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全国生活習慣病予防月間について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、毎年2月にある全国生活習慣病予防月間についてです。

生活習慣病は長い時間をかけて進み、病気として自覚しにくいという問題があります。それを防ぐには、日頃の体調、身体の些細な変化など、つねに自分自身の健康に目を向ける必要があります。そして、中高年になってからではなく、若い頃から、適正な生活習慣を獲得し、維持することが大切です。

「一無、二少、三多」は、日常心がけたい生活習慣をわかりやすく表現した健康標語です。

たばこは万病のもと~喫煙は単独で最大の予防可能な死因!たばこの煙には7,000種類の化学物質、250種類の有害成分が含まれており、その内の70種類以上には発がん性が確認されています。代表的な有害成分としては、ニコチン、活性酸素、一酸化炭素、タールなどがあります。新型たばこ(加熱式たばこや電子たばこ)は、紙巻たばこと比較して有害成分が90%削減されたとされていますが、90%削減されたのは一部の有害成分のみであることが確認されています。また、削減された有害成分でも、十分発がんする量であり、喫煙および受動喫煙による生活習慣病や関連疾患の発症や症状の悪化をきたす可能性があります。さらに、新型コロナウイルス感染症との関係では、喫煙者は重症化しやすく、また、ワクチンを接種しても抗体価が上昇しにくいこともわかっています。

ニコチン

依存性があり、血管収縮作用が強く血圧を上昇させ、また糖代謝や脂質代謝にも異常をきたし、様々な生活習慣病を引き起こします。

活性酸素

全身の細胞に結合し、細胞を酸化・老化させたり、傷つけたりします。

一酸化炭素

酸素と結合する赤血球のヘモグロビンは、一酸化炭素が存在すると容易に結合し、酸素結合を妨げるため、赤血球数を増やすことで代償しなくてはなりません。その結果、多血症(ドロドロ血)となり、血栓ができやすくなります。

タール

さまざまな発がん物質、発がん促進物質、その他の有害物質が含まれています。

「腹八分目に医者いらず」という格言があります。暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要です。食事療法という言葉がよく生活習慣病で用いられることからも、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの予防・治療の基本は常に食生活にあります。

お腹いっぱい(満腹)まで食べる習慣をやめ、腹七~八分目でやめるよう心がけ、偏食をせず、よく噛んで、三食を規則正しく食べましょう。とくに、「3つの白(白米・白パン、食塩、砂糖)」の摂り過ぎに注意することと、食物繊維を豊富に摂ることも重要です。もっとも望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜5、それに果物、乳製品といわれています。

また、食後の血糖値の急激な上昇(食後高血糖)が、肥満や生活習慣病の誘因であることが明らかになっています。食後の血糖値の変動を穏やかにするには、「少食のすすめ」を守りましょう。

白米・白パン:玄米、全粒粉は、食物繊維やたんぱく質などの栄養素を多く含んでいますが、これらの栄養素を取り除いたものが白米や白い小麦粉です。からだへの吸収も早くなるため、食後高血糖を起こしやすくなります。

食塩:塩分の摂り過ぎは高血圧、胃がん、腎臓病などの原因となります。「健康日本21」では、1日の塩分摂取量の目標値を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています(12歳以上)。なお、高血圧や慢性腎臓病の方は重症化予防のために、1日の塩分は男女とも6.0g未満としています。

砂糖:糖分の摂り過ぎは肥満の原因となり、糖尿病、心臓病、脳梗塞などの生活習慣病のリスクを高めます。

一汁三菜は、ごはんと汁物に、肉や魚等がメインの主菜1品、野菜やきのこ、海藻などの副菜を1~2品合わせた食事。栄養バランスの取れた和食の基本的な考え方です。

少酒:アルコールは少量をたしなみ、ほどほどに! 

さまざまな生活習慣病がアルコールと密接に関わっていて、過度の飲酒を長く続けると、多くの病気が誘発される可能性が高まります。もっとも怖い病気がアルコール健康障害(依存症)です。アルコール健康障害による精神的・身体的な影響のために、日常生活に支障が出てきます。

「健康日本21」では、飲酒に関して、純アルコールに換算して1日約20gまでが望ましいとしています。「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」という格言もあるとおり、アルコールをたくさん飲める人でも、1日の飲酒量はその程度が望ましいということです。

主な種類のアルコール量の目安

  • お酒の種類・アルコール濃度・純アルコール量
  • ビール(大瓶 633mL)・ 5%・26g
  • ビール(中瓶/缶 500mL)・5%・20g
  • ビール(缶 350mL)・5%・14g
  • 日本酒(1合180mL)・15%・22g
  • ウイスキー・ブランデー(ダブル60mL)・43%・20g
  • 焼酎(1合180mL)35%・50g
  • 酎ハイ・ハイボール(缶 350mL)・7%・20g
  • ワイン(グラス1杯120mL)・12%・17g

多動 今より10分多くからだを動かそう!

日常生活の中で身体活動量を増やしましょう。座りっぱなしは避け、身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう。「2本の足は2人の医者」という格言があります。まずは、無理な目標はたてずに、良く歩くことから始めましょう。 

多休 しっかり休養~こころとからだのリフレッシュ!

