イライラ・不安について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、イライラ・不安についてです。

  イライラや不安の放置は危険!?

日照時間が短くなる2月は気持ちがふさぎ込みやすく、イライラや不安を感じる、憂うつな気持ちになるなど、メンタルの不調を訴える人が増えるといわれています。こうした不調は、最初はちょっとしたものでも、放っておくといわゆる「うつ病」など、心の病に進行してしまうことも。この機にメンタルケアをきちんと見直し、精神を安定させる方法について知っておきましょう。

  原因にきちんと向き合う

イライラ、不安、憂うつ……表れ方は様々でも、それらはみな、不安定な精神状態が形を変えて出てきているにすぎません。こうしたメンタル不調が出ているときには、必ずどこかに大元の原因があります。 朝、通勤中に人と少し肩がぶつかっただけでイライラしたとしたら、なぜ、それだけでイライラしたのか考えてみましょう。すると、任せられている仕事が終わりそうになくて焦っていた、嫌な上司からの度重なる叱責にうんざりしていた、といった状況に思い当たるかもしれません。
いつもそんな状況におかれているとしたら、たとえば、余分なことはできるだけ省く、嫌な言葉はできるだけ聞き流す、といった術を身につけることも必要です。
メンタルの不調は、あなたの心からのSOS。「仕方ない」と放置したり、その状況を打破すべくもっとがんばろうとすると、さらに悪化しがちです。まず、今のあなたが抱えている負荷を減らすための対策を、何かしら講じることを考えてください。

  過去の体験に端を発するものも

メンタル不調の原因が、その人の育った環境など過去の体験にある場合も少なくありません。たとえば、会社で「認められたい」と思ってがんばっているのに、なかなか評価されないというときには、誰もが大なり小なりいらだちを覚えるかもしれません。しかし「認められたい」という気持ちがあまりに強い場合は、親に認めてもらえなかったという体験などが大元の原因となっていることも多いものです。そこに起因する劣等感や、形式的な価値観にとらわれて、苦しんでいる人もいます。
ツラくても、自分が何に苦しんでいるのか、その大元に向き合うことが大切です。カウンセリングを受けるのも一つの方法です。その場合、自分に合ったカウンセラーを探すことがポイントです。

  栄養状態もメンタルに影響する

メンタル不調は、実は、栄養素の欠乏によって引き起こされることもあります。たとえば、神経伝達物質の「セロトニン」の不足は、うつ病の一因となることがわかっていますが、このセロトニンは、「トリプトファン」というアミノ酸が材料です。トリプトファンの元になるのは、肉や魚、乳製品、大豆製品などのたんぱく質ですが、これが足りていない人が多いのです。また、トリプトファンは、鉄、マグネシウム、亜鉛などの栄養素が体内に十分にないと、つくることができません。
ほかにも、閉経前の女性が発症するうつ病は、少なく見積もっても、2割は鉄不足が原因だと考えられます。コレステロール値が低すぎると精神的に不安定になることもわかっています。脳と体のエネルギー産生や神経刺激伝達に関与しているビタミンB群、鉄の吸収にも関与しているビタミンCなどの不足から、うつ症状を呈する人もいます。
ですから、食事は非常に重要。バランスのよい食事を取ることは、体だけでなく、心を健康に保つためにも大切なことなのです。

  こんな状態があったら要注意

次のような状態が見られたら、それはメンタル不調のサインかもしれません。

✅元気が出ない、やる気が出ない
✅気分が乗らない
✅人に会いたくない
✅趣味が楽しくなくなった
✅体がだるい、痛い
✅仕事、勉強、家事などに、今までのように取り組めない
✅今までと違う感じや、何か変な感じがする

あてはまる項目が多いほど、メンタルが不調になる恐れがあります。そんなときはどうか、それ以上がんばろうとするのではなく、以下のような方法で、少しでも心身の負荷を減らすことを考えるようにしてください。

  血液検査で栄養素の状態を確認

メンタル不調を感じたら、まず、お近くの病院で血液検査をしてもらうことをオススメします。タンパク質、鉄、亜鉛など、ほとんどの成分は通常の血液検査で調べることができます。不足しているものがわかったら、栄養バランスの整った食事をとることはもちろん、必要に応じて薬やサプリメントを使うなどして、不足を補うようにしてください。
血液検査については、カラダの豆事典2014年5月の『「異常なし」でも要注意?!健康診断』でも説明しておりますので、ご覧ください。

  十分な睡眠をとる

メンタル不調の予防や改善には、睡眠も大切。人は、睡眠を取ることで自律神経のバランスを整え、免疫力を向上させています。睡眠には、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンである「コルチゾール」の分泌量を適正化し、ストレスから回復させる働きもあります。その結果、イライラや憂うつ感などが軽減するのです。体だけでなく、心の不調を感じたときにも、睡眠をたっぷりとりましょう。

  自分のために時間とお金を使う

心を病む人の多くが、仕事や家事、育児に追われ、自分のための時間を確保できていません。忙しい現代人には難しいことかもしれませんが、たとえば、1日何分はジョギングする、散歩する、ぼーっとするなど、何でもよいので「好きなことをする私の時間」を意識的につくるようにしてください。 また、特に主婦の方などには「子どもの教育費のため、家計のため」と、自分には一切お金をかけずにお小遣いなしで我慢している方も多く見られます。もちろん、ある程度の節度が条件ですが、できれば、少しくらいは自分にもお金を使ってあげるようにしましょう。それが自分のメンテナンスにつながり、メンタル不調の予防となるからです。お母さんの心の安定は子供たちにも必ずプラスとなるのです。

  ヨガや座禅で自分と向き合う

ヨガ、またその中で行なう呼吸法には、瞑想を促し、精神をリラックスさせる働きがあります。ゆっくりと意識を集中することで、様々な雑念から気持ちを解放できたり、自分を認める気持ちになれたりするというメリットもあります。こうして自分と向き合うことは、自分を大切にすることにほかならず、それこそが、メンタル不調の解消にはとても大切なことなのです。
座禅に参加し、症状を大きく改善させた人もいます。座禅はたいてい、お寺などに大勢集まって行ないます。そこには、同じように悩みを抱えた人が来ていることが多く、そうした人たちと一体感をもちながら行なうことにも、セラピー効果があるようです。

  できるだけ笑う

笑うことも、メンタル不調の解消に大いに役立ちます。笑える映画や番組を見たり、笑いながら行なう「笑いヨガ」に参加したりするのもよいでしょう。口癖が気持ちを左右することがあるように、おもしろいことがなくても声と動作で笑うまねをするだけで、脳は「楽しい」と感じ、気持ちがポジティブになります。また、「あっはっは」と声に出すと酸素消費量が増え、免疫力も高まります。メンタル不調を抱えているときこそ、笑うようにしましょう。

  イライラ・不安に対するおすすめのツボ

■ 身柱-しんちゅう

首を前に倒したときに、首すじの後に現われる背骨の突起の下のあたり。第3胸椎と第4胸椎の中間あたりに位置します。マッサージをするときはピンポイントではなく、ツボの周囲を含めて刺激するといいようです。


■ 神門-しんもん


手首の関節で小指側にあるくぼみに位置します。


■ 巨闕-こけつ


みぞおち(へそから真上に上がる線上で、いちばん下の肋骨の手前にあるくぼみ)の下、指2本分のところに位置します。4本の指を揃えて、押し込むように刺激します。


■ 百会-ひゃくえ

頭のてっぺん、両耳と鼻の延長線が交わる点に位置します。指の腹を当て、下方に向けて心地よく感じる強さで押します。極端に強く刺激しないように注意。