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むずむず脚症候群について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、むずむず脚症候群についてです。

男性より女性に多く、年齢とともに増加傾向に

「下肢静止不能症候群(レストレスレッグス症候群/Restless Legs Syndrome:RLS)」。これが“むずむず脚症候群”の医学的な名称です。むずむず脚症候群というのは俗称になります。というのも、この病気の患者さんが医師に伝える自覚症状の中でとりわけ多いのが「脚がむずむずする」という症状だからです。

むずむず脚症候群(RLS)は、こうした下肢を中心とした異常感覚のために、寝ているときやじっと座っているときなどに脚に不快感を覚えたり、「どうしても脚を動かしたい」という我慢できないほどの運動欲求が生じたりする感覚障害です。

異常感覚による不快感の表現は患者さんによってさまざまですが、「脚がむずむずする」こと以外に、下記のような症状が脚(足)を中心に見られます。

①チクチクする

②ピクピクする

③かきむしりたくなる

④ほてる

⑤電流が流れているような感じがする

⑥無意識のうちに脚がでたらめに動く

⑦じっと座っていられない

⑧脚が痛い、だるい

⑨寝相が悪い(家族などからそう指摘される)

あまり聞き慣れない病名だと思う人もいるかもしれませんが、日本人のむずむず脚症候群(RLS)の有病率は決して低くはありません。

2008年に全国の20~59歳の8,426名を対象に行われた調査では、その有病率は4.0%に上りました。さらに男女別でみると、男性は3.0%、女性は4.9%と、女性のほうが男性より有病率が高いことが示されています。

また、加齢に伴って有病率が高くなることもさまざまな研究などから分かっており、欧米の調査結果では、40代から60代にかけて増加することが見てとれます。

正しい診断で適切な治療を

むずむず脚症候群(RLS)は、原因や発症時期から次のように大きく分けることができます。

一次性(特発性)のむずむず脚症候群(RLS)の発症のメカニズムは解明されていませんが、近年では脳の中枢神経に存在する神経伝達物質・ドーパミンの調節障害が関係しているという説が有力です。治療薬として、ドーパミン受容体作動薬や脳内の興奮性神経伝達物質に関与する薬剤などがあります。

この病気の特徴の一つとして、睡眠障害を伴う場合があることが挙げられます。脚の不快感によって寝つきが悪くなったり、やっと眠りについても頻繁に脚を動かして寝返りを打ったりすることが多いためです。また、無意識のうちに脚がピクンピクンと動く「周期性四肢運動」を伴う場合もあり、これも睡眠を妨げる要因の一つとなります。このため、「脚がむずむずする」といったことよりも、「どうしても眠れない」という症状に悩んで医療機関を受診する人は少なくないようです。結果的にはっきりした原因が分からないまま、睡眠導入剤などを処方される例も見受けられます。しかし当然のことながら、それではむずむず脚症候群(RLS)の根本的な改善にはなかなかつながりません。ぐっすり眠れない状態が続き、日中も眠気がとれない、仕事に集中できない、疲れがとれない、といった負のスパイラルに陥ってしまう可能性があります。

むずむず脚症候群(RLS)には次のような4つの診断基準があります。

1 脚を動かしたいという強い欲求が、不快な下肢の異常感覚が原因となって起こる

2 その異常感覚が、安静にして、静かに横になったり座ったりしている状態で始まる、あるいは増悪する

3 その異常感覚は運動*によって改善する

*叩く、もむ、足をこすりつける、足踏みをする、歩き回る など

4 その異常感覚は日中より夕方・夜間に増悪する

上記のような気になる症状がある場合なども、早めに医療機関を受診するとよいでしょう。むずむず脚症候群(RLS)専門の外来がある医療機関や脳神経内科、総合内科(総合診療科)のほか、不眠が続いているような場合は精神科や睡眠専門の外来なども選択肢として挙げられます。

むずむずして眠れないときのおすすめ対処法

医療機関で中等度から高度のむずむず脚症候群(RLS)と診断された場合には、薬物療法で症状を抑えることが可能です。比較的症状が軽ければ、日常生活を工夫することで不快感を和らげたり、眠りにつきやすくしたりすることも期待できます。例えば、むずむずなどの不快感は温度や湿度が高くなるほど強くなる傾向にあるため、梅雨時や夏場などは室内(とくに寝室)の除湿をしっかり行い、湿度を40~70%くらいに保つことが大切です。

逆に冬場は室内の湿度が40%未満になると皮膚が乾燥し、皮脂が欠乏する恐れがあります。これもまたむずむずを悪化させる原因になるので気をつけましょう。なお、夏の就寝時には次のような方法もおすすめです。

1 コーヒーなどの缶入り飲料のショート缶(190ml前後)を2本、冷やしておく

2 1の缶を洗面器などに入れ、タオルと一緒に枕元やベッドのわきなど、手の届きやすいところに置いておく

3 脚がむずむずしてきたら、缶の水滴をタオルで拭き取り、症状が出ている部位に缶を直接当てて、コロコロ転がす

患部を急激に冷やすことで不快感が緩和され、その後は眠りにつきやすくなります。また、寝たまま行うことができるので、わざわざ起き上がる手間などがないのもメリットです。目が冴えてさらに眠れなくなるといった心配もありません。それでも、どうしても眠れないときは、起きて脚を動かすのも一つの手です。30~60秒程度動かすことで、むずむず感が落ち着くはずです。日中、じっと座っているときに下肢に不快感を覚え、どうしても脚を動かしたくなるようなときは、趣味に没頭するのもおすすめです。例えば、ゲームや手芸など手先を動かして集中できることがよいでしょう。脚以外のことに意識を向けて集中することで、脚を動かしたいという欲求を抑えることができます。なお、アルコールや唐辛子などを含む辛い食べ物は血流を促進し、むずむず感を強くする場合があるため、なるべく控えたほうがよいでしょう。タバコは症状を悪化させる一因になるので、禁煙することをおすすめします。日常でできることを実践しながら、気になるときや治らないときは速やかに医療機関を受診しましょう

ヒートショックについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、ヒートショックについてです。

冬季に多発する温度差で起こるヒートショック

暦の上では立春を迎える2月。とはいえまだまだ真冬日を記録することもある、寒さ厳しい季節です。このような時季に気をつけたいのが「ヒートショック」。ヒートショックとは、気温の低い屋外から暖かい屋内への移動や、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な環境温度の変化によって、血圧が上下に大きく変動することをきっかけとして起こる、健康被害の総称です。

ヒートショックが起こりやすいのは入浴時

ヒートショックは、特に冬季の入浴時に起こりやすいことが知られています。暖房をしていない脱衣場や浴室では室温が極端に低くなりがちで、こうしたなかで衣服を脱ぐと、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がります。温かい湯船に入れば、今度は血管が拡張して、血圧が急激に下がります。このような入浴に伴う温度差が血圧を大きく上下させるために、失神や心筋梗塞、脳梗塞が起こったり、その結果として湯船で溺れ、命を落としてしまうこともあるのです。

こんな人は特にご注意を!

