起立性調節障害

起立時にめまいや動悸、失神などが起きる自律神経の病気を「起立性調節障害」といいます。小学校高学年から中学校の思春期の子どもに多く、食欲不振や顔面蒼白、倦怠感などの症状が表れることもあります。

自律神経の機能が低下し、循環器系の調節がうまくいかなくなることが原因です。通常、人は立ち上がるときに自律神経の一種である交感神経が働き、重力によって血液がたまってしまう下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持しています。しかし、この交感神経の働きがないと、心臓へ戻る血液量が減少し、血圧が低下・脳血流が低下してめまいや動悸、失神などの症状が引き起こされます。また、自律神経の機能が低下する要因としては、体の発育による自律神経の乱れや水分の摂取不足、運動不足、精神的なストレスなどが挙げられます。起立性調節障害に悩む患者の約半数に遺伝傾向があることもわかっています。

「朝なかなか起きられない」、「立ち上がったときにめまいや失神が起こる」、「動悸や息切れがする」など、自分の意思ではコントロールできない症状が表れます。午前中に症状が強く出ることが多く、午後になると軽減もしくは消失していくのも特徴です。そのため、人によっては昼夜逆転生活になってしまうことも。顔面蒼白や食欲不振、頭痛や腹痛、倦怠感、乗り物酔いなどの症状が表れたり、精神的なストレスから症状が悪くなったりすることもあります。また、症状が悪化すると日常生活に支障を来し、集中力や思考力の低下や不登校などにもつながります。

ウォーキングのイラスト自分の意志ではどうにもならない病気の為、保護者や周囲の人々の理解を深め、適切な治療や生活習慣の改善が必要となります。精神的なストレスが関係している場合、まずはストレスを軽減・コントロールしていく事が大切です。軽症の場合、適切な治療を行うと早ければ2ヵ月程度で改善が見込めます。一方、不登校など重症の場合、通常の日常生活を送れるようになるまで数年かかるといわれています。

一般的な施術方法としては、薬物療法では効果が見込めない場合が多いため、まずは日常生活の改善から取り組みます。例えば、立ち上がるときは頭を下げてゆっくりと起立したり、できるだけ長時間の起立は避けたり、毎日30分程度のウォーキングを行うことで筋力低下を防いだりすることが有効だと考えられています。また、体の中で循環している血液量を増やすために、1日あたり2L前後の水分と塩分10gを摂ること、夜は元気になったとしても、早めの就寝を心がけることも効果的です。

次のような症状は、起立性調節障害かもしれません。

診断は、次に掲げる「チェックリスト」うち3つ以上当てはまり、かつサブタイプのいずれかに合致することとなっています。 

チェックリスト

  1. 立ちくらみやめまい
  2. 起立時の気分不良や失神
  3. 入浴時や嫌なことで気分不良
  4. 動悸や息切れ
  5. 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
  6. 顔色が青白い
  7. 食欲不振
  8. 腹痛
  9. 倦怠感
  10. 頭痛
  11. 乗り物酔い

予防のためには、規則正しい生活習慣が大切です。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。また、ストレスを溜め込まないようにリラックスする時間を作ることも重要です。向日市のさくら鍼灸接骨院では、生活習慣についてもアドバイスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

起立性調節障害の症状に合わせた治療を行います。鍼灸治療や全身調整整体によって自律神経のバランスを整え、症状の緩和を目指します。また、必要に応じて、ストレッチやマッサージなどの身体をほぐす施術も提供しております。一人ひとりの状態に合わせた丁寧な治療を心がけています。起立性調節障害でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。