有痛性外脛骨

「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」とは、成長期にある小学生後半から中学生にかけて多く見られるスポーツ障害のひとつで、舟状骨(しゅうじょうこつ)という足の骨が出っ張ってできる「過剰骨」を指します。

「外脛骨」の別名は「副舟状骨」とも呼ばれます。また、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」は男性よりも女性に多く、片足よりも両足に発生する頻度が高いというデータもあります。

「外脛骨」自体は病的とは判断されませんが、運動や負荷がかかり、痛みが発生すると、「有痛性外脛骨症(ゆうつうせいがいけいこつしょう)」もしくは「疼痛性外脛骨(とうつうせいがいけいこつしょう)」として治療が必要になります。出っ張った骨は、元に戻ることはなく、出っ張りをなくすには、手術による除去を行うこととなります。通常は、保存療法となることが多いです。安静により痛みは軽減し、運動量の増加に伴い、痛みも増強し、後脛骨筋付着部の炎症が起こるため、足部のアーチが低下し、「外反扁平足」を合併しやすいと言われています。また、「痛みの場所がくるぶしの外側」、「足首の前側の真ん中」など他の場所である場合、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」ではなく、「離断性骨軟骨炎」や「衝突性外骨腫」の場合も考えられます。

いずれの場合もまずは一度、ご相談ください。

「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」の痛みの原因は主に4つと考えられます。

  1. 外脛骨の隆起部分が靴等で圧迫される
  2. 後脛骨筋の腱部が骨との付着において、うまく作用しないことで起こる扁平足による中足部(足の指の付け根~足首までの間の部分)の痛み

③後脛骨筋の何らかの問題による炎症④外脛骨と舟状骨との線維性軟骨結合に外傷等が加わって断裂して起こる骨軟骨部の炎症

以上のように分類されます。

また、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」は外脛骨の形状によってタイプが3つに分けられており、その判断はレントゲン検査などの画像診断によって判断されます。

タイプⅠ:外脛骨自体が小さく、舟状骨から分離して後脛骨筋腱の中に含まれる

タイプⅡ:舟状骨粗面と線維性もしくは線維軟骨性に結合して後脛骨筋付着部の一部となっている

タイプⅢ:舟状骨と骨癒合し、外脛骨が突起となっている以上の3タイプに分けられます。通常、症状をきたすものはタイプⅡと言われています。

ここまで、痛みの原因についてお話してきましたが、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」の誘因になりやすい特徴についてお話します。

運動時や歩き方等で「内股になりやすい」「扁平足である」「反り腰である」「体重がつま先に過剰に乗る」

また、このような身体の使い方の特徴が見られる場合、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」以外にも、外反母趾や膝の外傷など他のケガを招きやすい側面もあります。

「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」の症状がない、成長期ではない場合でも、身体の使い方について確認・改善をお考えの方は、一度ご連絡ください。

「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」は放置をすると、痛みや腫れ等の炎症反応が引かず、骨の出っ張りが大きくなったり、日常生活でも痛みが出現し、運動やスポーツがままならない程の痛みに増強します。

かばうことで膝や腰など他の部位に痛みが出ることもあります。また、成長期に見られる疾患ですが、痛みの慢性化によって、成長期を過ぎた段階でも痛みを伴うこともあります。痛みの緩和に関して、安静や整骨院や整形外科などで治療することが通常ですが、治らない、悪化する場合、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」の状態によっては手術による外脛骨の除去が必要になる場合があります。

「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」は慢性化すると、運動をしなければ痛みが落ち着き、運動を開始するとまた痛み出すことが多く見られます。運動やスポーツを続けるためには、身体の使い方を改善していくことが必要です。そのために、まず痛みの軽減(炎症の鎮静化)が第一ステップとなります。第二ステップとして、動きの改善があります。第二ステップの前期には日常生活で必要となる基礎的な動きの改善、第二ステップの後期では運動やスポーツ時に必要となる動きの改善をしていくことが目標となります。第三ステップとして、今まで以上のパフォーマンス発揮・向上のためのトレーニングとなります。第一ステップの炎症の鎮静化について、セルフケアが重要となりますが、運動後など痛みが増強している場合はアイシングが基本的な処置となります。アイシングの詳細、その他にも方法がありますが、専門家の指導を要しますので、ここでの説明は割愛させて頂きます。第二ステップ、第三ステップの動きの改善について、身体の使い方にはそれぞれ“くせ”があります。そのため、必要な動きの改善のためのエクササイズやとトレーニングは「苦手な動き」を改善することがキーポイントとなります。「苦手な動き」を改善することで、「有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)」の痛みの軽減に繋がるということです。

痛みがある場合は、まず炎症反応の鎮静化が最優先で必要な処置となります。炎症反応は身体の治癒過程で必要な反応となるので避けられないことですが、炎症反応をより早く終わらせるために、治癒促進と鎮静化に優れたコンビネーション治療により出来るだけ早い痛みの軽減を行います。従来の処置では、氷のうなどアイシングや鍼灸施術などが一般的ですが、冷やす時間や鍼灸の施術時間を考慮すると、短時間で効果が出やすく、痛みが強い場合のストレスも軽減可能です。また、マッサージやストレッチなどの手技、鍼灸施術なども併せてできますので、いち早く痛みの軽減を一緒に目指していきましょう。

施術可能です。骨の出っ張り等見られなくとも、痛みがある周辺で炎症が起きていると考えられます。症状の確認し、必要な施術をご提案致します。また、もし必要があれば整形外科やその他医療機関へのご案内も致しますので、「何かわからないけど痛みがある」、「違うかもしれないけれど、そうかもしれない」など不安な点やお困りの際はすぐにお電話にてご相談ください。

安井鍼灸整骨院では、状態に合わせて専用のサポーターの案内や、テーピングの巻き方をお伝えしております。お困りの際はお気軽にご相談ください。