母子ともに健康な妊娠・出産のためにはお母さんの身体と心の健康がとても大切です。排卵を促すLH(黄体形成ホルモン)、健康な卵子、着床に適した子宮内膜など、妊娠出産に不可欠な条件を支えるのはお母さんの心身の状態であるからです。男性不妊の場合も、心身の健康が健康な精子につながります。このような心身の状態を整えるにあたって、鍼灸は大変有効な治療方法です。着床しやすい身体を作るお手伝いを致します。
鍼灸治療で着床率を高める
西洋医学では症状に対して投薬などの対処を行いますが、鍼灸治療では人間が本来持っている自己治癒力を高め、症状の原因を取り除いていきます。
着床に適した子宮内膜を作る
子宮内膜は厚みよりも質が重要です。
着床に適した子宮内膜、酸素に富み、塊が無い綺麗な子宮内膜を作ります。
E2(血中エストラジオール)を正常値にする
肝臓に対する治療を行うことで、着床期にE2を正常値に近づけることができます。
子宮内膜の受精卵の取り込み能力が高まり、着床率が上がります。生理3日目のE2が50以上でお悩みの方も、肝臓への治療でE2を50以下の正常値にすることができます。
鍼灸とAKAによる骨盤矯正
骨盤の歪みを矯正し、子宮、卵巣、卵管の位置を整えます。
子宮、卵巣の機能が高まり、卵管の閉塞や狭窄が改善され、精子と卵子、受精卵が通りやすい道が開きます。
甲状腺治療で妊娠初期流産、早産を予防
甲状腺の働きは妊娠の維持に大きく関わっています。
通常の検査で異常が発見されない方も、甲状腺の働きを整える治療を行う事で早産・流産の予防につながります。
卵胞の成長を助ける
ここまで挙げたような鍼灸治療により、ホルモンのバランスを整え、子宮や卵巣の機能を高めることで、卵胞の成長を助け、元気な卵子が生まれやすくなります。
既往症、慢性的な症状への治療
以前かかった病気、過去の怪我や手術の跡が着床の妨げになっているケースが大変多くみられます。
患者様お一人ごとの体調や病歴に併せて、着床を妨げている原因を取り除いていきます。
- 下腹部の手術を受けた事がある方
- 盲腸の手術を受けた事がある方
- 鼠径ヘルニア(脱腸)の手術を受けた事がある方
- 子宮筋腫、卵巣脳腫などで、開腹手術か腹腔鏡手術を受けた事がある方
- 帝王切開の経験がある方
- 上記以外の疾患で腹部の開腹手術もしくは腹腔鏡手術をしている方
経験のある手術によって、それぞれ鍼灸治療の内容が違います。
使用する経穴(ツボ)も変わりますので、詳しく問診、診察させて頂きます。
その他、着床を妨げる既往症や習慣の例
- 甲状腺疾患
- 糖尿病
- 顎関節症
- ストレス
- 脊柱側弯症
- 尾底骨打撲、骨折
- 人工中絶手術
- 流産後の手術
- 甘いものが好きな方
慢性的な疾患や、ちょっとした体調不良も着床率を下げている事があります。
お身体の不調はぜひ詳しくお聞かせください。
男性にもおすすめ
不妊鍼灸の効果は女性だけでなく男性にもおすすめです。
鍼灸治療を行うことで精巣の血液循環を向上させ、栄養とホルモンをしっかり届けた後に代謝物を回収することで、製造機能が向上して精子の数や精子運動率が改善することが期待されます。
また、前立腺機能が向上することも分かっているため、タイミングの時期に合わせて治療するとより効果的です。
いつ受けるのがベストタイミング?【着床鍼灸】
「いつ着床鍼灸を受けるのがベストタイミングなのか?」が大切です!
タイミング法、人工授精、初期胚移植、胚盤胞移植、どの方法で不妊治療をしているのかで、着床鍼灸を受けるタイミングが異なります。それぞれのスケジュールを確認し、それに合わせて鍼灸治療を行うようにしましょう。
下記は、鍼灸治療を受けるベストタイミングです。このタイミングでご来院ください。()内は、鍼灸を受ける目的が記入されています↓
タイミング法
排卵期(排卵促進)
排卵日から5日目頃(着床促進)
人工授精
人工授精前日~当日(排卵促進)
人工授精から5日目頃(着床促進)
人工授精から7.8日目(着床促進)
初期胚移植
移植前日~当日(子宮内環境改善)
移植2~4日後(着床促進)
移植4~6日後(着床促進)
胚盤胞移植
移植2~3日前(子宮内環境改善)
移植当日~翌日(着床促進)
移植2~4日後(着床促進)
ストレスが多い状態は、着床率の低下に繋がります。
ストレスホルモンが多い状態では、女性ホルモンがうまく働くことができないため、受精卵の着床にも大きく影響します。また、ストレスの抱えすぎや睡眠の質の低下、目や頭の使いすぎは、交感神経を興奮させるため血流を悪くさせます。鍼灸治療により、副交感神経を高めることでリラックスすることができ、血管の収縮を防ぐことで子宮内膜への血流状態を改善します。
以下のグラフは、体外受精の前後に鍼灸治療を行うことで妊娠率が大幅に上がるという研究結果をドイツと中国の研究チームがまとめたものです(米国生殖医療学会誌2002年4月)。
ドイツと中国の研究チームがまとめたもの体外受精と鍼灸治療を組み合わせて行うことで、妊娠率や出産率の増加、流産率や子宮外妊娠率の減少が期待されることが分かります。
米国国立医学図書館(U.S.National Library of Medicine)が提供する医学文献データベースにおいても、不妊に対する鍼灸治療の効果を検証した研究が大変多く報告されています。
体外受精を受けている女性の妊娠成功率に対する鍼治療の効果
原因不明の不妊患者の胚盤胞移植における鍼治療の効果
不妊治療における鍼灸治療と漢方薬の臨床的意義
多嚢胞性卵巣症候群患者の抗ミュラー管ホルモンと体外受精における鍼治療の効果
体外受精を受けている卵巣反応不良患者の内分泌ホルモンレベルと卵巣予備機能における鍼治療と薬物療法の併用