理想的な睡眠時間は標準的には6~8時間といわれますが、「快適」には個人差があります。あなたの活動量に応じた適正な睡眠時間をとるように心がけましょう。「睡眠」に限らず、仕事の合間の「休憩」や仕事をしない「休日」、夏休みや年末などの「休暇」も含めて、毎日の生活やライフステージに合わせて、心身ともにリフレッシュする機会をもつことにより、バランスの取れた健康的な生活を維持することが大切です。

多接 多くの人、事、物に接してイキイキした生活を!

多くの人と交流し、さまざまな事、物に好奇心をもって接することで創造性豊かなイキイキした生活を送ることが大切です。社会や人とのつながりが途絶えると身体的・精神的な健康障害が起こりやすことが科学的に検証されています。ボランティアに参加した人は健康観や幸福感が高いこともよく言われています。社会や誰かのために貢献するといった心持ちは、いくつになっても若さを維持させてくれます。趣味でも仕事でも何かしら目的や生きがいをもっている人は、イキイキしています。

冬の水分補給

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、冬の水分補給です。

職場でも家庭でも何かとあわただしい師走。唐突ですが、最近水分補給していますか?夏場は熱中症対策などでせっせと水分を補給していたのに、涼しくなってからというもの、あの熱心さはどこに行ってしまったのでしょうか?人間の体の約60%は水分です。毎日食べ物や飲み物などから2~2.5リットルの水分を摂取し、尿や便、汗などで同じくらいの量の水分を体から排出しています。これは季節が変わってもあまり変化ありません。なのでこの時期、熱中症の危険は去りましたが、水分補給の重要性は夏場と変わってはいないのです。

寒くなってきてからというもの、職場で、街中で、風邪を引いている人をよく見かけるようになりました。風邪対策の王道であるうがい、手洗いに加えて「水分補給」も大事な予防策のひとつです。風邪やインフルエンザの原因となるウイルスは、乾燥した状態で活発に活動します。反対に湿度50%以上になると活動が急激に低下します。水分補給は喉や鼻の粘膜をうるおしてウイルスの侵入を防ぐと同時に、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。また、風邪をひいてしまったら発熱や食欲低下、下痢、嘔吐などの症状により体からの水分排出が多くなりますので、普段以上にきちんと水分を補給するようにしましょう。

冬場には脳卒中や心筋梗塞の発症が増えます。これは寒くなって血圧が上昇することも一因ではありますが、水分補給も大いに関わっています。寒くなって汗をかかなくなり、のどの乾きを自覚しにくくなる冬場は水分摂取が少なくなります。水分摂取が少ないと、血液の粘度が上がり、いわゆる「ドロドロ」の状態となります。ドロドロ血液によって血管が詰まりやすくなり、結果として脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。

脳卒中、心筋梗塞予防のためにも、冬場も水分補給!です。

この時期、忘年会や新年会など飲酒の機会が多くなります。お酒を飲むと喉が渇くことは多くの方が経験されていると思いますが、アルコールには利尿作用があるため、飲酒が過ぎると体は脱水状態となります。アルコールを飲んだら意識的に水分を補給して、脱水状態を防ぎましょう。また日本酒造組合中央会では、悪酔いをしないとして飲酒の合間に水分を取る「和らぎ水」を勧めています。一年の疲れをお酒で流しても、水分補給をお忘れなく。

夏太りについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、夏太りについてです。

暑いからヤセる!はまちがい

夏は暑くて汗をたくさんかき、食欲が減退してしまう人も多いことから、ヤセるというイメージがあるのではないでしょうか? ところが実際は、そんなことはないのです。夏にかいている汗は、体温調節のためのものであるため、実はほとんどカロリーを消費していません。ところが、ちょっと動くだけですぐに汗をかいてしまうことから、極力動かないようにしようという意識が働き、知らないうちに運動不足に陥っていきます。 また、現代、多くの人が長時間を過ごすのが、冷房がガンガンに効いている屋内。しかし、屋外はめまいのしそうな猛暑。この気温差により、私たちの自律神経はすっかり乱され、その影響でホルモンの働きがアンバランスになり、代謝も低下してしまうのです。そもそも、気温が高く、自ら体温を上げる必要がない夏は、基礎代謝も下がりがち。

代謝とは、摂取したエネルギーを体内で消費する活動のことですから、これが落ちれば、当然太りやすくなるというわけです。夏は決してヤセる季節、というわけではないのです。

夏“あるある”にも落とし穴が

夏というと、とかく「スタミナを摂ろう!」とばかりに、高カロリーな食事に走る人がいますが、高カロリー食に偏れば、当然太っていくことになります。夏は代謝が下がっているので、高カロリー食なんて摂ったら大打撃。おまけに、カロリーが多いからといってスタミナがつくわけではありません。 一方で、食欲が落ちて、「食べやすいものを食べよう」と、そうめんや冷や麦といったものばかり食べてしまうという人も見受けられます。一見太らなそうですが、摂取できるのはほぼ炭水化物とカロリーだけですから、これも太る原因に。人間の体はビタミン、ミネラル等を含め、必要な栄養素が全部そろって、初めて効率よく代謝されるようにできているからです。