厚生労働省によると、家庭の浴槽で溺れて亡くなる人の数は、2004年には2,870人であったのに対し、2015年には4,804人となり、およそ10年で約1.7倍に増加しています。そして、このうちの約9割を65歳以上の高齢者が占めています。高齢になると血圧の変動が生じやすくなり、体温を維持する機能も低下するため、ヒートショックの影響を受けやすいと考えられることから、65歳以上の人は特に注意が必要です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化リスクがある人、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある人も、ヒートショックの影響を受けやすいため、ぜひ意識して対策を心がけましょう。

入浴中のヒートショックを防ぐために

ヒートショックを防ぐためにできる工夫を表1にまとめました。できることから取り入れて、ヒートショック対策を行っていきましょう。

(1)入浴前に脱衣場と浴室を暖かくしておく

脱衣場に小型のヒーターを設置したり、浴室内の壁に温水シャワーをかけるなどして温度と湿度を上げましょう。湯船のお湯張りをシャワーで高めの位置から行うのも、浴室全体を暖めるのに役立ちます。

(2)湯船につかる前に、シャワーやかけ湯で体を温める

寒いからと急に湯船につかるのは危険です。シャワーやかけ湯で徐々に体を温めましょう。また、入浴後は、浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。

(3)湯船の温度はぬるめ(41℃以下)とし、長湯を避ける

湯船につかっている時間は10分以内を目安に、入浴全体の時間も長すぎないようにしましょう。

(4)入浴前後には、コップ一杯の水分補給を

脱水を避けるために、水分補給も忘れないようにしましょう。

(5)入浴前のアルコール・食後すぐの入浴は控える

アルコールや食事は一時的に血圧を下げるため、直後の入浴は控えたほうがよいでしょう。

(6)血圧が高いときには、入浴を控える

収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上の場合は入浴を控えたほうがよいでしょう。

(7)家庭内で「見守り体制」をつくる

高齢者や持病のある方は特に、入浴前に同居者に一声かけましょう。また同居者は、いつもより入浴時間が長いときには入浴者に声をかけましょう。

屋内全体で考えるヒートショック対策

国土交通省はヒートショックを防ぐための住宅環境として、次のような温度条件を紹介しています。住まいのなかで寒さや温度差が気になる場所があれば、この値を参考に改善をはかるのもよい対策です。

部屋の温度:15℃以上、28℃以下に保たれている。洗面所、浴室、トイレの温度:冬季で20℃以上

暖房器具の適所への配置や市販の断熱・防寒対策グッズの活用、家屋の断熱改修など、屋内の温度差を緩和するための方法は様々あります。ご自身の住まいに合った方法を上手に取り入れて、まだまだ寒さの厳しい2月を元気に乗り切りたいですね。

全国生活習慣病予防月間について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、毎年2月にある全国生活習慣病予防月間についてです。

一無、二少、三多で生活習慣病を予防

一無、二少、三多とは?

生活習慣病は長い時間をかけて進み、病気として自覚しにくいという問題があります。それを防ぐには、日頃の体調、身体の些細な変化など、つねに自分自身の健康に目を向ける必要があります。そして、中高年になってからではなく、若い頃から、適正な生活習慣を獲得し、維持することが大切です。

「一無、二少、三多」は、日常心がけたい生活習慣をわかりやすく表現した健康標語です。

一無(いちむ)「無煙・禁煙の勧め」

たばこは万病のもと~喫煙は単独で最大の予防可能な死因!たばこの煙には7,000種類の化学物質、250種類の有害成分が含まれており、その内の70種類以上には発がん性が確認されています。代表的な有害成分としては、ニコチン、活性酸素、一酸化炭素、タールなどがあります。新型たばこ(加熱式たばこや電子たばこ)は、紙巻たばこと比較して有害成分が90%削減されたとされていますが、90%削減されたのは一部の有害成分のみであることが確認されています。また、削減された有害成分でも、十分発がんする量であり、喫煙および受動喫煙による生活習慣病や関連疾患の発症や症状の悪化をきたす可能性があります。さらに、新型コロナウイルス感染症との関係では、喫煙者は重症化しやすく、また、ワクチンを接種しても抗体価が上昇しにくいこともわかっています

たばこの煙の有害成分

ニコチン

依存性があり、血管収縮作用が強く血圧を上昇させ、また糖代謝や脂質代謝にも異常をきたし、様々な生活習慣病を引き起こします。

活性酸素

全身の細胞に結合し、細胞を酸化・老化させたり、傷つけたりします。

一酸化炭素

酸素と結合する赤血球のヘモグロビンは、一酸化炭素が存在すると容易に結合し、酸素結合を妨げるため、赤血球数を増やすことで代償しなくてはなりません。その結果、多血症(ドロドロ血)となり、血栓ができやすくなります。

タール

さまざまな発がん物質、発がん促進物質、その他の有害物質が含まれています。

二少(にしょう)「少食・少酒の勧め」

少食 食事は腹八分目に!

