こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、不妊と喫煙についてです。
タバコには、血流を悪くしたり、血管の老化を早める「ニコチン」、酸素運搬を妨げる「一酸化炭素」のほか、約40種類の発ガン物質が含まれています。これらの有毒物質は、卵子や精子の質を悪くしてしまうので、喫煙している夫婦では、不妊症が増加します。また、妊娠したとしても、流産や子供の病気のリスクが高くなります。
たとえば、子どもの奇形(先天異常)がおきたり、脳の異常(知能低下、発達障害など)、その他の病気の発生(喘息、糖尿病、アトピー性皮膚炎、将来の不妊など)、さまざまな異常の発生率が高くなることがわかっています。
リスクの発生率は、タバコの本数と喫煙年数に比例して増加します。健康な赤ちゃんを産むために、すぐに、夫婦で禁煙しましょう。
女性の場合
- 卵巣機能を低下させ、女性ホルモンの分泌が減少します。
- 卵巣年齢が5~10歳老化し、閉経を5~10年早めます。
- 卵子の質が悪くなる(卵子の老化)
質が悪くなると → 染色体異常の卵子が増加します → 受精率・着床率が低下し、流産率の増加、異常児の増加が生じます。 - 受精卵の着床に重要な「子宮内膜」が薄くなってしまい、妊娠しにくくなります。
- 子宮や卵巣の血管が細く固くなり(動脈硬化)、血流がわるくなり、妊娠しにくくなります。
- 子宮外妊娠のリスクが高まります。
- 一般不妊治療や、体外受精を行っても、成功率が半分に低下する。流産率が高くなります。
(質の良い卵子が採れない。受精率、着床率が悪くなります。)
男性の場合
- 精子の数が減り、運動率も低下します。
- たとえ、見た目の数が正常でも、精子の受精能力が低下してしまいます。
- 精子の質の低下 → 精子の遺伝子に傷がたくさんついてしまう。傷ついた遺伝子は、赤ちゃんに受け継がれ、流産や死産、胎盤の異常、赤ちゃんの病気などをひき起こすリスクがあります。
子供への影響
- 未熟児(低体重児)の増加
- 先天奇形の増加 → 無脳児・小頭症・水頭症・四肢欠損・多指症・合指症・無指症
- 病気の発生 → 糖尿病・アトピー性皮膚炎・喘息・斜視・弱視・心臓の異常
- 知能低下
- 性格の異常
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)の増加
※喫煙本数が多く、喫煙期間が長いほど影響は大きくなります。
タバコをやめることが不妊に与えるメリット
禁煙は、健康面や美容面でのメリットが数多く語られていますが、特に妊娠を望むカップルにとっては、その効果が顕著に現れることがあります。タバコをやめることで、女性と男性双方の生殖機能が改善され、妊娠の確率が向上することが研究で示されています。この章では、タバコをやめることが不妊に与える具体的なメリットについて解説します。禁煙の意義を理解し、健康な妊娠を目指すために、今すぐ行動に移すことが大切です。
女性の場合
- 妊娠しやすくなる
- 禁煙によって卵子の質が改善され、妊娠率が上昇することが報告されています。また、子宮内膜の発達や排卵障害のリスクも減少します。
- 妊娠後の合併症のリスクが減る
- 禁煙により、妊娠中の喫煙が引き起こす子宮内膜の発達不全や子宮血流の低下が改善されるため、妊娠後の合併症のリスクが減少します。
男性の場合
- 精子の質が改善される
- 禁煙によって精子の数、運動性、形態が改善されることが報告されています。また、酸化ストレスが減少し、精子のDNA損傷のリスクも低下します。
- 生殖機能の回復
- 禁煙により、生殖機能が回復し、妊娠率が上昇する可能性があります。
まとめ
不妊治療中はできる限り喫煙を控えた方が良いことに変わりはありません。
喫煙者の方にとって、禁煙することは大変お辛いことであると思いますが、どちらか一方が喫煙者であれば、その隣にいる大切なパートナーもまた受動喫煙者として体内に影響を及ぼしてしまう可能性があります。不妊治療は、不妊の原因がはっきりしないことも少なくない中で、1%でも確率を高めようと、患者さまはもちろんですが、私たち医療関係者も全力で取り組んでいます。〔禁煙〕も立派な不妊治療の1つと言えるのではないでしょうか。
意識していくことが第一歩だと思いますので、未来のお子様のために、禁煙にむけてまずは徐々に本数を減らすところからスタートしてみませんか?