腱鞘炎の症状とは…
以下のような、手首や指の関節の症状はありませんか?心当たりのある方はもしかしたら腱鞘炎かもしれません。
- パソコン作業中、キーボードを打つ時に手首に痛みがある
- ペットボトルやビンのふたを回すと手首が痛い
- 手が痛くて子どもを長時間、抱っこできない
- 大きなお皿を持つと親指の付け根が痛む
- スマホを片手操作していると親指の付け根が痛い
- 指の曲げ伸ばしの時に引っかかるような感覚がある
腱鞘炎のメカニズム
腱鞘炎をご理解いただくには、まずは手の構造から。手にはイラストのように筋肉を骨と結合する「腱」がたくさん走っています。指や手首の曲げ伸ばしは、これらの腱が筋肉の力を先端まで伝えることで起こります。
ちなみにこちらのイラストは手の甲から見たもの。「伸筋腱」とあるのが、指を伸ばす方向に働きます。逆に手のひら側には指を曲げるための「屈筋腱」が走っています。
腱鞘(けんしょう)とは、その腱がスムーズに動けるように支えるための組織。ちょうどパイプのような構造になっていて、通常は腱がその中を滑らかに動いています。腱鞘炎とは、この腱鞘と腱が何らかの理由でこすれ合い炎症をおこす病気です。
腱鞘炎の種類
指や手首には多くの腱と腱鞘があるため、発症し得る部位は複数あります。
特によく見られるのが以下の2種類の腱鞘炎です。
◾️ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ドケルバン病は手首の親指側にある腱鞘と「長母指外転筋腱」・「短母指伸筋腱」に炎症がおきることで生じます。
この腱は親指を伸ばしたり、広げたりする働きを担っています。親指の使い過ぎにより負荷がかかり、腱鞘が分厚くなり(肥厚)腱表面が傷つくことで炎症が起こります。
その状態で腱が腱鞘の中を動くたびに擦れて、手首に痛みを生じさせるのがドケルバン病です。
・ドケルバン病の特徴
- 親指を曲げたり広げたりする動作で手首が痛む
- 手首の親指側に腫れがある
- 物を掴んだり握ったりすると痛みが生じる
- 症状が悪化すると、手に力が入らなくなる
・こんな方に多い症状です
- 長時間、お子様を抱っこし手首・親指を酷使する方
- キーボードでの入力作業やマウス操作を長時間する方
- 料理人や美容師さんなど手や手首を酷使する職業の方
- ピアノやフルートなど指をよく使う楽器の演奏者
- スマホを長時間、片手で操作する方
◾️ばね指(弾発指)
手の指の腹側には図のように、指を曲げる屈筋腱とそれを支える「靭帯性腱鞘」が走っています。その腱と腱鞘の間で炎症が起き腱鞘炎となることがありますが、さらに症状が進み”ばね現象”が見られるようになると『ばね指』と呼ばれます。ばね現象とは、指の曲げ伸ばしの際にバネのように引っかかりが起き、動きが悪かった
り、痛みが生じる症状のこと。例えば指を閉じた状態から開こうとすると、カクっと急に指が伸びるような症状が見られます。腱鞘が何らかの原因で炎症を起こし分厚くなり、腱と擦れて痛みが生じます。さらに擦れることで腱も炎症を起こし太くなり、腱鞘を通る際に引っかかりが起きます。そのため、指が曲がったまま戻りにくくなり、無理に力を加えると引っかかった部分を通過するタイミングでばね現象が起きるというメカニズムです。
・ばね指の特徴
- 手のひら側の指のつけ根が痛む
- 指のつけ根や指に腫れが見られる
- 指を押さえた時に痛みや熱感がある
- 手の指の曲げ伸ばしがスムーズに出来ず、途中で引っかかる感じがある
- 朝、起きた時に特に手の指の動かしにくさを感じる
・こんな方に多い症状です
- 更年期の女性
- 妊娠・出産期の女性
- テニスやゴルフなど手の指をよく使うスポーツをする方
- 糖尿病・リウマチ・透析患者の方
安井鍼灸整骨院の腱鞘炎(ドケルバン病・ばね指)の施術法
STEP1 カウンセリング・説明
腱鞘炎の症状には、安井鍼灸整骨院では、施術前のカウンセリングと検査を徹底して行います。根本の原因を探り、患者さまおひとりおひとりに合わせた最適な施術を提案いたします。
STEP2 施術
腱鞘炎は、腱の痛みにより、関節の拘縮(筋肉が硬くなった状態)を起こします。固まった関節を痛みのない範囲で動かし、筋肉を緩めると同時に、関節の滑りを良くして、拘縮を予防します。
STEP3 鍼灸
鍼やお灸治療も取り扱っています。鍼やお灸には、血流を改善し、痛みを抑える効果があります。痛みが出てしまうと、筋肉は自然に強ばってしまいます。そうすると、硬くなってしまった筋肉が血管を圧迫して、血流不全になり、痛みを感じる原因になります。それをより早く改善するのが鍼灸治療です。
腱鞘炎の症状を改善するために一番重要なことはなるべく早く治療を開始すること
「少し安静にしていれば痛みは落ち着くから…」
「痛み止めを飲めば何とかやり過ごせる」
「湿布を貼れば治るだろう!」
と思って医療機関に相談にいかないまま放置するのはNGです!
炎症があるにも関わらず鎮痛剤や湿布などで痛みだけをごまかし、いつも通り手や指を使ってしまうと腫れた腱鞘と腱の摩擦はさらに深刻化し、症状は悪化してしまいます。
症状が進行すればするほど、完治までの道のりは長くなってしまいます。自己判断をせず不調を感じたら早めにご相談ください。