こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、片頭痛について書きたいと思います。
片頭痛とは?
片頭痛とは、頭の片側または両側が痛んで生活に支障が出る頭痛で、吐き気や嘔吐が生じたり、光や音、においに敏感な状態を伴ったりすることもあります。頭痛には、頭痛そのものが病気であり、いわゆる「頭痛持ちの頭痛」といわれる一次性頭痛と、頭痛の原因となる病態が他にあり、その症状の一つとして生じる二次性頭痛があります。片頭痛は一次性頭痛を代表する頭痛の一つで、日本では約1,000万人いるといわれています。日本の全国調査※1によると、15歳以上の片頭痛の有病率は8.4%、女性に多いのが特徴で、男性の約3.6倍となっています。男女とも10代から増え始め、50代以降には減少し、70代以降で片頭痛に悩む人はかなりまれとなります※1。男女とも「働き盛り」と呼ばれる年齢に多く発症するため、患者さん自身の日常生活に影響が出るのはもちろん、仕事をしても生産性が上がらず、社会における経済的な損失も懸念されます。
片頭痛の有病率
片頭痛は日本で何人くらいいるの?(日本における片頭痛の有病率)
日本では15歳以上を対象とした片頭痛の有病率は約8.4%、約840万人の片頭痛の患者さんがいると言われています。男性は3.6%、女性は男性の3倍の12.9%と女性に多く見られる病気です。特に20代から40代女性に多く、その後加齢に伴い有病率は低くなります。未成年における有病率は高校生9.8%、中学生4.8〜5.0%、小学生3.5%と年齢が上がるにつれ、徐々に増えていきます。
世界各国の片頭痛の有病率
世界各国における有病率は様々で、
- タイ29.1%
- ドイツ27.5%
- スウェーデン13.2%
- フランス12.1%
- 台湾9.7%
- マレーシア9.0%
- 中国8.3〜14.3%
- 韓国6.1%
調査方法などにもよりますが、生活様式や地域性によってかなりの違いがあるようです。
日本の中でも、片頭痛の分布が縄文人の分布と似ているというデータがあり、片頭痛のルーツは縄文人ではないかと考えられています。
片頭痛の症状
片頭痛かどうかを判断する症状として、ポイントになるのは以下の3つです。
(1)生活に支障が出るほど痛みが重い
片頭痛の場合、「動けない」「休みたい」と感じるほど重い頭痛が生じ、仕事や家事などに支障が出ます。体を動かすと痛みが悪化します。椅子に座った状態で体を前に倒し、頭を左右に振ったときに痛みが悪化するようであれば、片頭痛の可能性が高いと考えられます。
(2)吐き気や嘔吐を伴う
片頭痛が生じると、消化管の動きにも影響が出るため、吐き気がしたり、実際に嘔吐してしまったりすることがあります。下痢をする人もいます。
(3)光や音、においに敏感になる
普段であれば気にならない光や音、においに対して敏感になることがあります。こうした刺激がわずらわしいあまり、「暗くて静かな部屋で休みたい」と感じる人もいます。
このほか、片頭痛では以下のような症状がみられることがあります。
(4)脈打つような拍動性の痛みがある
ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛みが生じるのも、片頭痛の特徴です。ただ、「脈打つ感覚がよく分からない」というケースも少なからずあり、片頭痛以外の頭痛でも「脈打っているような気がする」と訴える患者さんもいるため、自覚している痛みが拍動性かどうかだけでは、片頭痛と判断することはできません。拍動性の痛みに加えて、上記(1)~(3)のいずれかの症状があれば、片頭痛である可能性が高くなります。
(5)前兆として視界がキラキラと光る「閃輝暗点(せんきあんてん)」がある
片頭痛持ちの約3割の人では、頭痛の前兆として、視界にキラキラ、チカチカとした光が広がる「閃輝暗点」という視覚症状が生じることがあります。閃輝暗点は頭痛が始まる前に出現し、5~60分持続して徐々に消え、その後すぐに頭痛が始まるとされます
(6)頭の片側だけが痛むとは限らない
「片頭痛」と書くくらい、片側が痛むのは特徴ですが、両側が痛むこともあります。
(7)1回の発作が4~72時間継続する
1回の片頭痛発作が継続する時間は、4~72時間です。薬を飲まずに30分でおさまる頭痛や、一度も良くならずに4日以上続く頭痛は、片頭痛ではないと考えます。
(8)発作が生じる頻度はさまざま
片頭痛発作の頻度は、人によって異なります。年に数回という人もいれば、月1回という人もいますし、週に何日も痛む人もいます。環境や生活習慣、鎮痛薬の飲みすぎなどから、頭痛の頻度が徐々に増えて慢性片頭痛*になってしまうことがあります。この状態になると治療は大変困難となってしまうため、その前の段階で適切な治療を受ける必要があります。
日常生活でできる、片頭痛の対処法
①規則正しい生活を心がける
②自分にとっての適正な睡眠時間を探す
③ストレスを上手に発散する
④痛みがないときは適度な運動をする
⑤片頭痛の誘因をできるだけ避ける(光、アルコールなど)
⑥片頭痛の発作が始まったら、頭を冷やし、静かな暗い部屋で刺激を避けながら休む
片頭痛のツボ
①手三里(てさんり)
ひじを曲げたときにできる横ジワから、手首に向かって指3本分のところにあるツボ
②合谷(ごうこく)
人差し指と親指の骨が合流する部分から、少し人差し指側。「万能のツボ」と言われる
③崑崙(こんろん)
くるぶしの外側とアキレス腱の間にあるくぼみ
④足臨泣(あしりんきゅう)
小指と薬指の骨が合流するあたり
ツボを刺激する方法
ツボを押す際は、手のひらや親指で気持ちがいいと感じる程度にやさしく押しましょう。呼吸に合わせて押すと効果的です。1回6秒程度のリズムで息をはきながら少しずつ圧力をかけ、そのまま2秒キープし、今度は吸いながらゆっくり圧力を抜いていきます。手指以外にも、テニスボールやヨガボールを転がしてツボを刺激してもよいでしょう。圧力を加えず、ホットパックや蒸しタオルなどでツボを温めるのもおすすめです。
午前中にするのが良いとされていますが、いつも午前中にツボ押しができるわけではないと思いますので、下記のNGのタイミングは守るようにしてください。
こんな時は、ツボ押しはNGです
- 食事の前後1時間
- お酒を飲んだ後
- 入浴の直前・直後
- 押したい部分に、痛みや腫れ、熱がある場合