こんにちは。安井鍼灸整骨院です。今回は、不妊と睡眠についてです。
睡眠不足でメラトニンの分泌が減少すると不妊になる場合があります
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれる、脳の松果体から分泌されているホルモンです。
メラトニンには夜に副交感神経の働きを促し眠気を生じさせる働きがあるといわれます。
そのメラトニンの抗酸化作用によって、加齢や日常生活での酸化により質が下がるといわれる卵子の質を高めることが期待できるのです。
大切な働きをしているメラトニンですが、睡眠不足のときには分泌量が減少してしまうため、それが不妊の原因になるともいわれています。
メラトニンが減少すると卵子や精子の質が下がるといわれています
女性は生まれたときにすでに一生分の卵子の細胞を身体に備えているといわれています。女性の身体に準備されていた細胞をもとに、初潮が来てからは排卵の度に卵子を作り出して妊娠に備えるのです。
毎回排卵の度に新しい卵子が作られるということはなく、生まれたときからある細胞で排卵時に卵子が作られます。
そのため、加齢とともに卵子の数の減少と質の低下が生じると考えられているのです。
卵子の数の減少や質の低下には、日常生活中の睡眠不足や喫煙、飲酒や食事などの環境因子による酸化も関係しているため、メラトニンの持つ高い抗酸化作用が酸化を防いで卵子の質をよい状態に保つことにつながります。
一方、男性の精子は卵子とは異なり毎日新しく作られるといわれているのです。
精子は80~90日かけて成熟していくのですが、その質は新しく作られるときの生活環境に大きく左右されると考えられています。
食生活や喫煙などのほかに、睡眠不足によるメラトニンの減少も精子の質の低下につながるため注意が必要です。
妊娠を望んでいるときには夫婦ともに日常生活に気をつけて十分な睡眠時間をとるようにするとよいでしょう。
睡眠はホルモンの分泌と大きな関係があります
女性では女性ホルモンのプロゲステロン、男性では男性ホルモンのテストステロンなどさまざまなホルモンの働きが妊娠に大きく関係しています。
女性の場合にはとくに妊娠しやすいような身体を作る働きをするプロゲステロンの働きで体温の上昇、食欲増進などの変化を生じさせ、受精卵の着床を助けるために子宮内膜を整えるといわれています。
男性はテストステロンの働きで骨や筋肉などが発達した男性らしい身体が作られ、生殖機能が活性化されると考えられているのです。
睡眠には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠の2種類があり、寝ている間にこの2種類の眠りが交互に繰り返されています。
そして深い眠りのノンレム睡眠が訪れているときには身体と脳が休んで、さまざまなホルモンの分泌が促進されます。
また眠ってから3、4時間目位には女性ホルモンなどの分泌を促す成長ホルモンが多く分泌されるといわれているのです。
ノンレム睡眠が訪れるような質の良い睡眠を日常的にとっていると、ホルモンバランスが整い、身体の疲れやストレスが解消されるため妊娠しやすい体作りに役立ちます。
メラトニンを補給することで妊娠しやすい体質に整えましょう
規則的な生活を送り、睡眠をしっかりとると妊娠するために必要なさまざまなホルモンの分泌が促されるといわれています。
またホルモンを生成するときにはその材料として必要になるタンパク質やビタミン、鉄や亜鉛などのミネラルを摂取することも大切です。
栄養のある食事をして良質な睡眠をとる規則正しい生活を送ることで妊娠しやすい体質になることが期待できます。
(まとめ)睡眠不足が原因で不妊になる?
1.睡眠不足でメラトニンの分泌が減少すると不妊になる場合があります
メラトニンは抗酸化作用によって日常生活で酸化して質が下がってしまう卵子の質を上げるといわれています。
睡眠不足の時にはメラトニンの分泌が減少するため、それが不妊の原因になる可能性もあるのです。
2.メラトニンが減少すると卵子や精子の質が下がるといわれています
女性の卵子は生まれた時から体内に存在しているので加齢とともに数とその質が低下するといわれます。
また男性の精子は新しく作られるのですが、その質は生活環境に左右されるため、卵子や精子の酸化を防ぐといわれるメラトニンの働きが重要になるでしょう。
3.睡眠はホルモンの分泌と大きな関係があります
女性ではプロゲステロン、男性ではテストステロンなどのホルモンの働きが妊娠に大きく関係しているといえます。
これらのホルモンの分泌を促す成長ホルモンは睡眠時に分泌されるため、質の良い睡眠をちゃんととることで妊娠しやすい体作りにつながるでしょう。
4.メラトニンを補給することで妊娠しやすい体質に整えましょう
規則正しい生活を送って睡眠をしっかりとっていると妊娠に必要なホルモンが分泌されるといわれています。
ホルモンの分泌を促すには必要な栄養を摂ることも大切になるため、栄養やホルモンの不足が心配なときには早めに医師に相談するといいでしょう。
おまけ
就寝時間が22時45分より遅くなると、不妊症のリスクが有意に高くなることがアメリカの国民健康・栄養調査(NHANES)から明らかになりました。この研究は、2015~2020年のアメリカの国民健康栄養調査(NHANES*)から女性3,903人のデータを抽出し、就寝時間と不妊症との関連を分析したものです。
分析の結果、不妊症リスクに影響を及ぼす因子(年齢、人種、睡眠時間、ウエスト周囲長、婚姻状況、教育、BMI、喫煙状況、飲酒状況、身体活動総時間)を調整した後、就寝時間と不妊症との間には相関関係が認められ、その分岐点は22時45分でした。
22時45分までは就寝時間と不妊症リスクとの間に関連は認められませんでしたが、それ以降では、就寝時間が遅くなるに伴って不妊症リスクも上昇することがわかりました。
また、年齢、BMI、ウエスト周囲長、身体活動総時間、婚姻状況、喫煙状況、飲酒状況、睡眠時間といった要素との関連について調査したところ、BMIが高く、就寝時間が遅い人は、BMIが低い人よりも不妊になりやすいことがわかりました。
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