また、冷たい麺が体を冷やし、よけいに代謝を下げてしまうという面も。冷たいものといえば、この時期は、かき氷やアイスなどにもつい手が伸びがちに。冷たい食べ物は、甘さやくどさを感じにくいため、糖分・脂質過多に陥りやすく、これも注意が必要です。 お風呂はどうでしょうか。「汗を流せればいいや」と、シャワーだけですませていませんか? ところが、シャワーだけだとどうしても体が温まりにくいため、代謝も上がりにくく、太りやすくなってしまうのです。夏太りの落とし穴は意外なところに、またあらゆるところに潜んでいるのです。

あなたの夏太りリスクは!?

ふだんからの生活習慣や体質、夏の過ごし方で、夏太りしやすいかどうかがわかります。

  1. 冷房の効いた室内で過ごす時間が長い
  2. 冷え性である
  3. 夏はスタミナをつけるべく、カツ丼などの高カロリー食を意識的に食べる
  4. 夏の夕食は、たくさんのビール&揚げ物というパターンが多い
  5. 夏は食欲がなく、食べられるものを食べている
  6. ふだんからシャワー浴、または夏はシャワー浴だ
  7. エレベーター移動が多く、階段はめったに使わない
  8. ふだんから、または夏は特に、冷房の効いた車や電車での移動が多い
  9. 夏は暑いから、できるだけ体を動かすことはしない
  10. 寝る直前までテレビやスマホを見ていることが多い

チェックが多いほど、夏太りしやすい傾向にあります。

これまでお話ししてきたように、夏太りの一因は自律神経の乱れ。就寝直前まで液晶画面を眺めていたのでは、自律神経がアンバランスになってしまいますよ。 年々エスカレートする酷暑は「涼しいところにずっといたい、できるだけ動きたくない、食べられるものだけ食べていたい」と思わせるに十分ですが、夏太りを避けるためには、以下のような対策を心がけてみてください。

■ バランスの取れた食事を

暑いからといって極端な食生活に走ることなく、胃に負担の少ない良質のタンパク質(肉、魚、大豆製品、卵など)やビタミン類(野菜、果物など)をバランスよく摂るようにしましょう。

そうめんや冷たい飲みもの、アイスしか食べられない……という人こそ、体を冷やす働きのある夏野菜がオススメです。夏野菜には体内にこもった熱を除去し、調子を整えてくれる作用があるため、食欲もわいてくるはずです。

■ 夏こそ湯船に浸かる

暑いから湯船になんて浸かりたくない、と思うかもしれませんが、湯船に浸かったほうが基礎代謝アップにつながります。とはいえ、あまり熱いお湯では、自律神経の中で、緊張・興奮を司る交感神経のほうが活性化され、ヤセる効果は期待できません。忙しい現代では、多くの人が交感神経ばかりが優位な状態にあるからです。

そこで、ぬるめのお湯に10~20分程度を目安に浸かるようにしましょう。こうすることで、リラックスして次第に副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。温浴効果で血液循環もよくなり、代謝もアップしますよ。

■ 適度に運動を取り入れて

炎天下での激しいスポーツは危険ですが、オフィス内の移動時に、階段を使ってみるなどの工夫を心がけましょう。プールでの水泳も、暑さが和らぐうえ、消費カロリーはかなり高いのでオススメです。また、寝る前に軽くストレッチをするだけでも違います。ストレッチは、消費カロリーは少なめですが、ストレッチをくり返し行うことによって筋細胞が増え、筋繊維が長く伸びることにより、代謝を上げる効果が期待できます。

■ リンパマッサージで滞りを解消

冷房の効いた部屋に長時間いたり、運動不足だったりすると、リンパも滞りがちになります。リンパが滞ると体がむくみ、これも夏太りの一因になります。リンパの滞りは、実は自律神経の乱れにもつながるため、さらに夏太りに拍車をかけることに……。すきま時間などを利用して、手のひらで末端から心臓に向けて、やさしくなでるようにマッサージを行うとよいでしょう。

■ 深呼吸で副交感神経を優位に

自律神経は心臓の拍動、血圧、呼吸などをはじめ、身体機能を健全に保つために休みなく働いている重要な神経であるため、基本的に、意識によってコントロールすることはできません。

ところが、唯一これを意識的に手軽に調整できる方法があります。それが呼吸です。拍動や血圧は意図的に変えることはできませんが、呼吸なら調整できますからね。

なかなか優位になりにくい副交感神経を活性化するには、深い呼吸をすることが大切です。1日2回程度、深呼吸を行うだけでも、自律神経のバランスが整っていきますよ。

これらの項目に注意すれば、夏太りはきっと避けられるはずです。意識しながら、夏を元気に快適に過ごしてくださいね。

夏太りにおすすめのツボ

胃腸の働きを整え、代謝を上げるツボ

  • 「胃点(いてん)」耳の中央
    → 胃点を親指で押さえながら耳を引っ張り、上下に動かす
  • 「太渓(たいけい)」内側のくるぶしの後ろ
    → 親指で押しながら足首を回す
  • 足首を上下に動かす
    →「陰陵泉(いんりょうせん)」「三陰交(さんいんこう)」「太渓(たいけい)」
    3つのツボを同時に刺激できる
    ふくらはぎを揉みながら行うとより効果的