「腹八分目に医者いらず」という格言があります。暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要です。食事療法という言葉がよく生活習慣病で用いられることからも、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの予防・治療の基本は常に食生活にあります。

腹八分目に医者いらず

お腹いっぱい(満腹)まで食べる習慣をやめ、腹七~八分目でやめるよう心がけ、偏食をせず、よく噛んで、三食を規則正しく食べましょう。とくに、「3つの白(白米・白パン、食塩、砂糖)」の摂り過ぎに注意することと、食物繊維を豊富に摂ることも重要です。もっとも望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜5、それに果物、乳製品といわれています。

また、食後の血糖値の急激な上昇(食後高血糖)が、肥満や生活習慣病の誘因であることが明らかになっています。食後の血糖値の変動を穏やかにするには、「少食のすすめ」を守りましょう。

  • 白米・白パン:玄米、全粒粉は、食物繊維やたんぱく質などの栄養素を多く含んでいますが、これらの栄養素を取り除いたものが白米や白い小麦粉です。からだへの吸収も早くなるため、食後高血糖を起こしやすくなります。
  • 食塩:塩分の摂り過ぎは高血圧、胃がん、腎臓病などの原因となります。「健康日本21」では、1日の塩分摂取量の目標値を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています(12歳以上)。なお、高血圧や慢性腎臓病の方は重症化予防のために、1日の塩分は男女とも6.0g未満としています。
  • 砂糖:糖分の摂り過ぎは肥満の原因となり、糖尿病、心臓病、脳梗塞などの生活習慣病のリスクを高めます。

一汁三菜は、ごはんと汁物に、肉や魚等がメインの主菜1品、野菜やきのこ、海藻などの副菜を1~2品合わせた食事。栄養バランスの取れた和食の基本的な考え方です。

  • 少酒:アルコールは少量をたしなみ、ほどほどに! 

さまざまな生活習慣病がアルコールと密接に関わっていて、過度の飲酒を長く続けると、多くの病気が誘発される可能性が高まります。もっとも怖い病気がアルコール健康障害(依存症)です。アルコール健康障害による精神的・身体的な影響のために、日常生活に支障が出てきます。

万の病は酒よりこそ起れ

「健康日本21」では、飲酒に関して、純アルコールに換算して1日約20gまでが望ましいとしています。「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」という格言もあるとおり、アルコールをたくさん飲める人でも、1日の飲酒量はその程度が望ましいということです。

主な種類のアルコール量の目安

お酒の種類・アルコール濃度・純アルコール量

  • ビール(大瓶 633mL)・5%・26g
  • ビール(中瓶/缶 500mL)・ 5%・20g
  • ビール(缶 350mL)・5%・14g
  • 日本酒(1合180mL)・15%・22g
  • ウイスキー・ブランデー(ダブル60mL)・43%?20g
  • 焼酎(1合180mL)・35%・50g
  • 酎ハイ・ハイボール(缶 350mL)7%・20g
  • ワイン(グラス1杯120mL)・12%・17g

三多(さんた)「多動・多休・多接の勧め」

多動:今より10分多くからだを動かそう!

日常生活の中で身体活動量を増やしましょう。座りっぱなしは避け、身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう。「2本の足は2人の医者」という格言があります。まずは、無理な目標はたてずに、良く歩くことから始めましょう。 

多休:しっかり休養~こころとからだのリフレッシュ!

理想的な睡眠時間は標準的には6~8時間といわれますが、「快適」には個人差があります。あなたの活動量に応じた適正な睡眠時間をとるように心がけましょう。「睡眠」に限らず、仕事の合間の「休憩」や仕事をしない「休日」、夏休みや年末などの「休暇」も含めて、毎日の生活やライフステージに合わせて、心身ともにリフレッシュする機会をもつことにより、バランスの取れた健康的な生活を維持することが大切です。

多接:多くの人、事、物に接してイキイキした生活を!

多くの人と交流し、さまざまな事、物に好奇心をもって接することで創造性豊かなイキイキした生活を送ることが大切です。社会や人とのつながりが途絶えると身体的・精神的な健康障害が起こりやすことが科学的に検証されています。ボランティアに参加した人は健康観や幸福感が高いこともよく言われています。社会や誰かのために貢献するといった心持ちは、いくつになっても若さを維持させてくれます。趣味でも仕事でも何かしら目的や生きがいをもっている人は、イキイキしています。

冬の睡眠について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。冬の睡眠についてです。

「冬はなかなか起きられない」という方も少なくないのではないでしょうか。季節による睡眠の変化については、最近になってさまざまな研究が行われており、冬は夏に比べて睡眠時間が長くなることが分かってきています。

例えば、日本人約7万人を対象とした調査では、冬は夏に比べると睡眠時間が40分ほど長くなっていました。就寝時間は季節に関係なくほぼ同じであるにもかかわらず、起床時間が冬に遅くなっているという結果を踏まえると、冬は日の出の時間が遅くなり、日照時間が短くなることが影響しているのではないか、と考えられています。光の刺激があると目覚めやすくなりますが、日の出が遅くなる分だけ、その刺激が入ってくる時間帯が遅くなり、目覚めも遅くなる、というわけです。

「冬は寒くて眠りにくい」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、眠りが浅くなりやすいのはむしろ夏のほうです。夏は、エアコンをつけて就寝しても、室温が十分下がるとエアコンが弱まり、室温が上がってくるとまた冷気を出す、といった変動がどうしても起きがちです。こうした変動に合わせて眠りが不安定になりやすいのです。ただ、「冬だから睡眠が深くなる」というデータもありませんので、眠りにつきやすい生活習慣や寝室の環境整備は大切です。

<寝る前の準備>

寝る1~2時間前に、38~40℃のぬるめのお風呂に入るのがおすすめです。冬に限ったことではありませんが、深部体温(体の内部の体温)が下がり出したときに眠気が訪れます。そこで、入浴によっていったん深部体温を上げ、下がったときとの落差を作り出すことで、眠りにつきやすくなります。

寝室の室温は、冬であれば16℃前後が好ましいと考えられます。厚めの敷き布団と、肩まで覆う掛け布団を使用するとよいでしょう。足が冷えるようであれば、靴下で足先まで覆ってしまうよりも、レッグウォーマーのほうが望ましいと考えられす。深部体温が下がっていく際には手足から放熱するため、靴下を履くと放熱の妨げになります。

ただ、体感や好みには個人差があるものです。例えば、どうしても足先の冷えがひどくて寝付けないようであれば、靴下を履いたほうが眠れるかもしれません。上記の内容を目安としつつ、自分が「心地良い」と感じられることを大切にしてください。あまり神経質に考えるよりも、リラックスできることのほうが大切です。

<朝、目覚めるとき>

朝すっきりと目覚めるためには、光の力を借りましょう。太陽の光が最も強くて効果的ですが、日の出の遅い冬は、室内の照明を上手に活用してください。タイマー付きの照明などを使い、起床の30分前から寝室の照度を少しずつ上げていくと、目覚めやすくなります。また、午前中のうちに太陽の光を浴びるようにしましょう。

