耳鳴り・突発性難聴の鍼灸治療

突発性難聴は、予兆なく耳の聞こえが悪くなる病気です。朝起きたら耳がよく聞こえなかった、電話の音が聞こえなくなったなど、突然症状が表れることがほとんどですが、数日かけて悪化することもあります。原因ははっきりとはわかっていませんが、音を感知して脳に伝える役割を担っている内耳のウイルス感染や血流循環障害ではないかといわれています。そのほか、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などが関係していると考えられています。

代表的な症状は、病名の通り難聴です。難聴の度合い、聞こえにくさは人によって異なります。ほとんどの音が聞こえない場合もあれば、高音など一部の音が聞こえない場合もあります。多くの場合、片方の耳にのみ症状が表れます(まれに両方のこともあります)。難聴と前後して、耳鳴りやめまい、吐き気などが起こることもあります。これらの症状は一度だけで、繰り返されることはありません。耳鳴り:低い音の聞こえが悪い場合、「ブーン」「ボー」など響く感じの音が鳴ります。高い音の聞こえが悪い場合、「キーン」などの金属音になります。低い音も高い音も聞こえが悪い場合、混じり合うのでセミが鳴く「ジー」などの音が聞こえます。

また、突発性難聴は子どもがかかることもあります。発症頻度は大人よりも少ないですが、難聴の度合いが大人に比べ高度な場合が多く、めまいなども合併しやすいので注意が必要です。

音は外耳 – 鼓膜 – 耳小骨 – 蝸牛 – 聴神経 – 脳へと伝わりますが、突発性難聴は蝸牛(かたつむり)の中の音を感じる神経細胞(有毛細胞)の障害で起こるといわれています。

  • 過度のストレス(過労、心労、睡眠不足)により、蝸牛(かたつむり)を流れる細い血管の血液の流れが悪くなり、神経細胞への栄養が足りなくなる。
  • 心臓病、動脈硬化、糖尿病、高血圧などの持病がある患者さんにおいては、小さな血のかたまり(血栓)で血管がつまってしまい、酸素が行き渡らなくなる。

などが考えられています。

病院で行われる”標準的”な治療は、血液循環を良くすることを目的とした、ステロイドやビタミン剤などの薬物療法です。また、発症から2週間頃を境に、症状が固定化、つまり良くも悪くも変化しない状態になる傾向があるため、できる限り早く医療機関を受診し、治療を開始することが予後に影響すると言われています。ただし、これもあくまで目安で、早期治療をしても改善しないケースもあります。突発性難聴の予後として、3分の1は改善し、3分の1は多少の回復は見られるものの完治はせず、残りの3分の1はまったく回復しないとも言われています。特に初期症状が重度の方は、症状が固定化しやすく、治りにくい傾向にあります。

突発性難聴に対する鍼灸治療は、耳周辺、頚部の筋緊張の改善が重要です。特に頚の筋緊張の改善が椎骨動脈の血流(首の奥にある動脈)に影響し、間接的に聴力改善に関わると考えられます。また副症状として多い「耳鳴り」、「めまい」などにも鍼灸は効果的です。安井鍼灸整骨院では耳症状(難聴、耳鳴、耳閉塞感、耳の響き、耳の痛み、めまい、中耳炎など)の発症した症例に対して、単独および薬物治療と併用する方法で鍼灸治療を実施し症状を軽減または改善してきました。病院の治療では、理想的には発症48時間以内、出来れば14日以内の治療開始が望まれます。治療期間は2~3週間で、発症1か月以降の効果はあまりないようです。

安井鍼灸整骨院の鍼灸治療ではおよそ発症3か月までは改善が見られます(それ以降に改善することもあります)。

当院における鍼灸治療の治療目標は体質を改善することによる根本原因の除去です。薬物治療のような対処療法ではありません。そのため、鍼灸治療で改善できた症状は再発しにくいのが特徴です。

薬物治療により改善が見られない場合や症状を繰り返すような場合は当院の鍼灸治療をお勧めいたします。

病院の治療と並行して鍼灸治療を行うことをお勧めします。症状が残らない可能性を高めるために、鍼灸治療も早期に行った方が良いです。実際に、すぐに鍼灸治療を始めた方が、症状の緩和・完治した例を多数見てきました。また突発性難聴が治らなかった方でも、あきらめない気持ちは大切かもしれません。医療は不確実なもので絶対はないです。治療をして、すぐには症状に変化が現れなかった方でも、長期間鍼灸治療を受けることで、耳周りの血流改善を促し、全身の調子を整えれば、症状に変化が現れるかもしれません。