夏風邪について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、夏風邪についてです。

夏風邪の原因

冬にひく風邪に対し夏にひく風邪を夏風邪と呼びます。冬風邪を引き起こすウイルスは乾燥を好みますが、夏風邪を引き起こすウイルスは高温多湿を好みます。200種類以上の風邪の原因になるウイルスのうち、・アデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルスが夏風邪を引き起こしやすい原因となります。加えて、夏の暑さや冷房による自律神経の疲弊、睡眠不足、ストレスで免疫力が低下することで夏風邪は長引きます。ウイルスは細菌と異なり鼻や喉の粘膜の細胞に侵入し増殖します。

夏かぜの症状

夏風邪の症状は、いわゆる風邪の症状(喉の痛み・咳・発熱・頭痛・鼻水・悪寒・倦怠感)などや、腹痛・下痢などの胃腸系にも現れます。また、ウイルスには以下のような症状があります。

アデノウイルス

アデノは扁桃腺(喉)やリンパ腺という意味があります。

主な症状

  • 喉の腫れや痛み・高熱・激しい咳・結膜炎(目ヤニ・目の充血)・大腸炎や下痢など

アデノウイルスが原因で起こる咽頭結膜熱は幼児~小学校の子供が多く、夏に入るプールでの感染が多いことから「プール熱」とも呼ばれます。大人が感染すると重症化しやすいので注意が必要です。

エンテロウイルス

エンテロは腸という意味があり、喉から感染し腸の中でウイルスが増殖します。

主な症状

  • 発熱・喉の痛み・鼻水・下痢・腹痛、口内炎など

手足口病やヘルパンギーナを引き起こし、皮膚の発疹を起こすことが特徴です。
幼児・小児の感染が圧倒的に多い病気ですが稀に大人が感染することもあります。

  • 手足口病:手・足・口やお尻、膝などに水疱性発疹がみられ熱は高くありません。
  • ヘルパンギーナ:急な高熱が出る、口内炎や口腔から咽頭への喉の部分に症状が出るのが特徴です。

コクサッキーウイルス

エンテロウイルスの仲間で、主に口腔領域でヘルパンギーナを引き起こし左右対称で小水疱が出るのが特徴です。

主な症状

  • 高熱・喉の痛み・口内炎・食欲不振・頭痛・下痢・嘔吐など

エンテロウイルスと同じく、幼児・小児の感染が圧倒的に多い病気です。

夏かぜの治療

治療としては、症状にあった対処療法と安静療法になります。特にインフルエンザのような簡易検査などは行いません。できるだけ安静にし、栄養や水分、十分な睡眠をとるようにし自然に治るのを待つというのが一般的です。喉や口内炎の痛みを伴うときは、軟らかく刺激の少ないものを中心に食べるようにし水分を補給する

ようにしていきましょう。特に、乳幼児や高齢者は、症状が長引くと体力を消耗し悪化傾向になることがあるので注意が必要です。ウイルス感染には抗生物質はあまり効果がないため高熱や喉の痛み咳などの症状に対しては総合感冒薬や解熱剤を使用していきます。

夏かぜの予防

夏風邪の予防には、外出から帰ってきたら手洗い・うがいをすることです。夏風邪ウイルスは湿気が多い 環境で繁殖しやすいので湿気を取り除くことが大切です。特に睡眠中、人間の身体は200~400ccもの汗が出ます。

布団が湿っているとウイルスを繁殖させる環境になるので室内の除湿を行い、布団にも除湿シートを敷くなどしていきましょう。クーラー等で室内と室外の気温差・湿度差が大きいと自律神経が乱れ体温調節が出来なくなり免疫力が低下します。外出の際には、シャツ等の上着を常に持ち歩き寒暖差による体温低下を防ぎましょう。

夏風邪の対策としてクーラー等をつけた室内での乾燥・脱水を防ぐ為にも水分補給は必須で、特にスポーツドリンクなどの塩分を含むものが効果的です。水分は冷たいものだとお腹を冷やすので常温で飲むようにしましょう。白湯を飲んでお腹を温めるのも効果的です。

おたふく風邪

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)です。

概要

おたふく風邪は正式には流行性耳下腺炎といい、感染力が強い疾患として知られている。唾液を分泌する耳下腺(耳の前から下に位置する)と顎下腺(顎の下に位置する)が腫れて痛み、熱が出る。原因となるのはムンプスウイルスで、特に幼児~小学校低学年くらいまでの小児に多く発症する。「子どもの時に発症すると軽症で済む」などといわれることがあるがこれは正確ではなく、小児でも合併症を引き起こし後遺症が残る可能性がある。発生し得る合併症は無菌性髄膜炎・膵炎・感音性難聴(ムンプス難聴)など。また思春期以降の男性は精巣炎、思春期以降の女性は卵巣炎などが挙げられる。

