腎不全(透析)をされている方の鍼灸治療
成人の8人に1人が慢性腎臓病と言われています
腎臓は、タンパク質やアミノ酸を分解して生じた尿素や硫酸など、それにDNAやATPなどに使われる核酸を分解して生じた尿酸などを血液から取り除くろ過装置です。このろ過装置がうまく機能しないと腎不全をきたして尿毒症を起こします。血液中の尿素窒素が上がった状態です。この尿素窒素が上がらないように(尿毒症にならないように)人工透析を行います。血液中の残余窒素が高いと末梢神経麻痺を起こす場合が多いといわれます。また、手足の筋力低下や不全麻痺などがみられることもあります。人工透析は、人によりますが、1日
おきか、2日おきに行われます。人工透析を受けた当日や受けてしばらくの間は貧血を起こしやすい場合があるので、医師や施術家と十分相談してください。現在、日本における慢性腎臓病の患者数は1300万人(成人の約8人に1人)以上で、高齢者人口が増えたり、生活習慣病である糖尿病や高血圧が増加していることから、慢性腎臓病の患者数はますます増加する傾向にあると言えるでしょう。

腎不全(透析)患者にみられる症状
①透析後は、足や体全体がだるくて、喋る気がおきない。
②同じ姿勢でいることが多いので、腰痛がある。
③同じ姿勢でいることが多いので、首、肩が痛い。
④シャントが痛い
シャントとは?
透析とは、血液を体外に取り出し、浄化・除水をして体に戻します。血液を取り出すときに十分な血液を採るために「人工的に造った血管(動脈と静脈を繋げたもの)」です。

腎臓病の治療の考え方
既に慢性化してしまった腎臓病では、病気そのものを治すことは難しく、完治は期待できません。しかし病気の進行を抑え、症状を改善できれば快適な生活を送ることは可能です。食事療法や薬物療法によって腎臓をいたわり、残された腎機能をなるべく長持ちさせることが治療の基本です。腎機能低下の原因が明らかな場合は、その原因となっている病気を治すことが大切です。
腎臓病にならないために
腎臓病を予防するのに重要なことは日々の生活の中にあります
- 塩分やタンパク質の摂り過ぎに注意
- 尿量や尿の色などをチェック
血尿や尿に臭いがあれば一度医療機関を受診してください。 - 血圧の管理
高血圧は腎臓病の大きな原因でもあり、糖尿病や脳血管障害の原因にもつながります。 - 喫煙習慣
喫煙は慢性腎臓病の発症、進行に関与しています。様々な病気の危険因子でもあるので、まずは禁煙することが重要です。 - 飲酒
適度な飲酒は慢性腎臓病の危険因子とはなりません。しかし過度の飲酒は慢性腎臓病の危険因子となるので注意が必要です。 - 運動習慣
糖尿病や高血圧の発症をおさえ、適正な体重を維持することが非常に重要です。そのために適度な運動習慣があると良いです。 - 規則正しい生活習慣
過労や睡眠不足、ストレスの蓄積、昼夜逆転など。不規則な生活リズムだと腎臓に負担はかかります。規則正しい生活リズムであれば他の病気の予防にもつながります。腎臓病は今や新たなる国民病ともいわれ、予備軍も含むと1000万人以上ともいわれています。もし腎臓の機能が低下し、透析をうけることになれば、今のような生活は難しくなります。鍼灸治療で腎機能を普段から高めましょう。
鍼灸を受けるタイミング
透析を受けた翌日に受ける方が多く、お体に優しいと思われます。その理由ですが、人工透析を受けた当日などは血圧値が異常なほど低くなっており、鍼灸を利用されると筋肉をゆるめた時に血流がよくなりすぎて貧血を起こしてしまう可能性もあるからです。強く押したり、強い刺激の施術はしませんのでご安心ください。
鍼灸治療が期待できる事
- 残存腎機能の維持
- 血圧の安定
- 掻痒感、便秘、イライラ
- 下肢つり
- 肩こり、腰痛の各症状
当院の施術法で症状の改善が可能です。
症状、血液検査の数値により頻度は変わりますが目安として、クレアチニンが正常範囲内であれば週1ほどクレアチニンが2以上の場合は週2〜3回(理想)通って頂くこともあります。
※原則腎臓病の方は定期的に病院で診察を受けられている方を施術させて頂きます。