  • 低い音のみ聞こえが悪い
  • 聞こえがそれほど悪くない
  • 若い方
  • 聴力検査で聞こえが悪い
  • 高血圧、糖尿病、腎臓病などの内科の病気がある
  • 治療に来るのが2週以上と遅れた
  • 治療を勧められたが断った

耳鳴りとは、外界から音が耳に入っていないのに関わらず音を感じる症状をいいます。多くは耳の病気と一緒に起こりますが、全身的な病気によるものや、心理的な要因がきっかけで耳鳴りを生じていることもあります。

代表的な症状は、病名の通り難聴です。難聴の度合い、聞こえにくさは人によって異なります。ほとんどの音が聞こえない場合もあれば、高音など一部の音が聞こえない場合もあります。多くの場合、片方の耳にのみ症状が表れます(まれに両方のこともあります)。難聴と前後して、耳鳴りやめまい、吐き気などが起こることもあります。これらの症状は一度だけで、繰り返されることはありません。耳鳴り:低い音の聞こえが悪い場合、「ブーン」「ボー」など響く感じの音が鳴ります。高い音の聞こえが悪い場合、「キーン」などの金属音になります。低い音も高い音も聞こえが悪い場合、混じり合うのでセミが鳴く「ジー」などの音が聞こえます。

また、突発性難聴は子どもがかかることもあります。発症頻度は大人よりも少ないですが、難聴の度合いが大人に比べ高度な場合が多く、めまいなども合併しやすいので注意が必要です。

自覚的耳鳴りの原因には、全身的な疾患や薬の副作用、またはストレスや疲労で起こることもあり、以下の3つに分類されます

内耳、聴神経、聴覚中枢(脳幹、大脳皮質)に障害があることが原因となるものをいいます。内耳炎、メニエール病、老人性難聴、突発性難聴、騒音性難聴、聴神経腫瘍などがこれにあたります。また、ストレイプトマイシン、シンプラチンなどの抗がん剤などの薬物は内耳を冒し、耳鳴りを生じさせます。

低血圧や高血圧など循環器系の病気や、血液・リンパ系動脈硬化、糖尿病、さらに脳神経系の疾患に伴って耳鳴りが現れるものをいいます。

心身のストレスによって耳鳴りが起きたり、増殖して感じたりすることがあります。また、生理的耳鳴りの原因は、無音状態により鼓膜が緊張することにあり、他覚的耳鳴りの原因は、耳の周囲の不調(顎関節症や顎の筋肉の腫れなど)にあります。

突発性難聴とそれに伴う耳鳴りでは、早く確実に内耳の血流を取り戻すため、週に2~3回の施術が必要です。血流が不足した状態が続くと、仮死状態だった内耳の細胞が死滅していき、回復が難しくなります。そのため、症状が出てから鍼治療を開始するまでの時間が短いほど、有効性が高くなります。発症から1ヶ月以内であれば、改善の見込みがあります。もし、一週間以内に治療を開始できれば、さらに理想的と言えます。軽微な症状では、3回程度で改善する例もありますが、ほとんどの場合、5回以上の施術を必要とします。治療期間は1~3ヶ月です。耳鳴り単独の症状である場合、週1~2回の通院が必要です。5~10回の施術で改善の兆しが現れた場合は、継続すると改善を見込めます。

突発性難聴・耳鳴りで鍼灸をする場合、多くの治療院・鍼灸院では耳回りのツボを使い施術することが多いです。具体的なツボ名と場所は下記の通りです。耳回りのツボ(耳門・聴宮・聴会・翳風・和髎・角孫)の位置のイラスト

【和髎(わりょう)】耳の前上方にある。上歯痛、中耳炎、外耳炎、顔面神経麻痺、三叉神経痛に使われます。

【耳門(じもん)】耳の前で、口を開けるとくぼみある個所にある。和髎穴と同様。

【聴宮(ちょうきゅう)】耳門穴の下にある。顎関節痛、中耳炎、外耳炎、顔面神経麻痺、三叉神経痛に使われます。

【聴会(ちょうえ)】聴宮の下にある。中耳炎、外耳炎、下歯痛、顎関節痛にも使われます。

【角孫(かくそん)】耳の上にある。偏頭痛、角膜炎、歯肉炎にも使われます。

【翳風(えいふう)】耳の後ろにある。顔面神経麻痺、耳下腺炎、高血圧症にも使われます。