「朝起きられない」「日中も眠い」といったことは、季節だけが原因とは限りません。眠気には主に3つの要因が考えられます。

①睡眠不足

最も多いのが、睡眠不足による眠気です。全米睡眠財団によると、就労世代に推奨される睡眠時間は7~9時間です。必要な睡眠時間に個人差はありますが、日々の睡眠時間がこれより短い人も多いのではないでしょうか。睡眠不足による眠気には数日で慣れてしまうため、眠い状態が当たり前になり、睡眠不足を自覚していない人もいます。しかし、1日6時間しか眠らない日々が2週間続くと、眠気が強くないと感じていても、注意力が明らかに落ちていくことが研究で分かっています。睡眠時間が6時間程度だと「十分だ」と思うかもしれませんが、これでは不十分なのです。自覚以上に、睡眠不足によって脳は疲弊します。

慢性的な睡眠不足を借金に例えて「睡眠負債」と呼びますが、睡眠負債の解消には、十分な睡眠を取るしかありません。平日でも休日でも、できるだけ同じ時間に起床、就寝するのが理想ですが、平日に睡眠不足を感じたら、休日に2~3時間多く眠って、翌週に睡眠負債を持ち越さないようにするのも一つの方法です。睡眠負債は溜まれば溜まるほど、数日長く寝たぐらいでは解消できなくなるからです。この場合、「ミッドポイント」(就寝時刻と起床時刻の真ん中の時刻)を2時間以上ずらさないことがポイントです。ミッドポイントが2時間以上ずれると、体内時計がずれてしまい、平日の生活リズムにも影響するためです。

例えば、普段深夜0時に寝て朝7時に起きている場合、ミッドポイントは午前3時半です。週末、深夜0時に寝て午前9時まで寝た場合、ミッドポイントは午前4時半で、1時間のずれでおさまりますが、午前2時まで夜更かしして午前11時に起きると、ミッドポイントが午前6時半となり、普段よりも3時間遅くなってしまいます。週末だからと夜更かしをしてしまうと、体内時計が後ろにずれやすくなり、平日の生活リズムに戻すことが難しくなります。

②睡眠にかかわる病気

規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保できているにもかかわらず眠い場合は、病気の影響で睡眠が妨げられている可能性が考えられます。

  • 睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度も呼吸が止まったり弱まったりするため、脳が酸欠状態に陥り、眠りが浅くなります。睡眠時間は足りているはずなのに、「寝起きが悪くなった」「寝た感じがしなくて日中眠い」といった場合は、この病気の可能性も考えられます。同居の家族に、いびきをかいた後に息が止まっている様子を指摘されて気づく場合が多いものです。肥満のある人に多いですが、顎が小さい人や、閉経後の女性にもみられます。

  • むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

寝ようとすると脚がむずむずするなどの不快感が生じる、この不快感を抑えるために脚を動かしたくなり、眠れなくなる、という症状がみられる病気です。一般的に夕方から夜に症状が出るため、寝付けなかったり、寝付いてもすぐに目覚めてしまったりすることで、日中の眠気につながります。原因はさまざまですが、鉄不足による貧血など、他の病状に関連するものもあり、そちらを治療することで改善する場合があります。

③過眠症

過眠症とは、規則正しく、十分な睡眠時間を連続して確保しているにもかかわらず、3カ月以上ほとんど毎日、強い眠気がある状態を指します。代表的な過眠症に「ナルコレプシー」という病気があります。日本人の発症率は600人に1人程度とされ、10~20代で発症することが多くなっています※6。脳の中の睡眠や覚醒を司る神経細胞の障害が原因とされており、日中に強い眠気を感じます。また、金縛り、寝てすぐに夢を見る、笑ったときなどに突然体の力が抜けてしまう(情動脱力発作)といった特徴的な症状もみられます。

つま先立ちについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。つま先立ちについてです。

若いからといって油断できない、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病のリスク。予防のカギとなるのが「血流」です。特に滞りやすい下半身の血流の改善におすすめなのが「つま先立ち」です。

ふくらはぎが重要なのはなぜ?

「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎ。その理由をご存じでしょうか。私たちの体内では、次のようなメカニズムで血液が循環しています。

  1. 心臓から血液が勢いよく送り出される
  2. 血液は動脈を通り、心臓から体の末端へと向かって流れる
  3. 体の末端に到達した血液は、静脈を通って心臓に戻る

上記の「3」のときに力を発揮するのがふくらはぎです。というのも、足先まで流れてきた血液を心臓に戻すためには、重力に逆らって押し上げる力が必要だからです。ふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩をくり返し、ポンプのような役割を担うことで、スムーズに血液を心臓に戻すことができるのです。

しかし、血液が心臓に戻る途中で押し上げる力が低下すると、重力に負けて逆流する恐れもあります。それを防ぐため、静脈には「静脈弁」と呼ばれる扉のようなものが多数付いています。

血液が心臓に戻る際には弁が開き、血液が足先に逆流しようとする際には弁が閉じます。この弁はもともと薄く壊れやすい構造をしていますが、加齢や出産、長年の立ち仕事の影響などの要因で壊れてしまうと、逆流した血液が静脈内にたまることに。その状態が長期にわたって続くと、静脈がデコボコしたり、曲がりくねったりする「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」を引き起こす要因となります。こうした病気を防ぐ意味でも、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能を維持することが大切です。

つま先立ちでふくらはぎの筋肉を強化!

ふくらはぎの筋肉を鍛える方法は、ジョギングやウォーキング、筋力トレーニングなどいろいろあります。しかし、仕事などで忙しい日々を送っていると、運動のために時間を作ったり、定期的にジムに通ったりするのはなかなか難しいものです。また、外で行うスポーツは天候にも左右されがちです。

筋力を高め、キープしていくためには毎日コンスタントに続けることが重要です。いつでもどこでも簡単にできて、続けやすい方法をぜひ取り入れましょう。

そこでおすすめしたいのが「つま先立ち」です。文字通り、ただつま先で立つだけでふくらはぎの筋肉が刺激され、筋力アップにつながります。具体的な方法は次の通りです。

●つま先立ちトレーニング

つま先立ちトレーニング

1 壁などに両手のひらを当てて、まっすぐ立つ

2 両足のかかとを上げて10秒間キープ。その後ゆっくりかかとを下ろす

3 2を1セットとして5回くり返す

上記の時間や回数は目安なので、できる人はかかとを上げて20~30秒間キープしたり、1日に何回もくり返し行ったりしてもOKです。ただし、疲れない範囲で行うようにしましょう。通勤時に電車のつり革につかまってつま先立ちをするなど、隙間時間を利用して行うのも一考です。