原因

原因となるのはムンプスウイルスで、ウイルスを持つ人との接触やくしゃみによる飛沫を浴びることなどで感染する。年間を通して感染する可能性があるが、春夏は保育園や幼稚園での集団感染によって流行しやすいといわれている。幼児~小学校低学年くらいまでの小児に多く発症するが、特に4歳以下は感染しやすい。症状が似ている疾患として、耳下腺の腫れを何度も繰り返す「反復性耳下腺炎」があるが、おたふく風邪とは原因となるウイルスが異なる。また、反復性耳下腺炎は熱が出ない、痛みが2~3日と比較的短期間で治まる、人にはうつりにくい、何度も繰り返すなどその症状にも差がある。

症状

原因となるムンプスウイルスが体内に侵入すると、鼻・喉などの粘膜、首などのリンパ節で増殖し、血液によって全身に運ばれて広がる。そして2~3週間の潜伏期間を経て、耳下腺・顎下腺の腫れ、押したときの痛み、飲み込むときの痛み、発熱が起こる。通常こうした症状は、現れ始めから48時間以内にピークに達する。その他に、頭痛・食欲の低下・倦怠感など、風邪と似た症状が見られることもある。なお、おたふく風邪の大きな特徴でもある顔の腫れは、ムンプスウイルスが唾液を分泌する唾液腺に感染することによるものである。ムンプスウイルスが唾液腺に感染すると、唾液腺ではウイルスを排除するために免疫機能が働く。そして結果的に炎症が起こり、唾液腺のある顔周りの腫れが生じる。

検査・診断

基本的には症状から診断され、検査は必須ではない。1度おたふく風邪を発症していると、ほとんどの場合は体内に抗体ができて感染の可能性が低くなるため、過去の病歴が診断の基準の一つになる。ただし過去におたふく風邪の原因となるムンプスウイルスに感染していても、再度発症する可能性はゼロではない。また、過去にムンプスウイルスに感染していても症状が出ない不顕性感染である可能性が3割ほどあり、自覚している病歴だけでは感染の有無が判断できないことも。そのため診断が疑わしい場合や、ムンプスウイルス感染の有無を調べる目的で血液検査を行うことがある。

治療

現時点ではおたふく風邪に効果的な特効薬・治療法はないが、ほとんどの場合1~2週間で自然に完治する。発熱や痛みには、解熱鎮痛剤などを用いて症状を和らげる対症療法を行う。口を大きく開けたり、食べ物を咀嚼したりする際に頬や顎が痛む可能性もあるため、食事はのどごしが良く刺激が少ないものを選ぶ。例えば、少ない咀嚼で摂取できるゼリー飲料、ポタージュスープ、ヨーグルトなどのメニューが適している。高熱時は経口補水液や牛乳などの飲みやすい飲料でこまめに水分補給をして、脱水症状を予防することも大切だ。脱水症状の心配がある場合は、医療機関で点滴を行い予防することもある。顔の腫れや痛みが気になる場合は、保冷剤、冷却シートなどで冷やすことで緩和できる可能性も。また、酸っぱい食べ物は唾液の分泌量を増加させ、顔の痛みが強くなるため避けたほうが良いらしいです。

水疱瘡について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、水疱瘡についてです。

水疱瘡とは?

水疱瘡は、主に乳幼児や児童の時期にヘルペスウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」に初めて感染したときに生じる感染症です。1年中いつでも発症する可能性がありますが、特に冬から春にかけての時期にかけて多く見られます。感染者のうち子供が約90%を占めますが、万が一大人が発症すると重篤化してしまう可能性が高いという特徴があります。

水疱瘡の感染経路は?

感染者が咳やくしゃみをした飛沫を直接吸い込むことで感染する「飛沫感染」と、空気中に漂うウイルスを吸い込むこと感染する「空気感染」、ウイルスが手についた状態で鼻や口を触ることによる「接触感染」など、複数の感染経路があります。保育園や幼稚園で1人でも感染すると、あっという間に流行してしまうほど水痘・帯状疱疹ウイルスは感染力が非常に強いため、注意が必要です。

水疱瘡で現れる症状は?

子供が水疱瘡を発症すると、軽い発熱、頭痛などが見られます。発熱してから2〜3日後には赤い発疹が顔、体に出現し、1週間程度かけて次第に全身へと広がり、強いかゆみを伴う水疱やかさぶたへと変化していきます。

大人が水疱瘡を発症した場合は、子供よりも熱が高く水疱のかゆみも強くなる傾向があり、脳炎や肺炎などを引き起こす可能性があります。水疱・帯状疱疹ウイルスは非常に感染力が強く、100万人に20人の割合で重症化して死に至る恐れがある病気なので、水疱などが全身に現れた場合は一度病院を受診しましょう。

水疱瘡の検査方法は?

水疱瘡は特徴的な症状が現れる病気なので、体に現れている症状を元に発疹や発熱が現れた日などの問診から診断を行います。万が一重症化している場合は、二次感染の可能性などを調べるために必要に応じて血液検査やウイルス検査を行う場合があります。 

水疱瘡の治療方法は?

