他の整骨院から当院への転院について(はしご受診)

通うことはできますが、同じ部位の保険診療は受けられません。

同じ月に2箇所の接骨院に通うことはできない、というのを聞いたことがある人もいるかもしれません。これは、厳密には間違いで、正確には同じ月に2箇所以上の接骨院で同じ部位の保険診療を受けることができないということです。

例えば肩の脱臼などの治療のために接骨院に通っていて、健康保険が適用されている場合、別の接骨院でその脱臼の保険治療を受けることはできません。一つの疾患の保険治療を受けるのは、一つの接骨院に限られており、たとえ系列店であっても別の接骨院での治療は保険が適用されないので、注意しましょう。

同じ疾患の治療のために、必ずしも2箇所以上の接骨院に通ってはいけないというわけではありません。たとえば、片方の接骨院は保険を適用せずに自己負担での治療をうけるというのであれば、通ってもかまいません。どちらも全額自己負担の場合ももちろんOKです。別々の接骨院での治療がダメなわけではなく、保険が適用されないだけですから、通ってはいけないというわけではないのです。また、同月内であっても片方の接骨院が肩の脱臼で、もう片方の接骨院が足首の捻挫というのであれば、どちらも保険適用で治療を受けることができます。

そもそも、接骨院ではすべての治療に保険が適用されるわけではありません。保険が適用されるのは、骨折・不全骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷の場合のみで、そのうち骨折・不全骨折・脱臼については応急手当以外の治療は医師の同意が必要です。慢性的な肩こりや腰痛のために接骨院に通う場合などは、保険が適用されないのでいくつの接骨院に通ってもかまいません。また、病院での治療と並行して同じ疾患の改善のために接骨院に通う場合も、健康保険は使えないので、注意しましょう。

接骨院での健康保険は、適用される疾患が限られています。また、同じ部位の治療の場合、同じ月に2箇所の接骨院に通うと、片方では保険が適用されないので注意しましょう。保険適用外での治療であったり、全額自己負担での治療でよいというのであれば、同時に別の接骨院に通ってもかまいません。

また、月をまたげば、別の接骨院での保険診療を受けることができます。

最初に「保険」を使う場合について見ていきましょう。整形外科でも整骨院(接骨院)でも、保険を使って施術を受けることが可能です。しかし保険適用の場合、同時期・同症状の治療で整形外科と整骨院を併用することは認められていません。もし併用した場合、整骨院の料金が自費扱いとなるので注意が必要です。併用が認められない大きな理由は、「医療費が増大してしまうから」です。そのため整形外科と整骨院を掛け持ちした際は、社会的信頼度が高い整形外科の保険適用が優先されます。

もちろん別の箇所(症状)を治療する場合は、同時期に保険を使って整形外科と整骨院を併用できます。

例えば、「整形外科で腰痛の保険治療を受けている期間中に、整骨院で捻挫の治療を受けるために保険を使うことは可能」ということです。ただし、整形外科と整骨院で保険適用になる症状は大きく異なるので注意して下さい。整形外科ではほとんどの症状に対して保険適用になりますが、整骨院で保険が使えるのは怪我など急な痛みの処置に対してのみです。

①自費という形で整骨院の施術を受ける

整形外科を保険で、そして整骨院を自費という形で利用するなら、自己判断で併用可能です。もし整形外科の治療でも思うように症状が改善しない場合は、並行して整骨院の自費施術を利用してみましょう。観点が違う複数の施術を受けることで、症状が早く改善するというメリットも期待できます。

②整骨院の後に整形外科を受診・医師が整骨院での施術に同意した

例えば骨折や脱臼をした際に整骨院で応急処置を受けて、その後に整形外科を受診することは認められており保険適用も可能です。または整形外科での骨折の治療後などに、担当医師が整骨院での施術に同意した場合は同時期・同症状でも保険を使って施術(リハビリなど)を受けられます。このように緊急性が高い場合や医師の判断によっては、同時期・同症状での整形外科と整骨院の併用が可能になるケースがあるので把握しておきましょう。

③交通事故後の治療

交通事故に遭い負った怪我を治療する場合は、同時期・同症状でも整形外科と整骨院を併用できるケースがあります。当然、治療費を支払うのは事故を起こした相手側なので、こちらが費用を負担せず整形外科と整骨院の両方に通えることになります。ただし、相手方の保険会社に整骨院への通院を希望する旨を伝え、また担当の整形外科医に整骨院に通うことへの許可を得なければなりません。中には整骨院で施術をすることを認めない、嫌がる整形外科の先生もいることを、あらかじめ把握しておきましょう。加えて、同日内に整形外科と整骨院の両方に通うことは認められない場合もあるので、注意して下さい。