アーモンド、落花生など)を十分にとりましょう。

アルコールは控える

アルコールは肝臓での中性脂肪の合成を促進し、脂肪肝を悪化させるため、できるだけ控えましょう。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、1日あたりの純アルコール量は男性40g以上、女性は20g以上としています。飲む場合は、男性は40g、女性は20gまでにとどめましょう。

純アルコール20gの目安

  • ビール:中びん1本(500mL)
  • 日本酒:1合弱(160mL)
  • チュウハイ:350mL缶1本(350mL)
  • ワイン:グラス2杯弱(200mL)
  • ウイスキー:ダブル1杯(60mL)

習慣的に運動する

肝臓にたまった中性脂肪を減らすよい方法が運動です。1日30分を目標に、ウオーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣にしましょう。筋肉量が多いと脂肪が燃焼されやすくなるため、スクワットなどの筋力トレーニングを加えるとさらに効果的です。

食中毒について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、食中毒について書きたいと思います。

食中毒は「真夏に多い」と思いがち…

食中毒は、食べ物や飲み物に付着した微生物(細菌、ウイルスなど)や自然毒を摂取することによって起こる健康障害です。細菌ではコレラ・チフス・赤痢、ウイルスではノロウイルス、自然毒ではフグ・キノコ・アジサイの葉・ジャガイモの芽などがよく知られています。

これらのなかでは、「微生物」を原因とした食中毒が、発生件数全体の約70%を占めています。 そのため、一般的に食中毒は気温も湿度も高い「真夏に多い」と思いがちですが、実は年間で一番発生件数の多い時期は9~10月です。

食中毒は「ウイルス」「細菌」「自然毒」

食中毒の原因は、大きく次の5つですが、日本での発生件数が多いのは上位3つです。そして、この3つを原因とする食中毒の発生時期をあらためて見てみると、思いがけない結果が見えてきます。

(1)ウイルス

(2)細菌

(3)自然毒

(4)化学物質

(5)寄生虫

<ウイルス性食中毒>

食中毒の原因でもっとも発生件数が多いのは「ノロウイルス」です。ノロウイルスによる食中毒は、感染者が大規模に拡大することが多く、年間の食中毒患者数の約50%を占めています。ほかにウイルスが原因の食中毒では、A型肝炎ウイルスが知られています。これらは「10〜2月」に多く発生しています。それはウイルスが低温で乾燥した環境に長く生息するためです。

<細菌性食中毒>

次に多いのが「細菌」による食中毒です。腸管出血性大腸菌(O-157やO-111など)やサルモネラ菌が、よく知られています。これらの細菌は、温度約10〜20度のいわゆる室温程度で増えはじめ、人間の体温ぐらい(36度前後)で増殖のスピードがもっとも速くなります。それと同時に、湿気などの水分を利用してさらに繁殖します。そのため細菌による食中毒は「6〜9月」に多く発生しています。

<自然毒食中毒>

自然毒の食中毒は、秋(9〜10月)に突然増えるのが特徴です。キノコやフグを食べる機会が増えるためでしょう。フグの毒についてはよく知られていますが、キノコはどこまで毒性があるのか詳しく解明されていません。日本に約2500種類自生しており、猛毒と指定されているのはそのなかの約30種類です。その他の微量な有毒性については研究の途中です。椎茸、エノキ、シメジなど一般的に流通しているキノコに似ていても、有毒物質を含んでいることもあり、秋には自然毒の食中毒にかかる人が毎年急増します。

9〜10月は、食中毒の原因が集中する季節!!

このように、9〜10月は、食中毒が発生する原因が「ウイルス」「細菌」「自然毒」と3つもそろっています。そのため、年間で食中毒の発生件数のいちばん多くみられるようです。さらに、次のような事態も影響している考えられています。

(1)厳しい残暑で体力が奪われ、免疫力が低下している

(2)気温の変化で体調を崩しやすくなっている

(3)行楽シーズンで、お弁当など野外での食事する機会を多い

(4)食べ物がおいしい季節で、つい暴飲暴食をしてしまう

(5)「秋=食中毒」というイメージがないため、油断している

食中毒は悪化すると体に危険が伴います。下痢や嘔吐など見られ、さらに1~2日安静にしても症状が改善しないときは、医療機関を受診してください。