●座って行うつま先立ちトレーニング

座って行うつま先立ちトレーニング

1 椅子に浅く座り、背筋を伸ばす

手で椅子の端をつかんだ状態で両足のかかとを上げて10秒間静止し、ゆっくりとかかとを下ろす

3 2を1セットとして5回くり返す

つま先立ちで期待できる効果とは

つま先立ちによってふくらはぎの筋肉が鍛えられると、全身はもちろん、特に下半身の血流が良くなります。ふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩して、ポンプのように静脈内の血液を送り流すことで、正常に血液を心臓に戻すことができます。血流が良くなると代謝も促進されるため、足がむくみにくくなる効果が期待できます。また、足の冷えを改善しやすくなるというメリットもあります。

さらに注目したいのが、動脈硬化や高血圧の予防につながる点です。動脈硬化とは、動脈の血管が硬くなり、弾力性や柔軟性が失われた状態のこと。血管内に血栓が生じたり、血管老廃物などのかたまりであるプラークが付着したりすることで血管が詰まりやすくなり、進行すると心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。

動脈硬化によって血管の弾力性や柔軟性が低下すると、血圧が高くなりやすくなります。

高血圧が続くと血管がダメージを受け、動脈硬化につながる場合もあります。

動脈硬化と高血圧は密接な関係にあり、予防のためには血管のしなやかさや軟らかさを保つことが大切です

そこで重要な役割を担うのが、血管の内皮細胞で産生され、分泌される「NO(エヌオー:一酸化窒素)」です。NOには主に次のような働きがあります。

血管を拡張して、血管の弾力性を保つ 硬くなり、ダメージを受けた血管(動脈硬化)を修復する

NOの分泌は、血流が加速し、血管の内壁が刺激を受けることで促進されます。つま先立ちを習慣にすることで全身の血流が良くなれば、血液中のNOが増え、血管がしなやかで軟らかい状態に近づくと考えられます。結果的に、動脈硬化や高血圧の予防につながる可能性も高くなります。

もちろん血管だけでなく、筋肉そのものに対する効果も見逃せません。ひざから下の筋力が強化されることで足を持ち上げやすくなるため、ちょっとした段差でつまずいたり、うっかり転倒したりといった事故やケガの予防につながります。

ふくらはぎの筋肉が引き締まり、美脚につながる可能性もあります。

なお、つま先立ちをしたときに足にしびれなどの異常を感じた場合は、血管などに何らかの問題がある可能性が考えられます。早めに医療機関を受診しましょう。

また、次のような血管の障害に伴う症状や疾患がある場合は、つま先立ちを無理に行うことで血管に負荷がかかり、血流が悪くなる要因となるので避けましょう。

間欠性跛行

少し歩くと足にしびれや痛みが生じ、少し休むとまた歩けるようになる状態。

閉塞性動脈硬化症

手足の血管に生じる動脈硬化で、冷えやしびれ、歩行時の痛みなどがある。

労作性狭心症

階段を上る、重い物を持つなどの体に負荷がかかる動きをしたときに、胸の圧迫感や痛み、締め付け感が生じる。

動脈硬化や高血圧対策は若いうちから

「まだ自分は若いから心配はないだろう」とつい思いがちですが、ストレスや喫煙、脂質の多い食事の取り過ぎといった要因によって、30代、40代でも動脈硬化や高血圧を発症する人は少なくありません。

将来的に大きな病気を患うことがないよう、「まだ大丈夫」と思えるうちからしっかり予防していくことが大切です。その予防法の一つとして、つま先立ちを無理なく続けていきましょう。また、血圧を測定するのは年1回の健康診断や人間ドックのときだけ、という人も多いかもしれませんが、40代以降はできれば血圧計を自宅に用意し、毎日測るのが理想的です。血圧は時間帯やその時の状況などによって常に変動しているので、起床時、食後、就寝前というように、1日数回測定することで自分の血圧の傾向が見えてきます。明らかに高い数値が続く場合は、早めに受診しましょう。

感染性胃腸炎について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。冬場に多い感染性胃腸炎についてです。

1.どのような病気ですか

感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総称です。

原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあり、主な症状は腹痛・下痢、嘔吐、発熱です。「ロタウイルス」、「アデノウイルス」による胃腸炎は、乳幼児に多く見られます。

「ノロウイルス」による食中毒や感染症は一年を通じて発生していますが、例年、冬になると、発生のピークを迎えます。ノロウイルスはヒトの腸管内で増え、患者のふん便やおう吐物には1グラムあたり100万から10億個もの大量のウイルスが含まれています。100個以下という少量で人に感染し、少量でも感染力がとても強いことが特徴で、どの年齢層にも感染が拡大します。

感染すると、24から48時間で、下痢・吐き気・おう吐・腹痛・発熱などの症状がでます。症状の程度は個人差がありますが、通常3日以内に回復します。しかし、ウイルスは症状回復後でも1週間程度、長い場合は1カ月にわたり、ふん便中にウイルスが排泄がされる場合があります。

2.どのようにうつりますか

経路1

人のふん便中のノロウイルスが、下水を経て川から海へ運ばれ、二枚貝に蓄積されます。それを、十分に加熱しないで食べると感染します。

経路2

ノロウイルスに感染した人が、十分に手洗いを行わずウイルスが手についたまま調理をすると、食品が汚染され、その食品を食べた人が感染します。

経路3

ノロウイルスを含むふん便やおう吐物を処理した後、手についたウイルスや、不適切な処理で残ったウイルスが、口から取り込まれ感染します。

3.かかったらどうすればいいですか

ウイルスに効果のある薬はないため、もしかかっても、軽くするための治療(対症療法)が行われます。まれに、乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状が生じることもあるので、早めに医療機関を受診しましょう。

4.心配なときはどうすればいいですか

基本的な予防方法は手洗いです。とくに、排泄後やおう吐物を処理したあと、調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

トイレに窓がある場合には、開けて換気をしましょう。

ふん便やおう吐物の処理をする場合は、処理する人自身への感染を防ぐため、使い捨て手袋・マスク・エプロンを着用し、適切な方法で処理しましょう。ノロウイルスに効果がある消毒薬は、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター・ピューラックス等)です。

★ノロウイルスの消毒の方法

方法1

塩素系漂白剤(成分:次亜塩素酸ナトリウム)を水で薄めて、使用する。(薬剤の取扱いにご注意!)

