気象病(天気痛)とは?
天候や気温、気圧、湿度などの変動によって起こる身体の不調のことを気象病と言います。
季節の変わり目、気圧が低下する雨や曇りの天候時、梅雨や台風の多い時期などに起こりやすく、特に気圧の
変化による影響が大きいと言われています。気象病は正式な病名ではありませんが、気候の変化による身体の
不調を表すものとして近年認知されるようになりました。気象病に悩まされている方は1,000万人にのぼると言
われており、特に月経のある女性の割合が高くなっています。

原因
気象病は天候の変化によって引き起こされます。原因は以下の通りです。
気圧の変化
特に気圧の低下は気象病の大きな要因であると考えられています。私たちの体は常に大気からの圧力、すなわ
ち“気圧”を受けています。このため、体内では気圧に負けないよう外部へ向かってさまざまな部位で圧力が発生
しているのです。しかし、急激に気圧が低下すると体にかかる圧力も低下するため、体内で生じている圧力の
ほうが高い状態になります。その結果、頭痛、めまい、動悸などのさまざまな症状が引き起こされます。
気温の変化
気温の急激な変化も自律神経のはたらきを大きく乱す原因になります。特に急激な気温の低下は、交感神経を
刺激して心拍数や血圧を上昇させ脳梗塞や脳出血、心筋梗塞など命に関わる重篤な病気発症の引き金になり得
ます。
さらに、冷気に晒された全身の血管は収縮するため血行が悪くなり、肩や首が凝りやすくなります。体の平衡
感覚をつかさどる内耳への血流も低下するため、めまいや耳鳴りなどの症状を引き起こすことも少なくありま
せん。
症状
気象病では次のような症状が現れます。
むくみや痛み
急激に気圧が低下すると、血液中の水分が血管の外に押し出されて浮腫ふしゅ(むくみ)が現れることがあり
ます。また、それが誘因となって痛みの原因となるプロスタグランジンやヒスタミンなどの物質が産生される
ことにより、頭痛や関節痛といった気象病に特徴的な症状が現れるようになるとされています。
気管支喘息
気圧の急激な低下は気管支喘息を悪化させることも知られています。これは、気管支に加わっていた圧力が急
激に低下することで、気管支内の圧力も低下して気管支内部が狭くなるためと考えられています。
自律神経の乱れ
そのほか、気圧の変化は自律神経の乱れを引き起こす原因にもなり、めまいや動悸などの自律神経失調症状、
気分の落ち込み、集中力や注意力の低下など精神的な症状を引き起こすことがあります。
気象病チェックリスト
以下の項目が5個以上当てはまると気象病の可能性が高くなります。
気象病の症状の強い方は該当項目が多くなる傾向にあります。
内耳の敏感度チェック
- もうすぐ雨が降りそうなど、天気の変化をなんとなく予測できる
- 新幹線や飛行機に乗った時に耳の詰まりや耳の痛みを感じやすい
- 乗り物酔いをしやすい
- 耳抜きが苦手
- よく耳鳴りがする
天候変化への敏感度チェック
- 天気が変わるときに体の不調やメンタルの不調がある
- 雨の降る数日前から直前、雨の降っているときに体調が悪くなる
- 天候が悪いとやたらと眠くなる
- 雨の降る前に、頭痛やめまいが起こることがある
- 雨が降る前に関節や古傷に痛みを感じることがある
- 湿度が高いと胃腸の調子が悪くなる
気象病のなりやすさチェック
- 頭痛が起こりやすい
- 首がこりやすい
- 耳鳴りやめまいが起こりやすい
- 日常的にストレスやプレッシャーを感じている
- 歯のくいしばり、歯ぎしりを指摘されている
- デスクワークが多い
- エアコンが効いている環境にいることが多い
- 首を痛めたことがある
- 過去に大きなケガをしたことがある
西洋医学的治療方法
気象病に対しての西洋学的治療法は確立されていませんが、内耳や脳の血流を改善する薬、抗めまい薬、乗り物酔いの薬などが使用されることが一般的です。
東洋医学的治療方法
東洋医学による見方は、湿度の高い環境では十分に汗をかくことができず、体内に余分な水分や老廃物が溜まりやすくなり、循環が悪くなります。このような不調を湿邪と呼び、頭痛、消化不良、便秘、むくみ、関節痛、膀胱炎の原因になります。また、消化器官が、最も「湿邪」に侵されやすく胃の弱い方は早々に「夏バテ」になり体調を崩しがちです。さらに、風邪と湿邪が合わさった状態を「水滞(すいたい)」といい、水滞になると、頭を締め付けられるような頭痛や頭重感、グルグル回るようなめまい、重だるい倦怠感、むくみ、気分の落ち込み、吐き気、関節痛、難聴などの症状が見られます。安井鍼灸整骨院の鍼灸治療は、全身治療を基本にしながら、つらい症状の改善を目指して組み立てます。自律神経も調整して、頭痛の改善とともに安らかな睡眠など生活全般の質の改善をはかります。発症する前の予防治療としても効果が期待できます。丁寧なつきっきり治療で、鍼灸師が状態を把握しながら治療を進めます。少しでも症状を軽くして、あなたの大切な生活を改善できるよう全力で取り組ませていただきます。
暮らしのアドバイス
- 睡眠は7時間を目安に早寝早起きを心掛け規則正しい生活をしましょう。
- ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、ピラティス、水泳など定期的な運動を取り入れましょう。
- 水分の摂りすぎに注意しましょう。一回にガブガブと水分を摂るのではなく、こまめに少しずつ水分を摂りましょう。
- 水分代謝を悪くする甘い物・脂っこい食べ物は控え、水分代謝を整える小豆・大豆・黒豆・枝豆・そら豆などの豆類、わかめ・こんぶ・海苔などの海藻類、あさり・しじみ・ハマグリなどの貝類、ハト麦・とうもろこし・玄米・雑穀などの穀物、冬瓜・ゴーヤ・キュウリなどの瓜類などを積極的に取り入れるようにしましょう。