タナ障害(バーナー症候群)

タナ障害の正式名称は内側滑膜ヒダといいます。膝の疾病であるタナ障害(棚障害)は、膝の屈伸や、スポーツ時に膝の内側に痛みを感じるのが特徴です。膝の内側には滑膜ヒダというヒダが存在し、この滑膜ヒダが炎症を起こすと痛みなどの症状が起こります。

タナ障害のタナは棚をさし、膝の内側の滑膜ヒダは膝の関節の中を上と下に仕切っているヒダで、その形状が棚のような形をしているため、棚障害と呼ばれるようになりました。タナ(内側滑膜ヒダ)は幼少期に存在するもので、自然と消えてなくなる人と、残る人に分かれます。日本人は、約半分の人の膝にはタナが残っているといわれています。

タナ障害は以下のような症状が出てきます。

  1. 歩くと痛みが出てくる
  2. 屈伸時に音が鳴る
  3. 膝に引っかかり感がある
  4. ランニング中に痛みが出る
  5. 膝の内側を押すと痛む

タナ障害の大きな特徴は、膝の内側に痛みが出ることです。その理由として、滑膜ヒダがお膝のお皿に沿うように付着しているからです。症状が出始めた時は、痛みよりも違和感が強い傾向があります。

初期症状は、膝の引っ掛かり感と屈伸時の音が鳴ることです。その状態を放置してしまうと、次第に痛みへと変わっていくため、適切な治療をすることが大切になります。

タナ障害の原因は以下のようなことが考えられます。

  1. 運動量の増加
  2. 膝の曲げ伸ばしの繰り返し
  3. 運動後のケア不足
  4. ももの筋肉の緊張増加
  5. ウォーミングアップ不足

タナ障害になってしまう多くの方が、日頃のケアが不足していることが多いです。運動量の増加に対して、ウォーミングアップやクールダウンを行なっていない場合、筋肉の緊張は強くなりやすいです。その繰り返しによって、滑膜ヒダに摩擦が生じ続け、痛みとして出てくるようになります。

滑膜ヒダは、関節包の内側に存在しています。約50%の人に、滑膜ヒダが存在しており滑膜との密接な関係性を持っています。

関節包を覆う膜状の組織です。滑液と呼ばれる関節を動かす上で必要な潤滑油を作り出す役割を持っています。滑液には、ヒアルロン酸などが含まれており、本来身体から自然分泌される液体です。

タナ障害の施術は、主にコンビネーション治療を使用することが多いです。痛みが出てくる初期段階では、運動の安静と治療に専念します。2週間前後で改善することが多く、その後も不安定感が出ている場合には、運動時にテーピングを行なうことが一般的です。また、タナ障害は反復した動作によって発症するため、運動復帰後もウォーミングアップやクールダウンなどを入念に行なうようにします。

出ている痛みの状態によります。日常生活で痛みを感じない場合には、テーピングの処置をしてから運動することができます。

タナ障害の好発年齢は、12歳~18歳です。運動を盛んに行なう中高生に発生することが多いため、放置せずに適切な処置をすることで早期に改善します。