便や吐物が付着した床等:0.1%の濃度にしたものを使用

トイレの便座やドアノブ・手すり・床等の環境消毒:0.02%の濃度にしたものを使用

方法2

85度以上の熱湯に、1分以上浸ける。(やけどにご注意!)

5.家族が感染性胃腸炎と診断されたらどうすればいいですか

感染性胃腸炎は、施設で集団発生を引き起こすことがありますので、診断がついたら、学校や施設等に速やかにご連絡をお願いします。また、ご家庭においても感染予防が必要です。二次感染予防の基本は手洗いです。便やおう吐物の後始末やトイレの後、食事の調理の前には必ず石けんと流水で丁寧に洗い、手洗い後はペーパータオルか個人用のタオルを使用しましょう。

普段からご家族の健康状態(おう吐、下痢、腹痛、発熱の有無)を観察しましょう。

また、もし、ご自身がおう吐や下痢などの症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

肥満症について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、肥満症についてです。

肥満は、体に脂肪が蓄積し、体重が増加した状態のことですが、病気ではありません。一方、肥満症は、肥満によって健康状態に悪影響が出ていたり、内臓脂肪が過剰に蓄積したりしている状態を指し、治療が必要です。

肥満の度合いは、一般的に「BMI(Body Mass Index)」という、肥満指数で判定します。この指数は肥満症の判断基準ではありませんが、日本人の場合、BMIが25以上を超えたときから生活習慣病などの症状が増えることから、BMI25以上が「肥満」とされています。

内臓脂肪と皮下脂肪が原因

肥満症の原因となる脂肪は、内臓脂肪と皮下脂肪に分かれます。内臓脂肪は、内臓の周りにつく脂肪で、皮下脂肪は皮膚のすぐ下につく脂肪です。

内臓脂肪の蓄積は、脂質異常症や糖尿病、高血圧、脂肪肝などの原因となります。一方、皮下脂肪の蓄積は「睡眠時無呼吸症候群」や、膝など関節に異常が起こる「変形性関節症」などを引き起こします。

睡眠時無呼吸症候群は、脂肪が気道を狭めることで起こり、変形関節症は体重の増加で関節に負担をかけることが原因です。

肥満症とメタボの違い

肥満症と混同されやすいのが、メタボリックシンドローム(以下、メタボ)です。メタボは、内臓脂肪症候群とも呼ばれ、内臓脂肪が原因となってさまざまな症状が生じるもの。内臓脂肪の蓄積に加え、高血圧、脂質異常、高血糖のいずれか2つを併せ持った状態を指し、動脈硬化が進行しやすくなっています。

肥満症も内臓脂肪が原因の1つですが、メタボはそれだけでなく、動脈硬化を引き起こすリスクが高くなり、命に関わる病気にもつながります。肥満症と比較し、より動脈硬化の危険度が高いのがメタボです。

食べ過ぎと運動不足に注意

肥満症の主な原因は、食べ過ぎと運動不足です。内分泌の異常などが原因のこともありますが、割合としては少なく、大半は生活習慣に問題があります。

摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、脂肪が増え、体重が増加します。特に中高年になると若い頃と比較して代謝が落ちているので、体重が増えやすくなっています。

なお、肥満症の症状は、関節痛以外、目立った自覚症状がありません。そのため気づかないうちに、肥満が原因により症状が進み、さまざまな不調につながりがちです。そのため、日々の体重管理をしっかり行うことが大切です。

治療法とセルフケア

食生活を見直して減量

肥満症とメタボの改善は、減量して肥満を解消することです。ただ、極端な食事制限でやせようとすると、栄養不足を招いて、筋肉を減らしたり、骨をもろくするなどの悪影響が出ます。また、リバウンドもしやすくなります。

1日3食、栄養バランスの取れた食生活で、適正なカロリー摂取を心がけましょう。食事の量は腹八分目に抑え、間食も控えます。日本人は糖質が過剰になりやすいため、主食の量を減らすよう心がけることも大切です。また、ゆっくり噛んで食べると、満腹感が得られやすくなり、過食を防げます。

節酒を心がける

酒は百薬の長といわれますが、飲みすぎると中性脂肪が増えてしまいます。お酒は、ビールは中瓶1本、日本酒は1合、焼酎は0.6合、ワインは1/4本が目安です。また、揚げ物など高カロリーのおつまみも控えるようにしましょう。

有酸素運動で脂肪が燃焼

有酸素運動は脂肪を燃焼し、肥満を改善する効果が期待できます。運動でのカロリー消費は少ないとされますが、運動によって筋肉が増えると、代謝のよい太りにくい体になります。また、運動で血管が拡張することで、高血圧や高血糖、中性脂肪やコレステロール値の低下も期待できます。

1日20分程度、ウォーキングやジョギング、ラジオ体操など、長く続けられる運動を習慣化することが大切です。また、ひと駅前に降りて歩いたり、掃除の回数を増やしたり、日常生活の中で体を動かす機会を意識的に増やすのも肥満の改善につながります。

ヒートショックについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、ヒートショックについてです

ヒートショックになりやすい環境とは

ヒートショックは、以下のようなときなどに起こりやすくなります。

  • 暖房のきいたリビングから寒い廊下や脱衣所に移動したとき
  • 脱衣所で服を脱いだとき
  • 湯船に浸かるときや湯船から出たとき
  • お風呂からあがって、脱衣所に移動するとき

これは、暖かい(熱い)→寒い(冷たい)→暖かい(熱い)という気温(湯温)の変化が短い間に起きることで、血圧が急激に変化することが原因となります。

温度差が10度以上になる状況では、とくにリスクが高いとされているので注意が必要です。

ヒートショックで起きる身体の変化

人の血管は、暖かいところでは身体の熱を放出するために拡張し、寒いところでは身体の熱を閉じ込めるために収縮します。そのため、暖かいところでは血液の流れが穏やかになって血圧が下がり、寒いところでは血液の流れが速くなって血圧が上がります。

これらは体温を一定に保つために備わっている大切な機能です。

しかし、温度変化が大きすぎると血管の拡張・収縮も激しくなり、血圧も急上昇・急降下することになります。

急激な温度低下で血圧が急上昇したときには心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの病気を引き起こし、命に関わる事態に陥ることもあります。

また、寒いところから暖かいところに移動して血圧が急激に下がったときは、めまいやふらつき、意識障がいを引き起こすことがあり、転んだりお風呂で溺れたりするなどの危険を伴います。

