安井鍼灸整骨院です。今回は、不妊と関節リウマチについてです。
妊娠率が低下するメカニズム
①原因不明不妊/排卵障害の頻度が高い
②慢性炎症が卵巣機能に影響する可能性
③高疾患活動性・ステロイド高用量がTTP延長と関連
こうした所見から、「炎症を抑えるほど妊孕性が保たれる」ことが示唆されます。
関節リウマチ患者さんの不妊要因としては、医学的検査で説明がつかない「原因不明不妊」や排卵障害が多いことが報告されています。ある研究では、関節リウマチ患者さんの不妊の原因は原因不明48%・無排卵28%であり、いずれも一般不妊患者で報告される割合より高い値でした。
一般集団では不妊カップルの8~28%が原因不明不妊とされます。関節リウマチ患者さんで原因不明不妊が多いことは疾患そのものに起因する要因(例えば慢性炎症や自己抗体など)が妊孕性に影響している可能性が検討されていますが、まだ原因ははっきりしていないのも現実です。同様に疾患活動性が高かったり妊娠前後にプレドニゾロンなどステロイドを使用している場合も、妊娠までの期間が延びる関連が報告されています。ですが、これらのことから、関節リウマチに治療では、疾患活動性を適切にコントロールすることが妊孕性確保に重要であることを示唆しています。
また、関節リウマチ患者さんでは『早発卵巣不全(POI:40歳未満で卵巣機能が枯渇する状態)」の合併が一般より高い可能性も指摘されています。自己免疫疾患である関節リウマチは、他の自己免疫疾患(甲状腺疾患や1型糖尿病など)と同様に早発卵巣不全と関連しうる疾患の一つとも考えられています。早発卵巣不全になると月経異常や卵子数の著減によって不妊となるため、RA患者では若年~壮年期に卵巣機能低下が起こるケースに注意が必要です。
関節リウマチ患者さんの自然妊娠率(リウマチがあると妊娠しづらいですか?)
関節リウマチ患者では自然妊娠のしにくさ(妊孕性の低下)が報告されており、希望する子供の数を持てない、あるいは出産経験のない女性が健常者より多い傾向があるとされています。
具体的には、避妊せず1年以上経っても妊娠に至らない割合(不妊率)が関節リウマチ患者では36~42%と高く、一般女性の約10~17%よりも多いという統計があります。
IVF 成功率
体外受精(IVF)の胚移植1回あたり妊娠率は30–40%で一般不妊患者と同等で、関節リウマチ患者さんでは不妊治療の利用率が高いものの、治療を受けた場合の妊娠率は他の不妊症患者と比べて遜色ないか、むしろ良好な傾向すら示されています。オランダの研究(PARA研究)によれば、関節リウマチ患者さんが不妊治療を受けて妊娠に至った率は一般の不妊患者より高かったとされ、著者らは「RA患者における不妊治療の成果は良好である」と結論しています。
RA患者が体外受精(IVF)など生殖補助医療(ART)を受けた場合の成功率は、適切な条件下ではおおむね一般不妊患者と同等であると報告されています。
人工授精(IUI)についても、RA患者36人に178サイクル行った結果、周期あたり妊娠率11%であり、一般的な人工授精成績(約5~15%/回)と同程度でした。こうしたことから、関節リウマチそのものが卵子の受精能力や胚の着床率を著しく低下させるエビデンスはなく、適切な不妊治療を行えば妊娠は十分期待できるといえます。
一方で、デンマーク全国コホートでは生児獲得率がやや低下(OR 0.78)したとの報告があります(5)。胚着床過程に影響する可能性が指摘されています。
関節リウマチ患者さんの妊娠出産の年代別の統計・傾向
RA患者の妊孕性や妊娠率は年齢による影響が大きく、基本的には一般女性と同様の加齢に伴う低下傾向を示します。RAは20~40代の女性に好発するため、多くの患者が妊娠を望む年齢層に属します。年代別の特徴や統計は以下のとおりです。
20代
一般に20代は女性の妊孕性が最も高い時期ですが、関節リウマチ患者さんがこの年代で発症した場合でも多少の妊孕性低下が起こり得ます。実際、関節リウマチ患者さんで初めて不妊に直面した時の平均年齢は約29歳との報告があり、20代後半から妊娠の難しさを感じる患者がいることがわかります。ただし20代前半では関節リウマチ患者でも比較的自然妊娠しやすく、多くは適切な治療下で計画的な妊娠が可能です。そのため、国際的には若年発症関節リウマチでは、疾患が落ち着いているタイミングで早めに妊娠出産を検討することが勧められています。
30代
関節リウマチ患者さんの妊娠は30代に集中する傾向があります。関節リウマチ自体の好発年齢が30歳前後であるため、発症後寛解導入できた30代前半までに出産を希望するケースが多いからです。30代前半では妊孕性はまだ保たれますが、35歳を過ぎると急速に自然妊娠率が低下します。関節リウマチ患者でも35歳を境に不妊治療への依存度が上がり、実際に>35歳の患者ではIVFや人工授精の成功率が低下する報告が多いです。先述のとおり、35歳超のRA患者でのIVF妊娠率は約19%/回と若年層に比べ低くなります。これは年齢要因によるものが大きく、一般不妊患者と同様の傾向です。30代後半のRA患者では流産率の上昇も懸念されるため、この時期までに妊娠しておきたいと希望する患者が多いのが実情です。
40代
40代では関節リウマチ患者さんに限らず自然妊娠の確率が低くなります。健常女性でも40歳時点で不妊のリスクは大幅に高まりますが、関節リウマチ患者さんではそれに加えて早発閉経のリスクや長年の抗リウマチ薬使用歴といった要因が重なり、40代での自然妊娠は稀になってきます。統計的には、関節リウマチ患者さんの妊娠例の大半は20~30代で占められており、40代で初産に至った報告は少なめです
鍼灸治療
数千年前から行われていると言われる鍼灸治療。鍼灸治療のリウマチに対する治療の歴史は長く、数千年前にもリウマチを患っていた方へ鍼灸治療が行われていました。鍼灸治療でお身体全体の調整をすると
- 老廃物を外へ出す。
- 自律神経のバランスが安定する
- ホルモン分泌のバランスが安定する
- 自然治癒力が上がる
- 心身のリラックスになる
などの効果があり、リウマチの症状を悪化させてしまう要因を取り除くことができます。
上記の効果を上げることができれば自然と免疫の暴走が起こらなくなる。
炎症体質が改善され痛みが出づらい体になる
身体全体が軽くなる
といったようなお身体の変化が期待できます。
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