肋間神経痛

肋間神経痛は症状の名前であり、痛覚神経が原因で「胸部から背中の辺り」で、突然鋭い痛みが走る神経痛となります。原因によって痛み方は違い、「急に電気が走るような痛み」や「ジクジクとした持続する痛み」などがあり、痛みの起こる場所は背中から脇腹、胸の前面やおへそ辺り、まれには足の付け根まで痛みを感じることがあります。心臓・太い血管や肺などの内臓の疾患が原因で起こる胸の痛みとの違いは、痛む場所や範囲がはっきりしており、肋骨に沿って起こる比較的鋭い痛みということです。特徴的なのは、上半身の右側か左側のみに起こり、特殊な場合を除いて左右両側に起こることはありません。肋間神経痛は、原因不明の「原発性肋間神経痛」と事故などが原因である「続発性肋間神経痛」の二つに分けられます。ほとんどの方が肋間神経痛を経験しており、背中・肋骨・わき腹・わきの下・みぞおちのうち、左右どちらかに痛みを感じることが多いです。基本的には大きく呼吸すると痛みが増します。骨折したような錯覚の激痛が特徴で、一度痛むと立ち止まってしまう方が多いです。肋間神経痛の主な原因はストレスです。人間はストレス環境にいることで体が強張(こわば)ってきます。無意識に姿勢を悪くし、背骨・体は徐々にゆがんでいくでしょう。すると、肋骨付近の神経が圧迫されて痛みを生じるのです。

肋間神経痛の原因はストレスでも、最終的に体が歪むことで痛みを生じます。そのため、普段から猫背の人や、過去に事故で骨折した人は肋間神経痛である可能性が高いです。また、ビタミン不足でも痛みを生じることが確認されているため、不規則な生活をしている人も該当します。また具体例として、中年以降の女性(ホルモンバランスの乱れから)や免疫力が低下している人は要注意です。特に帯状疱疹を引き起こしている人。帯状疱疹は更年期女性や50歳以上の中年の方に起こる皮膚の疾患で、体の片側だけに強い痛みを生じ帯状の発疹や赤みから始まり水ぶくれが広がります。ヘルペスウィルスが原因で過労や病気など免疫機能が低下したときに神経や皮膚を刺激して起こります。帯状疱疹から肋間神経痛になる方が多いようです。あとストレスをためやすい人もです。ストレスのため絶えず身体が緊張していて上半身の筋肉や肋間筋が固まり神経が張って痛みが出やすくなります。またデスクワークなどで下を向く時間が長い人などは熱中していると悪くなっている姿勢にも気づかず長時間経過しているという方が多いのではないでしょうか。姿勢の悪さで背中、肩、首、肋間筋が固まってしまい痛みが起こるケースが増えています。あと妊婦さんは今まで通りの姿勢で歩けなくなり、大きくなったお腹や内臓が肋間神経を圧迫します。主に背中側に痛みを生じることが多いようです。肋間神経は骨格に歪みがあったり筋肉のバランスが悪いと症状が悪化します。痛みを感じたら放置せずに早い段階で骨格矯正、筋肉調整をご検討下さい。

鍼灸治療の対象となるのはいわゆる肋間神経痛(上述)と呼ばれるものと帯状疱疹の後に痛みが残ったものとなります。痛みが主症状ですから、痛みを増強させたり、誘発させないように鍼灸治療は行います。

肋間神経を圧迫している部分に鍼をさし、神経の圧迫から開放します。痛みやその周辺、肋間神経に沿って鍼やお灸をしていくことによって痛みの緩和が見込めます。

痛みにより身体が興奮状態にありますので、自律神経を調節して、身体をリラックスさせていきます。これにより間接的に肋間神経に刺激を与える原因を和らげて行きます。全身的にツボと呼ばれる場所に鍼やお灸をしてリラックスさせ、症状を悪化させる要因を取り除き、治癒能力を上げていきます。

その日の体調にもよりますが、局所的、全身的治療を同時に行っていきます。これにより痛みから早期に解放されていきます。