ストレスについて

仕事のストレス その実態は?

人は、さまざまな理由でストレスを抱えてしまうことがあります。例えば「仕事のストレス」を見てみましょう。厚生労働省が行っている「労働安全衛生調査(実態調査)」の2017年の結果によると、労働者のうちの半数以上が、仕事や職業生活に対して強いストレスを感じていることが分かります。仕事をする上でストレスを抱えている人は、20歳未満は4人に1人ですが、20歳代になると急に増え「2人に1人以上」という結果になります。全年齢層をあわせると、58.3%の人が、何らかの「強いストレス」を抱えています。

さまざまなストレスは体にどう影響するのか

ストレスとはそもそも、「外からの刺激による心や体の反応」のことです。ストレスを起こす原因をストレッサーと呼びますが、何がその人にとってのストレッサーになるかは分かりません。また、結婚や離婚などの「生活が大きく変わること」や、親しい人との死別、自分自身の病気なども、人によっては大きなストレッサーとなります。「子育て」がストレッサーとなるケースもあります。
一般的に、ストレスによる反応には

  • 心理的反応:怒りや不安、悲しみ、不眠、怒りっぽい、注意力・集中力・記憶力・判断力の低下など
  • 身体的反応:頭痛や腹痛、めまい、疲労感、血圧の上昇、下痢や便秘など

があるとされています。これに対して人が起こす行動の変化には、過食または拒食、多量の飲酒、喫煙など、悪しき生活習慣ともいえる行動があります。ストレスが強い生活を続けていると、やがてさまざまな病気の原因ともなるのです。一時的な体調の変化であれば、ストレッサーから切り離された生活を、数日間送れば良いのかもしれません。しかし、一度かかってしまうと一生涯付き合っていかなければならない慢性疾患も含まれています。また、国立がん研究センターが行った研究(2018年1月に結果を公表)では、「長期的にわたり、自覚的ストレスレベルが高ければ、全がん罹患リスクが高くなる」という結果が出ています。 慢性的な病気やがんになれば、受診、検査、投薬、治療など、毎月の医療費は膨らんでいきます。「仕事や責任の大きさ」「対人関係」などから始まったストレスは、放っておくとさまざまな病気を引き起こし、治療費も多くかかってしまう可能性があります。