水疱瘡にかかったときは、現れている症状を緩和させる対症療法を行い、自然に症状が治まるのを待ちます。

水疱瘡は非常にかゆみが強いため、かゆみを抑えるために「抗ヒスタミン薬」や、ウイルスの増加を防ぐために「アシクロビル」という抗ウイルス薬が処方されることがあります。どちらも市販薬ではないため、一度病院を受診して症状に合わせて処方してもらいましょう。

水疱瘡の自宅でのケア方法は?

患部を冷やす

患部がかゆいときは、掻かずに保冷剤をタオルの上から当てて冷やしましょう。かゆいからといって掻きむしると、傷ついた箇所から細菌の二次感染が起きる可能性があるため注意が必要です。掻いてしまったときに皮膚が傷つきにくいように、爪を短く整えておくと良いでしょう。

体を清潔に保つ

体中に水疱ができていても、体調が良ければシャワーを浴びても構いません。ただし、お風呂の水を介して感染がひろがる可能性があるため、入浴は避けましょう。体を洗う際は低刺激の石鹸をしっかりと泡立てて、水疱を潰さないように優しく洗います。体は優しく拭き、使ったタオルを使い回さにようにしましょう。体をきれいにすることで、二次感染を防ぐことができます。すべての水疱がかさぶたになり、医師から許可が出れば再び入浴することができます。 

水疱瘡の予防方法は?

水疱瘡の予防接種を行うと体内に抗体ができるため100%感染を予防することができるわけではありませんが、発症した場合も症状が軽くなるので、予防接種は水疱瘡を予防する上で重要です。水疱瘡は2014年より定期接種になり、生後12ヶ月から生後36ヶ月のうちに2回接種することが推奨されています。その期間であれば、無料で受けることができます。予防接種を行っていても感染する可能性があるので、手洗い・うがいは徹底しましょう。

免疫力について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、免疫力についてです。

外に出たくないと思わせるほどの厳しい寒さの日々ですが、みなさまいかが過ごしですか?風邪などをひかれ、体調を崩したりしていませんでしょうか?まだまだ続く冬の寒さに打ち勝つための健康管理方法をご紹介いたします。寒い季節に体調を崩しやすい原因の一つに、免疫力の低下が考えられます。

免疫力とは

免疫力とは、体を守る力、のことです。普段空気中には多くの細菌やウイルス等が蔓延していますが、免疫力が高ければ、これらに打ち勝てるため病気にならずに済みます。免疫力UPは、生活習慣病予防にもなるともいわれていて、今注目されています!そもそも免疫力は、加齢・運動不足・食生活の乱れ・ストレスや過労・睡眠不足などで低下します。そして特に寒い冬という季節は、体温が下がるため、免疫をつかさどる免疫細胞が活性化できず、免疫力がさらに低下しやすいので、ウイルスに打ち勝てずに風邪などの感染症にかかってしまいやすいのです。免疫力を維持するためにも、体温を保つことはとても重要です。寒い冬でも、免疫力を維持し、風邪にも負けず健康で快適な毎日を過ごせるよう、免疫力を上げるための活動についてご紹介します。

免疫力を上げる活動

①質の良い睡眠

眠っている間は免疫細胞の活動が活発になるため、適切な睡眠は免疫力が上がります。睡眠不足や睡眠障害は逆に免疫力を下げてしまいます。毎日の睡眠時間が確保できるような予定を立てられるといいですね。

②禁煙

たばこを吸うと酸素を体に送れず酸欠状態となり、栄養を送れない・老廃物を回収できない事態となり、免疫力が低下します。生活習慣病の発症リスクも増大させ、体にいいことがありません。

③バランスの良い食事

一番大切なのは、3食きちんと「ごはん・肉魚・野菜」のバランスのとれた食事をとることです。ここでは免疫細胞を活性化するといわれている食材をご紹介します。<例>ヨーグルト、玄米、バナナ、にんにく、レバー、納豆、さば、しょうが、パプリカ、緑茶、ほうれん草、豆腐、しいたけ、れんこんなど。

④適度な運動

運動で筋肉を動かすことで体温を高められ、血流がよくなり代謝も上がります。また、運動により免疫細胞が活性化するため免疫力が上がります。激しい運動である必要はありませんので、散歩や体操など体を動かす習慣をつけられるといいですね。

⑤笑う

笑うと免疫細胞が活性化するという研究データがあります。またストレスも減少するといわれています。おもしろい話やゲーム、テレビ等、ご自身の趣味に合わせてぜひ笑いの多い生活を。

⑥体温の維持

寒い冬は体温が下がりがちになります。ぜひ首・手首・足首を冷やさないように、温かいかっこうでお出かけください。また、温かいものを飲んだり、入浴したり、からだの中から温めることも重要です。

⑦ストレスの解消

ストレスがかかると、自律神経と呼ばれる、呼吸や体温、血管、内臓などの働きを調整している神経のバランスが崩れることなどから免疫力の低下が起こります。「病は気から」と言われているように、ストレスは万病の元です。ストレスをため込まないように

