ストレスについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、ストレスについてです。

5月病の原因の一つに「ストレス」が挙げられます。日常に広く浸透し、頻繁に使われる「ストレス」という言葉。改めて意味を問われると、適切に答えるのが案外むずかしくありませんか?

「ストレス」は、もともと物理学の分野などで“外部からの力によって生じた歪み”を意味する言葉として使われていました。医学の分野で「ストレス」という言葉が使われるようになったのは、今から75年前の1936年。カナダ人の生理学者ハンス・セリエ博士は、体外から加えられた有害な要因(刺激)によって体に生じた歪みとそれに対する体の防衛(適応)反応を「ストレス」、そして、歪みの原因となる刺激を「ストレッサー」と定義付けました。そのような「ストレス」。簡単にいうと「心身の歪み」です。スポンジに例えると、スポンジを指で押すと、凹みます。この凹みや凹みを起こす力が、「ストレス」です。私たちの心身も、人間関係や仕事のトラブル、悩み、不安といった刺激によって歪むのです。時間がたてば凹んだスポンジが元に戻るように、私たちは「ストレス」によってダメージを受けても休息をとれば、ホメオスタシス(生体恒常性)という正常な状態に戻ろうとする体の働きによって、たいていは回復します。

ところが、心身の適応能力をはるかに越えるような刺激を受け続けると、体調不良やストレス関連疾患の発症につながってくるのです。私たちは、日常生活の中で様々なストレスを受けています。ストレスには、小さなものから大きなものまで色々あります。隣人の犬が吠えてうるさい、いつもの電車に乗り遅れた、飲食店の従業員の愛想が悪かった等の些細な事から就職や退職、結婚や離婚、出産や死別など、人生の転機となるような大きな出来事まで。私たちの意志とは関係なく、自然環境、社会環境は常に変化していきます。自分ではどうにもならないこともあるでしょう。生きている限りストレスは続きますし、残念ながらストレスをなくすことはできません。だからこそ、ストレスを取り除くことよりも、ストレスの影響が強くなりすぎないように、自分をコントロールして、いかにストレスと上手く付き合っていくかが大切になってきます。

ストレスの感じ方には個人差があります。例えば、スポーツ。好きな人には楽しくてプラスのものですが、嫌いな人にとってはマイナスもの、ストレスです。同じ事柄でも受け止める人によって、大きく異なってきます。一般的に、真面目で神経質、完璧主義、内向的で感情を抑制してしまいがちな人ほどストレスの影響を受けやすいと言われています。しかし、そのような人でもストレスを自覚してペースダウンしたり、意識的に休息をとるように心掛けていれば、大事に至らずに済みます。では、ストレスと上手く付き合うにはどうしたら良いか、まずは、ストレスへの考え方について。行動傾向と同じように、考え方にも癖があるものです。「どうして自分だけが・・・」と、怒りや挫折感を感じたことはありませんか?実際は大したことでもないのに重く考え過ぎていたり、勝手な思い込みがストレスになっている場合も多いのです。

ストレスは、気付かない間にも蓄積していきます。物事への集中力も限られおり、さほど長くはありません。がむしゃらに頑張るよりも、適度に休みをとり、気持ちに余裕を持って取り組む方が、結局は大きな成果を得ることも多いのです。

①Rest(レスト・休息):適度な休憩と睡眠 

仕事のオンとオフの区切りをはっきりつけて、心身を休ませる日をつくりましょう。また、毎日の十分な睡眠時間の確保が難しくても、就寝前の食事を避けたり、適度に体を動かすことで眠りの質を高めることができます。

②Refresh(リフレッシュ・気晴らし):適度な息抜き、自分の時間を持つ

勉強や仕事の合い間なら、気分転換にコーヒーを飲んだり、週末であれば、何か好きなことに打ち込むこともおすすめです。人それぞれですが、ドライブするとか、好きな音楽を聴くとか、ショッピングに出かけたり、あるいは映画を見に行くのも良いでしょう。非日常的な環境に身を置き、日々の生活から意識をそらすことで、ストレスからの解放感を得られやすくなります。

③Relax(リラックス・くつろぎ):ゆったりとした時間を持つ

家族との団らんや気心の知れた友人との語らいなどで、緊張を解きほぐす時間を持ちましょう。ペットと遊ぶ、ガーデニングを楽しむなど、動物や植物と触れあうことも良いでしょう。仕事の休憩中であれば、静かな場所でゆっくり深呼吸を行うと気持ちが穏やかになるでしょう。