こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、不妊とストレスについてです。
妊活中に感じるストレスは、心身の健康に大きな影響を与えることがあります。特に、ストレスによってホルモンバランスの乱れや自律神経の不調を起こし、妊娠の可能性を下げることも。
⑴なかなか妊娠につながらないことへの焦り
妊活が長引くと、妊娠できないことへの焦りが日に日に増し、大きなストレスとなります。絶対に妊娠できる不妊治療は存在しないため、「この不安がいつまで続くのか……」と見通しが立たず、精神的に不安定になるケースもあるでしょう。努力と結果が結びつかないことで焦る場合も多くあります。
食事管理や体調管理、不妊治療などさまざまな努力を重ねても、思うような結果が出ないことが続くと、やる気が出なかったり、しんどい気持ち、やるせない気持ちになったりすることもあるでしょう。
⑵仕事との両立で悩む
妊活と仕事の両立も、大きなストレスの原因になり得ます。
不妊治療を行う場合、治療法によっては月に何度も通院しなければなりません。採卵のタイミングによっては急に休暇を取らなければならず、その度に気を遣ってストレスが溜まることもあるでしょう。
また、不妊治療と仕事を両立させるのは、妊活に理解のある会社でないとなかなか難しいといえます。妊活に理解のない会社の場合、働きづらくなって最終的に退職しなければならないケースもあるでしょう。
しかし、不妊治療には多額の費用がかかるため、そう簡単に仕事を辞められるわけでもありません。そのため、不妊治療と仕事の板挟みになり、大きなストレスを抱える可能性があるでしょう。
周りからの何気ない言葉
妊活中には、周囲からの何気ない言葉がストレスとなることもあるでしょう。
例えば、「まだ妊娠しないの?」といった言葉は、周りからすれば何気ない質問かもしれませんが、本人は責められたように感じる場合もあります。また、SNS等で他の人の妊娠報告を見て、意図せず傷つくこともあるでしょう。
このような発言や状況に直面すると、妊娠できない自分に対して罪悪感を覚えたり、自己嫌悪に陥ったりする可能性があります。
(3)不妊治療の費用
不妊治療にかかる費用も、妊活中にストレスを感じる原因の一つです。不妊治療にかかる費用は、治療の種類によっては高額になることがあります。
特に、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療を行う場合、1回の治療費が数万円から数十万円に及ぶことも。妊活が長引くにつれて経済的な負担が増すため、「このまま治療を続けていいのだろうか…」と焦りや不安を感じやすくなるでしょう。
また、不妊治療には保険適応が受けられるものもありますが、年齢や治療回数に制限がある場合があります。そのため、期間や回数の間に結果を出さなければならないプレッシャーから、ストレスが溜まりやすくなるのです。
(4)妊活中のストレスが妊娠に与える影響
妊活中にストレスを感じると、妊娠に次のような影響を与える可能性があります。
ホルモンバランスが乱れる
妊活中にストレスを感じると、「コルチゾール」や「プロラクチン」といったストレスに関連するホルモンが増加し、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
これらのホルモンは、女性ホルモンの分泌を抑制する作用があるため、排卵のタイミングがずれたり、月経不順が起こったりする可能性があるのです。
排卵のリズムが乱れたり、月経不順になったりすると、妊娠に適したタイミングがわかりにくくなり、結果的に妊娠確率が下がる可能性もあるでしょう。
自律神経が乱れる
自律神経が乱れるのも、妊活中のストレスによって起こりうる影響の一つです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらのバランスが悪くなると心身のさまざまな不調を引き起こし、妊娠のしやすさに影響する可能性があります。
そのため、妊活を成功させるためには、自律神経がきちんと整っている方が望ましいです。
しかし、ストレスのある状態が続いていると交感神経と副交感神経が正常に働かず、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると、以下のような不調を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ホルモンバランスが乱れる
手足が冷える
便秘気味になる など
自律神経が乱れると血流が悪くなり、子宮や卵巣の働きを悪くします。そのため、ストレスによって自律神経が乱れると、受精や着床がスムーズに進まなくなる可能性が考えられるのです。
また、自律神経の乱れは体全体の健康状態にも影響を及ぼすため、妊活中の女性にとって自律神経のバランスを保つことは非常に重要といえるでしょう。
ストレスをケアするためにできること。日常生活でできる対策
定期的な運動
ストレスをケアして妊娠を助けるためには、定期的な運動をおすすめしています。特に筋トレに取り組むとよいでしょう。筋トレをすると成長ホルモンが出て、卵子の成長にもつながります。糖代謝が改善して卵子の質がよくなった方もいます。また、体の血流がよくなるので血流に乗ってホルモンの流れもよくなります。
自律神経を整えるヨガもおすすめです。心と体、両方のバランスを整えることができるでしょう。また、体幹や太ももを鍛えるスクワットも効果的だと思います。ゆっくりとスクワットをすると、少ない回数で筋トレになるのでおすすめしています。
排卵日の後に“着床しやすいように”と動かずにじっとしているという方もいらっしゃいますが、「むしろどんどん運動したほうがいいですよ」とお伝えしています。
食事
食事は、バランスよく取ることをおすすめしています。特に月経量が多い方は鉄分不足になりやすいので、鉄分をしっかり取ることができる食事が大切です。鉄分が少ないとうつ状態になりやすくなり、さらに強いストレスを感じるようになるという悪循環に陥ってしまうこともあります。
また、妊娠を目指すためには、鉄分、葉酸、ビタミンDなどが豊富に含まれている食事が大切です。これらの栄養素は不妊治療中だけでなく妊娠してからも必要になりますので、どうしても不足してしまうという場合はサプリメントなどを上手に活用して補うよう心がけましょう。
鍼灸治療やマッサージ・アロマ
ほかにも、鍼灸やマッサージを受ける方法もあります。心と体を癒やすことで、ストレスが和らぐと思います。また、ストレスで気分が落ち込んでいる方にアロマの香りを少し嗅いでいただくと、表情が急にパッと明るくなることもあります。
このように、ストレスをケアするためにさまざまな選択肢があるので、自分に合う方法を見つけていただきたいと思います。