リスフラン靭帯損傷

リスフラン関節は足の甲の関節で、その関節を繋ぎ止めている靭帯が損傷することをリスフラン靭帯損傷といいます。足の捻挫ではありますが、一般的な足首を内に捻った捻挫とは受傷の仕方や痛みの部位が違います。
主につま先重心の時に過度な力が加わることで、足の甲にある骨と中指の骨を繋ぎ止めている靭帯が損傷・断裂し骨の連結が緩みます。特に体操・剣道などジャンプ・着地や繰り返しのつま先での踏み込みを行うスポーツで受傷しやすいほか、繰り返し重い荷物を運ぶ仕事をしている方やハイヒールを多用する女性も受傷する可能性があります。

リスフラン関節の損傷は、足に軸圧の外力が加わることで多く発生します。裸足やそれに近い状況で行われる競技や、スパイクシューズを着用する競技で起こりやすいです。例えば、ジャンプや走行時につま先で着地に失敗したり、踵が上がっている状態で後ろから足に乗られたりした時に生じます。

足の甲の腫れと痛みが特徴的です。通常の捻挫よりも強い痛みを訴える場合が多く、踵を使っての歩行は可能でも、痛みによって前足部に体重をかけることが困難になります。損傷が足の裏側にも及ぶ場合は、足の甲だけでなく足の裏部分にも腫れや痛み、さらには皮下血腫が見られることがあります。

足関節を内に捻る一般的な捻挫とは異なり、足に軸圧方向の外力が加わって受傷し、足背の腫れと疼痛が見られ、前足部に体重をかけることが難しい状態であれば、リスフラン靱帯損傷を疑います。ダメージが強い場合には、リスフラン靱帯部だけでなく、より外側のリスフラン関節にも損傷が及びます。さらに損傷が底側靱帯にまで及ぶと、足底に出血斑と圧痛が見られます。

X線撮影でリスフラン靱帯損傷のような不安定性を評価するためには、荷重撮影が必要です。撮影時には、健康な方の足も一緒に撮影し、左右の差を評価します。荷重正面像では、第1と第2中足骨間の距離を測定し、その開き具合を確認します。荷重側面像では、内側楔状骨の下端と第5中足骨基部の距離を計測し、足のアーチの低下を評価します。疼痛により十分に荷重をかけることができない場合は不安定性を過小評価してしまうことがあります。その場合は、X線像を定期的にチェックし、第1、2中足骨間の離開やリスフラン関節の形態に変化がないか確認することが大切です。CTについても、左右の比較を行うために両側を撮影します。第1、2中足骨間および内側・中間楔状骨間の開大を評価し、骨折の有無も確認します。特に、底側靭帯付着部の剥離骨折(Fleck sign)が見られる場合は、不安定性が強い可能性が高いと考えられます。

  • アイシング
    炎症を抑えるためにアイシングを行います。
  • 超音波治療
    患部に超音波という細かい振動を当て、血流を良くし、治癒促進していきます。
    超音波治療を行うと3〜4割程度早く治ると言われています。