ヒートショックになりやすい人とは

以下のような人は、ヒートショックになりやすいので注意しましょう。

  • 65歳以上
  • 高血圧、糖尿病、動脈硬化、不整脈などの持病がある
  • 太っている、肥満気味と言われた
  • 睡眠時無呼吸症候群と診断された
  • 一番風呂や熱めのお風呂が好き
  • 食べた後やお酒を飲んだ後にお風呂に入るのが好き
  • いつも30分以上は湯船に浸かる
  • 深夜に入浴することが多い

ヒートショックを予防するための対策

ヒートショックにならないためには、血圧が急上昇・急降下しないように温度差をできるだけ小さくする必要があります。とくにお風呂やトイレでの対策が大切です。

以下のようなことに気をつけましょう。

  • お風呂では
    • 脱衣所や浴室をあらかじめ温めておく
    • 湯船の温度は低めの38~40度に設定する
    • いきなり浴槽に入らず、手や足から順にお湯をかけて身体を慣らす
    • 長湯をせず、30分以内に上がる
    • 浴槽から上がるときは慌てずゆっくりと
    • 食後すぐの入浴、飲酒後の入浴は避ける
  • トイレでは
    • トイレを寝室の近くにするか、寝室に簡易トイレを設置する
    • トイレに暖房器具を置く
    • いきみすぎない

もし、家族のなかにヒートショックになりやすい傾向の人がいるようなら、お風呂場やトイレ、暖房がきかない廊下などのリスクが高い場所には、転倒してしまったときの備えとして手すりを付けるようにしましょう。また、いつもよりお風呂の時間が長いようなら、家族が声をかけてあげましょう。

ヒートショックは、少しの工夫でリスクを減らすことができます。とくに高齢者や持病がある人がなりやすいので、本人も家族も危険性を理解しておき、意識して対策をとるようにしましょう。

貧血について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、貧血についてです。

栄養が不足することで起きる貧血とは?

貧血は、栄養が不足することで起きることがあります。なかでも一番多くみられるタイプが「鉄欠乏性貧血」です。貧血の70~80%が、鉄分が欠乏するために起きる貧血だといわれています。

血液の赤血球に含まれているヘモグロビンは、鉄を含むヘムという赤い色素とたんぱく質が結合してできており、このヘモグロビンが酸素を全身に運んでいます。また、代謝で産生された二酸化炭素を肺まで運んでいるのもヘモグロビンです。しかし鉄分が不足するとヘモグロビンの生成が減少し、体のすみずみまで酸素を届けることができなくなってしまいます。こうして貧血が起こると、全身倦怠感や動悸、息切れ、食欲不振などの症状が現れます。心臓は大量の血液を流して酸素不足を解消しようと、鼓動を早くします。呼吸が激しくなるのも、酸素を体に取り入れようとするためです。このように、肺や心臓に負担がかかるだけでなく、心臓肥大につながってしまうこともあるのです。

鉄欠乏性貧血は、鉄分不足の偏った食事や過度なダイエットで引き起こされることがあるほか、病気などによる出血でも起こります。また、胃腸での鉄分の吸収に問題があるときに起こる場合もあります。

赤血球は骨髄で生成されますが、最初に赤芽球という赤血球のもとになる母細胞が作られ、それが細胞分裂することで作られていきます。このときに必要となるのが、葉酸やビタミンB12といったビタミンです。葉酸やビタミンB12が不足すると赤芽球の細胞分裂がうまくいきません。その代わりに巨赤芽球という大型の赤芽球ができてしまい、赤血球が増えずに貧血となってしまうのです。これを「巨赤芽球性貧血」といいます。

バランスのとれた食事をしていないことが大きな原因と考えられるほか、大量の飲酒でもこのタイプの貧血を引き起こします。また、胃腸の障害で食事からビタミン類を十分に吸収できない場合にも、このタイプの貧血が起こります。なお、現在ではこのタイプの貧血に対しては、葉酸やビタミンB12を投与するなどの治療法が確立されていますので、過剰な心配をする必要はなさそうです。

病気などによる出血の場合は別ですが、貧血気味という程度の状態なら、毎日の食生活の改善などで解消できる場合がほとんどです。

鉄分は、食事で摂ったもののうち10%程度しか体内に取り込まれないといわれるほど、吸収されにくい栄養素です。そのうえ、ほかの栄養素が不足すると吸収率は上がりません。そのため、鉄分を多く含む食品以外にも、バランスのとれた食事を考える必要があります。

また、鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄を多く含む食品はレバーや肉、魚類です。一方、非ヘム鉄は野菜や豆類、海藻、卵などに含まれています。ヘム鉄は非ヘム鉄より体の吸収率が高く、牛肉の鉄分の吸収率は約20%です。それに対して非ヘム鉄の吸収率は10%以下のものが多いのですが、動物性食品やビタミンCなどと組み合わせることで、吸収率が向上するといわれています。

葉酸は、緑黄色野菜やかんきつ類などの果物に多く含まれています。また、ビタミンB12は肉や魚類、卵、乳製品など動物性食品に含まれています。つまり、「貧血気味だから鉄分を補給しよう」とレバーや魚ばかりを食べるのではなく、野菜や果物を含め、食品の種類を増やすことがポイントといえそうです。

女性に貧血の人が多くみられるのはなぜ?

血液中の赤血球数の基準範囲は、男性が400万~539万/μℓ、女性が360万~489万/μℓで、ヘモグロビンは男性が13.1~16.6/㎗、女性が12.1~14.6/㎗とされています。そして赤血球に関しては男性359万/μℓ以下、女性329万/以下、ヘモグロビンに関しては男性11.9/㎗以下、女性10.9/㎗以下が異常とされています。

ヘモグロビンに関して異常とされる割合は、男性が約3.4%、女性が約5.8%ですが、基準範囲未満で要注意とされるグレーゾーンまでを含めると、男性は約10%なのに対して女性は16%を超えており、女性の方が貧血になる危険性が高いことがわかります。

血液の中の赤血球は、健康な人でも約120日たつと脾臓で分解されます。赤血球の割合を正常に保つためには、毎日一定の量がつくられなければなりません。しかし女性の場合は毎月月経で血を失うため、貧血につながりやすいと考えられます。

女性は初経から閉経までの期間のうち、約10%程度が鉄欠乏性貧血状態にあるといわれています。また、妊娠や授乳によっても、体内の鉄分が減少しがちになります。さらに過多月経の場合には、その割合はもっと増えてしまいます。過多月経の主な原因は子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮体がん、子宮頸がんなどですが、なかでも一番多くみられるのは子宮筋腫です。