肩こりについて

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、肩こりについて書きたいと思います。

肩こりは首や肩の周囲の筋肉が極度に緊張、疲労することにより、血液循環が悪くなるために引き起こされます。筋肉は太い1個の塊(かたまり)のように見えますが、じつは数百、数千といった筋線維(せんい)がまるで袋に入ったそうめんのように集まっていて、その中に血管や神経が通っているのです。

筋肉は弛緩(しかん)と緊張(収縮)を交互に繰り返しており、弛緩するとき栄養や酸素をたっぷり含んだ血液を取り込み、緊張するときには筋肉の運動で生じた老廃物を静脈の流れに捨てるという作業を行っています。ところが、長時間同じ姿勢をしているなど、緊張だけが長く続くと、筋肉はパンパンに腫れ上がり、中を走っている毛細血管が圧迫されて、うっ血が起きます。そうすると新鮮な血液が筋肉に行き渡らなくなり、うっ血した血液の中に老廃物がどんどん溜まってしまいます。

この溜まってしまった老廃物がこりや痛みを引き起こす発痛物資になります。しかも、そのままにしおくと、この発痛物資がさらに筋肉の緊張を高めてしまうので、症状がさらに悪化します。

肩こりを起こしやすくしている要因は、3つ考えられます。その1つは、体格です。たとえば、なで肩や首が細く華奢(きゃしゃ)な人は首や肩の筋肉が弱いために、筋肉疲労を起こしやすいのです。腕をぶらりと下げていると腕の重さで肩が下のほうに引っ張られて、肩の筋肉は緊張します。机やテーブルの上に肘をつくか、肘掛け椅子に座るようにすると、だいぶ肩の緊張は和らぎます。

2つ目の要因は姿勢です。デスクワークや手芸などで長時間猫背の姿勢でいると、肩や首の筋肉が緊張するので肩こりが起きやすくなります。長時間の作業の場合は、ときどき姿勢を整え、ストレッチ体操をするといいでしょう。

3つ目の要因はストレスです。ストレスを感じ続けることで、肩や首の周りの筋肉が常に緊張して肩こりを引き起こします。多くの人の肩こりは多かれ少なかれストレスが関与しています。適当な息抜きと就寝前にぬるめの湯にゆったりとつかって、全身の筋肉をリラックスさせることも効果的です。

風邪について

こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、風邪についてです。

風邪をひかない生活習慣!

気温が下がり、空気が乾燥してくると、くしゃみや鼻水、咳などの症状が見られる風邪をひく人が増え始めます。風邪の多くはウイルス感染によって人から人へとうつります。風邪をひきおこすウイルスは200種類以上もあり、感染するウイルスの種類や型が異なるたびに風邪をひくことも少なくありません。風邪予防にはウイルスにさらされないこと、ウイルスに負けない抵抗力をつけることが大切です。

風邪を防ぐ対策と生活習慣

ウイルスにはこうして感染する

感染ルートには、ウイルスの付着した手を介して、口や鼻の粘膜から感染する「接触感染」、風邪をひいた人の咳やくしゃみによってウイルスを含んだ小粒子(飛沫)が飛び散り、それを吸い込むことによる「飛沫感染」、さらに咳やくしゃみの飛沫の水分が蒸発して空気中に浮遊したウイルスを吸い込むことによる「空気感染」があります。

こうしたことから、風邪の予防には「こまめに手洗いをする」「マスクを着用する」「症状の出ている人に近づかない」ことが基本です。

また、同じ環境で過ごしていても、体力や抵抗力が低下している人はウイルスに感染しやすくなります。風邪に負けない身体づくりのために、次のことを実践しましょう。

  • しっかり睡眠をとる…睡眠は体力や身体の機能回復に欠かせません。
  • 十分に栄養をとり、適度に運動する…免疫力を高めるためには十分な栄養が必要です。風邪予防には、免疫物質のもととなる「たんぱく質」、免疫力を高める「ビタミンC」、粘膜を丈夫にしてウイルスの侵入を防ぐ「ビタミンA」を積極的に摂りましょう。また、適度な運動は風邪に負けない体力づくりや、免疫力の向上に役立ちます。
  • なるべく薄着を心がける…厚着は気温の変化に身体が順応する力を弱めて、抵抗力の低下につながります。

風邪をひいてしまったら…

  • まず、十分な休養と睡眠をとりましょう。
  • ウイルスにより胃腸が弱っている時は、おかゆなど温かく消化が良いものを食べましょう。
  • 発熱や炎症があると体内の水分を消耗します。水分補給を十分に行いましょう。
  • 体力も消耗しやすいため、たんぱく質や糖質などでエネルギー補給をしましょう。

インフルエンザ対策も十分に

通常の風邪のほか、インフルエンザが流行り出すのもこの時期です。風邪の症状は進行もゆるやかで、症状も鼻やのどを中心とした上気道に起こり、発熱しても38度と比較的軽度です。一方、インフルエンザは感染して1~3日の潜伏期間後、突然38度以上の高熱や全身の倦怠感、食欲不振の全身症状が強くあらわれるのが特徴です。

