不眠症

寝つきが悪い」「夜中や早朝に目が覚める」「ぐっすり寝た気がしない」――こうした睡眠トラブルのために、日常生活に支障をきたす状態になり、しかもそれが慢性的に続くようなら、それは不眠症かもしれません。しかし、睡眠時間は個人差が大きいため、8時間以上眠っているにもかかわらず「眠れない」と感じる方がいる一方で、短時間の睡眠でも平気な方もいます。そのため、何時間眠っていようと、本人が安眠・快眠できないと自覚する状態が続けば、「不眠症」と診断されます。

不眠症は以下のようなタイプに分けられ、睡眠衛生や睡眠薬の選択の際に参考になります。

寝床に入るがなかなか眠ることができなく、寝つきが悪い状態
「なかなか寝付けない」「眠ろうとすると目がさえて眠れない」

一旦,入眠した後に起床するまでに、頻繁に目が覚めてしまう状態
「夜中に何度も目が醒める」「夜中に目が醒めて、その後なかなか寝付けない」

望む時間よりも前に目が覚めてしまい、再入眠できない状態「朝早く目が醒めて、その後寝付けない」

睡眠時間は十分に取っているにもかかわらず、眠った感覚が得られない状態
「眠った気がしない」「眠りが浅い」

風邪や腹痛、頭痛など体調を崩す原因が他にあり、その結果不眠症になっているケースです。この場合、不眠症の原因となっている病気や症状の治療を行うことで不眠症が改善されることがあります。

引っ越しや転職、より身近な部分では枕を変えた・部屋が暑い・工事の音がうるさい・部屋が明るいなど些細な日常生活の中での環境の変化や、旅行による時差ボケなどが原因になっている不眠症です。

悩みやイライラ、緊張などストレスで心に負担がかかり、眠れなくなってしまう場合があります。この状態が長く続くと、不眠が慢性化してしまい不眠症となってしまいます。

うつ病などの精神疾患が原因による不眠です。うつ病にかかっている場合、同時に不眠症の症状が出ている場合も珍しくありません。また、うつ病の治療薬の副作用として不眠になってしまう場合があります。

個人差はあるにせよ、ほぼ全ての人は加齢によって眠りの質が低下します。眠れる時間が少なくなるのです。これは健康であっても関係ありません。そして、眠れる時間が少なくなっているのに、多くの人は若い頃と同じようにたっぷり眠りたいと考えます。だから眠れず、不眠になってしまうのです。また、若い人が遅寝遅起きがちなのに対して、中高年は早寝早起きになります。理由は体内時計の睡眠のタイミングが若い頃より早まっているからです。しかし、早く寝すぎるとそれだけ早く目が覚めてしまいます。このような理由で高齢者では不眠に悩まされる人の割合が増加します。

  • 血流が良くなる
  • ホルモンバランスが整う
  • 自律神経を整える
  • からだや脳の緊張、疲れをとり、平常を保つ
  • 冷えたからだは温められ、ほてりなど余分な熱は冷められる

これらの作用により、陰陽・気血水、五臓六腑のバランスを整えます。鍼灸(東洋医学)では、バランスの整った状態=中庸の状態を健康と定義します。鍼灸治療は、心とからだに中庸の安らかな状態をもたらします。その結果、不眠が改善されるのです。

鍼灸の働きはからだや脳の緊張、疲れをとり、平常を保つ・冷えたからだは温められ、ほてりなど余分な熱は冷められるこれらの作用により、陰陽・気血水、五臓六腑のバランスを整えます。鍼灸治療は、心とからだに中庸の安らかな状態をもたらします。その結果、不眠が改善されるのです。当院における鍼灸治療の治療目標は体質を改善することによる根本原因の除去です。薬物治療のような対処療法ではありません。そのため、鍼灸治療で改善できた症状は再発しにくいのが特徴です。薬物治療により改善が見られない場合や症状を繰り返すような場合は当院の鍼灸治療をお勧めいたします。

スムーズに睡眠に就く習慣が出来るまで初めの3ヶ月は週に2回程の治療をおすすめします。最初は施術を受けた日はリラックスしてよく眠れた、ということから症状が寛解し始めます。徐々に眠れる日が増えてきたことやお薬に頼らなくても眠れるようになってきたなど段階がありますので、焦らず気長に頑張りましょう。症状が落ち着いてきましたら治療頻度を週に1回から2週に1回に変えていきます。