こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、コーヒーと不妊の関係です。
10月1日は「コーヒーの日」です。日本では、秋から冬にかけてコーヒーの需要が高まることから、1983年に社団法人全日本コーヒー協会によって定められました。
カフェインを過剰に摂取すると「副腎疲労による女性ホルモン不足」「卵子の質の低下」などの影響が出るため、妊活中から控えた方が良いと言えます。
コーヒーに含まれるカフェインには副腎を刺激する作用があり、刺激された副腎からはアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。
こうした余計なホルモンの分泌は妊娠に必要な女性ホルモンの分泌を妨げてしまうため、妊活の段階からカフェインの量を抑えた方が良いと言われているのです。
なぜ妊活中にカフェインを摂ってはだめなのか?どれくらいの量なら大丈夫?
カフェインには中毒性があり、過剰に摂取すると死に至るケースもあります。
こうした要素を持つカフェインを妊活中の身体に取り入れるのはあまり良いこととは言えません。
また、妊活中にカフェインを摂取し続けると卵子の質が低下するといった理由も挙げられますので、妊娠を望む方は1日に飲むコーヒーなどの量を気にしておきましょう。
2016年には、妊婦のカフェイン摂取に関する勧告を公表し、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦では出生時の低体重、流産や死産のリスクが高まる可能性があるとして、それらのリスクを低減するため、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦に対し、妊娠中はカフェインの摂取量を減らすように注意喚起しています。
こうしたことからも、日頃コーヒー等を飲む方は妊娠が判明した時点からカフェインの量を減らしていってください。
現在、先進国においては「妊娠中に飲んで良いコーヒーの量はマグカップ2杯相当まで」とするところが多く、日本でも300mg(カフェイン)/1日がひとつの目安となっています。
妊活中はいつからカフェインを控えるべき?胚移植後は特にダメ?
現在のところ、いつからカフェインを控えるべきかという問いに対して明確な答えは出ていません。
ただし、カフェインを摂取することで妊娠までの期間が伸びる可能性がある以上、できるだけ早い時期からコーヒー等の摂取を控えた方が良いと考えられます。(少量であれば問題ないといった意見もある)
海外では、コーヒーがよく飲まれていることもあり、さまざまなデータがあります。コーヒーを飲む量が1日3~5杯を超えると妊娠率が下がった、妊娠するまでの期間が長くなった、という報告は多いですね。一方、体外受精ではカフェイン摂取による妊娠率、出産率などに差はなかったとの報告もあり、極端にたくさん飲むのでなければ、妊活中のカフェイン摂取はそう問題ないと思います
カフェインを摂り過ぎると着床率が低下する?妊活中はコーヒー牛乳もNG?
ここからはカフェインと着床率(妊娠のしやすさ)の関係について解説していきます。
カフェインが妊活中の身体に与える影響
カフェインが副腎を刺激すると、アドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。身体がストレスホルモン過多の状態になることは、子宮や卵子に対しても良い影響を与えません。
また、カフェインによる刺激で副腎が疲労すると妊活に必要な女性ホルモンのバランスが崩れてしまいます。
カフェインを摂ると副腎が刺激されコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌される
コルチゾールには肝臓での糖の新生、抗炎症・免疫抑制などの役割がある
カフェインは一時的にコルチゾールを増やすが、副腎疲労により身体自体の疲労感も増してしまう
副腎疲労が起きると本来生成されるはずの「DHEA(通称:若返りホルモン)」が減ってしまいます。
DHEAが不足すると「卵子の質が低下する」と考えられていますので、妊活的には悪影響と言えるのです。
また、ブラック以外の缶コーヒーには糖分が多く含まれているため、肥満を予防する観点からも控えましょう。
カフェインと着床率の関係性
いまのところ「カフェインを摂ることで着床率が下がる」という明確な研究結果は報告されていません。
カフェインの摂取量と妊娠のしやすさについては諸説あり、着床率が下がるという意見と着床率は変わらないという意見の概ね2つに分かれます。
しかし、カフェインを過剰に摂取している女性の場合「自然妊娠までの期間が伸びる(=妊娠しづらくなる)」といった過去の研究報告がありますので、どちらにしてもコーヒー等を我慢できるなら摂取しない方が良いと言えるでしょう。
ここまでとは反対に、妊娠に役立つ(着床率を上げる)飲み物について少し解説を加えていきます。
妊活中には「抗酸化作用が高い飲み物」「冷えを解消する飲み物」がおすすめです。
後でも紹介しますが、ルイボスティーは抗酸化作用を持ち、体内の老化を抑制してくれる飲み物です。カフェインがいっさい入っていないため安心して飲めます。
また、冷えを解消する飲み物としては黒豆茶やタンポポ茶が挙げられます。
カフェインと男性不妊の関係
カフェインを飲むと精子の運動率が上がるという研究データがある
しかし、カフェインを摂っていた人の方が「受精率」は低かった
1日あたり265mg以上のカフェインを摂ると顕微授精での妊娠率が低下するといった別報告もある
こうした研究報告やデータもありますので、妊活中は男性側もカフェインの摂取量に注意してみましょう。
カフェインは着床の妨げになる可能性がある|コーヒー以外でおすすめの飲み物3選
①カフェインレスコーヒーやデカフェ
市販されているコーヒーの中には、通常のコーヒーよりカフェイン含有量が少ない「カフェインレスコーヒー」「デカフェ」といったものもあります。
こうしたカフェイン含有量が少ない飲料から飲み始めてみて、段々とカフェインへの依存度を下げていくというのも妊活においては大切なことです。
どうしてもコーヒーを飲みたいという方は、ぜひカフェインレスコーヒーやデカフェを試してみてください。
②麦茶
麦茶は「麦」を原料とするお茶なので、カフェインがいっさい入っていません。
ちなみに緑茶・紅茶・ウーロン茶は茶葉から抽出するお茶です。
そのため、すべてにカフェインが含まれています。
一般的な緑茶とは違い「茶葉の新芽」を多く使う玉露はカフェイン含有量が高いお茶として知られています。(カフェイン含有量がコーヒーの2倍以上)
ちょっとした休憩中にノンカフェインのお茶を飲みたいのであれば麦茶を選びましょう。
ルイボスティー
ここ10年ほどで知名度を上げているルイボスティーは「妊活にぴったりのお茶」としても有名です。
ルイボスティーが妊活向きの理由
①カフェインがいっさい入っていない
②亜鉛や鉄分、ポリフェノールといった成分が入っている
③肌質改善や糖尿病予防に効果的とされている
④ルイボスティーは鉄分を含むお茶なので貧血予防効果が期待できます。
⑤また、ポリフェノールは腸内環境を整えてくれるため、まさに妊活向けのお茶と言えるのです。
本来、アドレナリンはストレスと戦うためのホルモンです。
カフェインによって無理やりアドレナリンを分泌させること(身体がシャキッとなったような感覚)を習慣化するのは、子宮や卵巣にとっても良いことではありません。
できるだけ早く妊娠したいのであれば、少しの間コーヒーをやめてみましょう。
体質にもよりますが、それだけで妊娠の可能性が上がるかもしれません。