インフルエンザウイルス対策には、通常の風邪対策以外に湿度管理も大切です。加湿器を使って50~60%の湿度を保ちましょう。

なお、ワクチンの接種も有効です。インフルエンザは例年12~3月頃に流行します。接種効果が現れるまでに2週間程度かかるため、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとされています。接種には、発病する可能性を低減させる効果と、インフルエンザにかかった時の重症化防止に有効とされています。

風邪とインフルエンザの違い

原因となるウイルス

【風邪】コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど多様
【インフルエンザ】インフルエンザウイルス

発症時期

【風邪】一年を通じて発症する
【インフルエンザ】冬季に流行

症状の傾向

【風邪】上気道症状があらわれ、ゆるやかに進行する
【インフルエンザ】全身症状があらわれ、急激に進行する

肝臓について

こんにちは安井鍼灸整骨院です。今回は、肝臓です。

“沈黙の臓器”といわれる肝臓

肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれています。たんぱく質・脂質・糖質などの栄養素を体内で使える形に変えて蓄える「代謝」、薬・アルコール、老廃物などの有害な物質を分解して無毒化する「解毒」、脂質の消化・吸収を助ける働きのある「胆汁の生成と分泌」などの役割があります。

このように肝臓は重要な役割を担っていますが、何らかのダメージを受けていたとしても自覚症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」ともいわれています。そこで、健診を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要になります。

肝機能の数値に異常があっても症状がないからといって放置すると、肝炎や脂肪肝から、肝臓が硬くなり肝機能が低下する「肝硬変」、さらには「肝臓がん」へと進行することもあります。

肝臓の大敵はウイルス・アルコール・肥満

肝臓にダメージを与える大きな要因として、「肝炎ウイルス」「アルコール」「肥満」があります。

肝炎ウイルス

日本人の肝臓の病気の主な原因となっているのは、肝炎ウイルスの感染によるB型肝炎とC型肝炎です。近年、ウイルス性肝炎の治療法が進歩し、早期発見して適切な治療を受けることで、進行を抑えたり、治すことも可能になってきました。「肝炎ウイルス検査」を一度も受けたことがない人は必ず受けましょう。

アルコール

お酒の飲み過ぎが長期間続いていると、アルコールを分解する肝臓に負担がかかり続け、肝臓の病気が起こりやすくなります。多くは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「アルコール性脂肪肝」になり、お酒を飲み続けていると腹痛・発熱・黄疸などの重篤な症状があらわれる「アルコール性肝炎」になり、死亡するケースもあります。さらに進行すると、肝硬変となり、肝臓がんのリスクが高まります。

肥満

肝臓の病気というと“お酒の飲み過ぎ”と思いがちですが、お酒を飲まない人も注意が必要です。肥満・食べ過ぎ・運動不足などにより、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する「非アルコール性脂肪肝」が起こります。「非アルコール性脂肪肝」から肝臓に炎症が起こった状態の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」になると、肝硬変や肝臓がんに進行するリスクが高いことがわかっています。

●肝機能を改善する生活習慣

食事でとったエネルギーが消費量を上回ると、肝臓で中性脂肪が多く作られ、脂肪肝になりやすくなります。肝機能を改善するためには、肥満につながる食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足にならないように心がけることが大切です。

肥満を解消する

肥満の人は減量し、適正体重をめざすことが第一です。肥満の原因となる食べ過ぎに注意し、腹八分目を意識しましょう。

糖質・脂質を控える

甘いお菓子やジュース、ごはんなどの糖質は、エネルギーとして使用されなかった分が中性脂肪として蓄えられます。肉の脂や揚げ物などの脂質もとり過ぎると、中性脂肪として蓄えられるため、控えめにしましょう。

たんぱく質・ビタミンをとる

肝細胞の修復や機能回復に必要なたんぱく質をとりましょう。ただし、とり過ぎるとエネルギーが過剰になるため、青魚や鶏ささみ、豆腐、卵などを適量とりましょう。また、肝機能が低下するとビタミンが不足するため、ビタミンEを多く含む緑黄色野菜(モロヘイヤ、かぼちゃなど)やナッツ類(アーモンド、落花生など)を十分にとりましょう。

アルコールは控える

アルコールは肝臓での中性脂肪の合成を促進し、脂肪肝を悪化させるため、できるだけ控えましょう。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量として、1日あたりの純アルコール量は男性40g以上、女性は20g以上としています。飲む場合は、男性は40g、女性は20gまでにとどめましょう。

純アルコール20gの目安

ビール
中びん1本(500mL)

日本酒
1合弱(160mL)

チュウハイ
350mL缶1本(350mL)

ワイン
グラス2杯弱(200mL)

ウイスキー
ダブル1杯(60mL)

習慣的に運動する

肝臓にたまった中性脂肪を減らすよい方法が運動です。1日30分を目標に、ウオーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣にしましょう。筋肉量が多いと脂肪が燃焼されやすくなるため、スクワットなどの筋力トレーニングを加えるとさらに効果的です。