半月板損傷

半月板(はんげつばん)は、膝関節内にある、半月状の形をした軟骨です。具体的には、太ももの骨とすねの骨の間に位置しています。半月板は、膝の関節を体重や衝撃から守り、安定させる役割をしています。半月板の役割としては、以下があります。ひざ関節にとって、半月板はとても重要なものです。

  1. 膝のクッション
  2. ひざに掛かる体重の均等化
  3. ひざ関節を安定させる
  4. ひざの関節液(かんせつえき)の流れをスムーズにする

半月板損傷は、損傷の程度や種類に応じてさまざまなタイプに分類されます。

外傷性裂傷:急激な膝の曲げ伸ばし運動、着地時の強い衝撃、スポーツ中の急な方向転換などによって引き起こされます。

変性性裂傷:加齢や膝関節の使用過多によって軟骨が劣化し、半月板が裂けることがあります。

変性性変化:長期間にわたる軟骨の劣化や老化によって半月板が損傷することがあります。これは外傷によるものではなく、通常は年齢とともに進行します。

全摘:重度の半月板損傷の場合、半月板の一部またはすべてが摘出されることがあります。これにより、膝関節の安定性が損なわれ、早期の関節症の発症リスクが高まります。

O脚は、膝が内側に曲がって足首が外側に開いた状態を指します。この状態では、膝関節に負担がかかりやすく、特に外側半月板に過剰な圧力がかかる可能性があります。O脚の場合、膝関節が不安定になり、特に膝の内側部分に負担がかかります。その結果、外側半月板に過度のストレスがかかり、半月板損傷が引き起こされる可能性があります。

X脚は「ひざ」が内側に曲がって、足首が外側に開いた状態を指します。この状態では、ひざ関節の外側に負荷が掛かりやすく、特に外側半月板に過剰な圧力がかかる可能性があります。ひざ関節の外側に負荷が掛かり、特に 外側半月板に過剰なストレスを与える可能性があります。X脚は、ひざ関節の動きが不安定になり、半月板に負荷が掛かりやすくなります。特に、特定の姿勢や運動の際に顕著に現れることがあります。例えば、着地や方向転換時にX脚が起こることで、ひざ関節に負荷が掛かり、半月板損傷のリスクが高まる可能性があります。

適切な姿勢やトレーニングを通じて X脚を矯正し、ひざ関節への負荷を軽減することが重要です。

半月板は、スポーツや交通事故でのケガ、長年の負荷による変性などにより損傷することがあります。特に、サッカーやバスケットボールなどの接触の多いスポーツで多く発生します。強く荷重の加わった状態で捻じれたり、無理な外力を受けることで損傷します。損傷した半月板が離断して関節の中で遊離している場合には、突如関節が固まり、曲げ伸ばしが出来なくなるロッキング現象が起こります。損傷が大きく、早期の競技復帰を目指す場合等は、内視鏡による手術が選択される場合もあります。

中高年期に多いのは、筋力低下や膝に負担を掛ける使い方が原因となり、半月板がすり減ったり、ねじる様な力が加わって起こります。(変性断裂)慢性的な炎症や半月板の変性によって不安定な状態で使い続けると変形性膝関節症に移行したり変形性膝関節症を進行させてしまうことになります。

遺伝的に半月板の形状が生まれつき損傷しやすいタイプの人(円板状半月)の場合は、切除する目的で手術が選択されることが多いです。

  1. 痛み(歩行、階段、膝を完全に曲げる、伸ばす)
  2. 腫れ、熱感、むくみ
  3. 曲げ伸ばしの際に引っかかりがある
  4. しゃがむことができない、正座ができない
  5. 突然膝が動かなくなる(ロッキング)

半月板損傷は放っておくと、関節の変形が進行して【変形性膝関節症】に移行しやすくなります。そのため早めに、整骨院など専門知識のある施設を受診することをお勧めいたします。一般的に手術の後には、回復を早めたり関節の拘縮(こうしゅく)を予防・改善させるために、ストレッチや可動域の訓練、マッサージで筋肉の緊張を緩和して血流を良くする等のリハビリが行われます。スポーツへの復帰を急ぎ過ぎると、負傷から手術前後で起こる筋力低下や体のバランスが崩れていますので、手術によって半月板が治っても、競技復帰をした際に、再度、負傷してしまう可能性もあります。

半月板損傷は症状の進行によって施術法が変わります。痛みや腫れが強い急性期には、安静のため「テーピング」を巻き、動きを制限することがあります。慢性期の痛みに対しては、「手技療法」や「はりきゅう」を行い、オリンピック選手にも使用する「コンビネーション療法」を行います。