子宮筋腫は良性潰瘍によるもので、一般的に20~35%程度の女性にみられるといわれています。子宮筋腫には女性ホルモンの一つであるエストロゲンが関係しているということはわかっていますが、発生する原因はまだ解明されていません。ちなみに初経前の年齢にはほとんど見られず、閉経後の年齢でもあまり多くはありません。

子宮内膜ポリープは、エストロゲンが過剰に分泌されることによって子宮内膜が異常に増殖して発生すると考えられています。子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮筋層にできてしまったものです。これも女性ホルモンが関係している可能性があるとされる病気で、30~40歳代の女性に多くみられます。

過多月経の原因を明らかにすることは、その後の健康に大きくかかわってきます。だから過多月経の場合はもちろん、月経痛がある、おりものが見られるなどといった症状がある場合には、婦人科を受診しましょう。「妊娠していないのに婦人科を受診していいの?」という疑問を感じる必要はありません。これらの不安を解消するために、専門医がいるのですから。

ちなみに鉄分が不足していると、肌や髪の状態にも影響が出ます。紫外線を浴びると体内に活性酸素が発生して肌にシミができることがありますが、活性酸素を消去する酵素「カタラーゼ」の生成には鉄分が必要です。つまり鉄分が不足すると、肌にシミができやすくなってしまうのです。また、目の下にクマができるのも、鉄分不足が原因の一つです。鉄分が不足して、血液が酸素を十分に補給できないため血行不良が起きてしまうからです。さらに、髪のツヤがなくなったり抜け毛が増えるのも、鉄分不足が原因ともいわれています。貧血気味という程度であっても、鉄分を十分に補給する必要があるのです。

3015人の日本人女性を調べたある研究では、鉄欠乏性貧血の人が8.5%、貧血のない鉄欠乏の人が41.8%、健康な人が43.6%、その他が6.5%という結果が出ています。つまり、約半数の女性に何らかの鉄欠乏が見られたというのです。貧血の症状に至っていなくても、体にさまざまな不調をきたすことは十分に考えられます。

アルコールについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、お酒について書きたいと思います。

今回は、アルコールについて書きたいと思います。

【1】アルコールの代謝

まず、アルコールは、ADH(アルコール脱水素酵素)によって、アセトアルデヒドに分解されます。さらにALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって、アセテート(酢酸)と水素に分解されます。最終的に、酢酸は水と炭酸ガスに分解されて排泄されます。肝臓で処理されなかった残りのアルコールは、汗、尿、呼気となって体外に出ていきます。息が酒臭かったりするのはこのためです。

【2】適量って?

お酒を飲む場合、よく言われるのが「適量」。無理せず、飲める量を把握しておくようにと言われますが、この適量が難しい。ついつい・・・なんて、この時期、日常茶飯事という方も多いのでは?お酒をいくら飲んでも顔色ひとつ変えない人もいれば、ビールを一口飲んだだけで真っ赤になり、酔ってしまう人もいます。さて、その違いとは?アセトアルデヒドを分解する酵素、ALDHには1型と2型があり、日本人の約46%の人には、生まれつきALDH2型の活性が低いか欠けています。このタイプの人は、アセトアルデヒドを分解する能力が低いため、アセトアルデヒドが体内に蓄積され、悪酔いしやすいのです。「お酒に強い」「お酒に弱い」というのは、このALDH働きの強いか、弱いかによるわけです。このようにアルコールの代謝量には、非常に個人差がありますが、一般的には体重60㎏男性の場合、1時間に約7gのアルコールを分解処理できると言われています。これを基準に考えると、20gのアルコールを代謝するには約3時間が必要となります。飲み始める時間や翌日までにアルコールを完全に処理して肝臓を休めることを考えると、1日平均で20gの純のアルコールの摂取が適量とされています。厚生労働省が挙げる、1日のアルコール摂取量の目安は日本酒で1(180ml)、ほぼ20gの純のアルコール量くらいです。このアルコール量に匹敵するのは、ビールなら中瓶1本(500ml)、焼酎は0.6合(60ml)、ワインは1.5杯(180ml)に相当します。

【3】“ツマミ”をあなどるべからず!!

お酒を飲み過ぎた失敗で、最も多いのは、二日酔いでは?ついつい・・・の結果です。適量を超えてお酒を大量に飲むと、肝臓の処理能力が追いつけなくなりアセトアルデヒドが体内に蓄積します。アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、頭痛や吐き気、悪酔い、胃痛、悪寒などを引き起こします。二日酔いは、翌朝になっても見られるこのような不快な症状をいいます。適量を守ること、これが二日酔い予防の一番の得策ですが・・・。二日酔い予防対策としては、お酒を飲むときは、お酒だけを飲まずに、食べ物を一緒に食べることを心がけましょう。空腹でお酒を飲むと、血中アルコール濃度は急激に上昇します。胃腸を強く刺激して、粘膜を荒らす原因となり、肝臓へも負担がかかってしまいます。おつまみの選び方も肝心です。ポイントは“高タンパク低カロリー”。良質のタンパク質をしっかり摂ること、そして、タンパク質の吸収を高めるビタミンB6、肝機能をより高めるタウリンを積極的に。特にタンパク質は酵素の活性化を図り、アセトアルデヒド分解促進、肝臓の働きを助けます。高タンパク質というと、お肉のイメージが強いですが、食べ過ぎると高脂肪、高カロリーになります。脂肪分の多いものは、アルコール代謝にブレーキをかけてしまいます。

おすすめのおつまみは、

湯豆腐(高タンパク低カロリー)、イカの刺身(タウリン)

酢だこ(タウリン)、生牡蠣(高たんぱく低カロリー、タウリン)

枝豆(高タンパク低カロリー) などです。

豆腐、枝豆、納豆などの大豆製品は良質の植物性タンパク質を含みます。おつまみの中には一緒に食べると悪酔いするものもあります。例えば、おにぎりなどの糖質(炭水化物)はアセトアルデヒドの生成を早めてしまいます。それでも二日酔いになってしまったら、深酒するほどの翌朝には、睡眠不足がつきものです。睡眠も十分にとり、体調を回復するのが一番です。また、二日酔いは、肉体的には脱水症状を起こしているため、

十分に水分を補給しましょう。二日酔いのあとにサウナという方もおられますが、実は、脱水症状に拍車をかけてしまい、体にはよくありません。